朝日小学生新聞
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■「幸せな学力」って?■

生活に役立つ算数…①
もし「3+2のたし算」ができなかったら、「5-2のひき算」もできないかもしれません。もし3×6のかけ算ができなかったら「18÷6といったわり算」ができません。
23×45といった2けた同士のかけ算は九九だけでなくたし算も使います(例1)。

234÷3といった3けたのわり算はかけ算だけでなくひき算もできなくてはなりません。(例2)

小3までに習うたし算、ひき算、かけ算、わり算の計算は、実はすべておたがいに関係していることは、意外と知られていないと思います。
たし算ができないと、ひき算が大変、かけ算ができないとわり算が計算しづらい、といったことが生じます。小3までの計算がすらすらできると、小4以降の算数の土台となるのです。

しかし、「何でこんな計算練習ばかりするの? 算数、きらいになりそう」と不満を言い出すお子さんがいるかもしれませんね。その時、「算数の計算ができると買い物に行く時に便利だよ」といったアドバイスをぜひしましょう。

休日に親子4人で近くのファミレスにランチを食べに行く時などに、次のような提案をしたらどうでしょうか。「今日の予算は全部で4,000円。4人で平等に分けるから、自分の分の範囲でランチを注文してね」
これを解決するにはひき算とわり算のスキルが必要です。「郵便局の近くのパン屋のマリオネットで、1個120円のメロンパン6個買ってきて。はい1,000円。ちゃんとおつりもらってきてね」。
これを解決するにはかけ算とひき算のスキルが必要です。身近かな買い物をすることによって、算数を使う場面を経験することによって、「計算できるとけっこう便利だな」ということがわかってくるでしょう。

これを活用型学力とも言っています。

【プロフィール】
安浪京子先生
小宮山博仁(こみやま ひろひと)
教育評論家。学習研究社顧問、学研メソッド取締役、学研エデュケーショナル顧問を歴任。学ぶことが面白くなる主体的な学びが生涯学習に結びつくことを提唱する。
『はじめてのアクティブ・ラーニング社会の?を探検』(童心社)『塾』(岩波書店)『大人に役立つ算数』(文春新書)『新聞コラム活用術』(ぎょうせい)など著書多数。

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