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2018年11月17日付
ジャン アメリカ(米国)で中間選挙っていう選挙があったの?
土佐記者 トランプ大統領にとって、就任後初めて国民的な審判を受ける米中間選挙が6日に投開票されたよ。連邦議会下院では、野党・民主党が8年ぶりに過半数をうばい返した。
ケン トランプさんの与党・共和党は負けたの?
土佐記者 下院では敗れた一方で、上院では共和党が過半数を維持したんだ。上下院で多数派が異なる「ねじれ議会」となったよ。
ポン なぜ中間選挙と言うの?
――4年に1度の大統領選の間にあるため、中間選挙と呼ばれる。下院(任期2年)の435議席すべてと、上院(任期6年、定数100)のうち35議席(補選2をふくむ)が改選されたよ。
ジャン 選挙ではどんなことが注目されたの?
――2016年の大統領選で当選したトランプさんがすすめる外国や移民に厳しい政策や、人々の分断をあおるような政治手法、攻撃的な発言などの是非が問われた。上下両院で与党の共和党が議席の過半数を維持できるかが焦点だった。
ケン 下院は民主党の方が議席が多かったの?
――下院では、野党・民主党が改選前の193議席から大幅に増やし、過半数の218議席以上となった。
民主党は、女性や若者、黒人や移民ら、トランプさんに批判的な「反トランプ」票をほり起こした。都市部から地方に変わる中間にある、住宅街の多い「郊外」の選挙区で、女性の候補者を多く立てて、共和党から議席をうばい取ったんだ。
ケン 共和党は?
――与党・共和党とトランプさんは、下院よりも過半数を維持しやすい上院の選挙区を重視する戦略をとった。
熱狂的なトランプ支持層である白人労働者が多い米中西部の「ラストベルト」(さびついた工業地帯)や、共和党を支持する農家が多い穀倉地帯「ファームベルト」など激戦州を徹底的に回った。好調な経済や、中央アメリカから北上する移民集団「移民キャラバン」が脅威だとあおり、強い移民政策などをうったえた。
その結果、共和党はインディアナやノースダコタなどで民主党の現職議員がいた州から議席を取り返し、改選前の51議席を確保。過半数を維持することに成功した。
ポン トランプさんは喜んでるの?
――トランプさんは翌7日の記者会見で、上院で過半数を守ったことから、「歴史的な勝利だ」と宣言したよ。
ジャン でも、下院で負けた影響がありそうね。
――下院で敗北し、ねじれ議会となったことで、税金を下げる法案や、メキシコとの国境に壁を造ることなど、予算をともなう法案を成立させることは非常に難しくなった。
また、2年前の大統領選に介入したロシアと、トランプさん陣営との不透明な関係が指摘される「ロシア疑惑」に関して、民主党が今後、議会で激しく追及することになりそうだ。トランプさんを辞めさせるため、不正を明らかにして責任をとらせる「弾劾」の手続きを始める決定も、下院の過半数の賛成で決められる。民主党が多数決で始めれば、政治がさらに混乱するおそれがある。
ケン 次の大統領選はどうなりそう?
――トランプさんは今回、支持が強い「ラストベルト」の一角であるミシガンやウィスコンシンの各州で、上院選と州知事選の両方で民主党に負けてしまった。再選を目指す20年の大統領選に向け、不安要因をかかえることにもなったよ。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。