朝日小学生新聞
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■中学受験を乗り切るために、親が知っておきたいサポート術■

Q.受験学年になる前に、先取り学習をすることは有効でしょうか?
A.中学受験に関していえば、通常の学習内容をこなし、それでもかなりの余裕があるならば「基本学習の先取り」は有効です。
ただし、ここでハイレベルな内容を先取り学習させてしまうと、リスクの方が大きくなります。

算数に限らないことですが、芸事でも何でも「ピークを本番に持ってくる」事がもっとも大切とされています。
例えば、5年生で最上位クラスにいる子に、6年生の最難関レベルの内容を先取りさせると、学年が上がった時、塾の授業では余裕が生まれます。しかしその分、肝心の入試時期には、学力もモチベ―ションも伸びきってしまうのです。
人は伸び盛りの時こそ、120%の力を発揮できます。したがって受験においては、入試1~2か月前の仕上がりを8~9割程度にしておき、残りの期間で一気に仕上げるのがベストです。
それよりも早く、ましてや先取りで6年生の頭あたりにピークが来てしまうと、その後成績は下降していってしまうのです。

また「問題の新鮮味」も非常に重要です。「先取りしているから大丈夫」という余裕が、気の緩みとミスを呼び込んでしまいます。
子どもが、間違い直しより新しい問題を解く事を好む姿を見ても、新鮮味の引きの強さをご理解頂けると思います。

ただし、知的好奇心や入試と関係ない学力を伸ばす先取りは大いに結構です。算数オリンピックや漢検1級などを目指す姿勢は応援してあげて下さい。




【プロフィール】
安浪京子先生
安浪京子(やすなみ・きょうこ)
1976年、岐阜県生まれ。中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』(朝日学生新聞社)他、連載、講演、セミナーなど多数。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。
きょうこ先生のブログ http://ameblo.jp/prestige-partner/

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