朝日小学生新聞
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■教育にかける時間とお金の有効活用術■

秋らしい空気を感じるようになってきました。受験生は残り5か月弱をどう過ごしていくか、改めて戦略を練らないといけない時期ですね。当研究所にも、夏の学習状況が芳しくなくて、面談・指導に訪れる生徒が増えています。その中の1人、Tくんがなかなか心配です。小1からとある大手有名塾に通っていたのですが、小6の夏を迎えても成績は上がらず、宿題もほとんどやらない状況をみかねて、お母さまが私に面談を申し込まれました。
力量をみるためにも、通っている塾の講習が25日間もある中、なんとか数回だけ算数の指導ができました。ただ予想通り、基本的な計算問題からできていないことが明らかになったので、「このままでは第1志望には受からないよ」と、親子面談ではっきりと伝えました。
ここで問題となるのが「今後この塾をどうするか」、です。単純に考えれば、小1から6年間通っているのに成績が上がらない塾に残り5か月通っても、成績が上がる可能性は低いです。また私の経験上、例えば一般的に算数の大問1や2で出るような、基本的な計算問題で得点できなければ、中学受験を突破することは難しいです。そうした力さえつけてくれない塾に、今後も時間とお金を使うのは得策ではありません。
現状では、Tくんもお母さまも「塾をやめる勇気がない」状態なので、「合格」という本来の目的に意識が向くよう、指導や面談を重ねています。

【プロフィール】
安浪京子先生
沖山賢吾(おきやま けんご)
1977年東京都八丈島生まれ。東大難関大受験専門永田塾で英語講師・校舎長、リソー教育グループで新規顧客営業を担当。「塾の先生」とは異なる経験から包み隠さず助言がもらえると「コア」なファンが多い。現在は沖山教育研究所を構え、先を見据えた研究・提案を重ねている。
沖山教育研究所FB https://www.facebook.com/okiyamakengo/

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