朝日小学生新聞
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■教育にかける時間とお金の有効活用術■

先日、中学受験を終えたばかりの小6生との面談で、「英語を習いたい」という相談を受けました。受験が終わって久々に問題をやらせてみたら思いのほかできていて、中学受験が本格化する前には英検3級レベルまで上達していたこともあり、入学する前にやらせてみよう!と思いました。
一般的にどこの塾でも、新中1年向けの講座が始まる時期、「スタートダッシュ!」といった言葉が躍る季節ですしね。ところが…。

私が最終的に出した結論は、「英語が先ではない」です。正確には「数学に時間とお金をかけるように!」です。拙著『できる子はどっち?』でも取りあげたように、日本の受験制度は算数・数学のできる子が得をするようになっているからです。
算数ができる子は、中学受験でも上位の学校を狙えるようになります。いろいろな学校を選ぶことができるようになるわけです。中学・高校に進学すると、数学のできる子が成績上位層になり、大学受験で国公立大学の受験ができます。

それがもし理系であれば、その学費の差たるや!それが医歯薬系の学部なら学費だけでも1000万以上の「差額」が出ます。
中学受験でもそうだったように、まずは算数・数学ができるように時間とお金を集中して投下することが、家庭にとって、親・子にとって、最も有効な時間とお金の使い方であることを再度話したうえで、英語はおまけで、数学の準備に勤しむよう伝えて面談を終えました。



【プロフィール】
安浪京子先生
沖山賢吾(おきやま けんご)
◎1977年東京都八丈島生まれ。都立戸山高校・早稲田大学社会科学部卒業後、東大難関大受験専門永田塾で英語講師として勤務。「御三家」を中心とした中高一貫校の生徒指導や、校舎長として営業・総務などの教室運営全般も経験。リソー教育グループに再就職後は、塾のシステムや利用法を説明する営業を担当。進路や勉強法など、保護者との面談も5000件を超える。
◎現在は、沖山教育研究所を構え、16年の教育業界における経験・体験・体感を基に、将来につながる「時間とお金」の使い方を指南する進学コンサルタントとして活動中。今期より、主に起業家やNPO代表が講師を務める大人向け社会塾『熱中小学校』講師も務める。「強烈な興味関心好奇心を持つ」「他人の人生を生きない」「好き嫌いと損得勘定で生きる」「超利己的に生きることが超利他的な存在になる」といったストレートな物言いとその先見性に注目が集まり、社会人向けセミナー、メディアへの出演・寄稿も多数。
◎著書には『できる子はどっち?』(KADOKAWA)がある。待望の新刊『志望校は校長で選びなさい』(かんき出版)が2月22日陳列予定。http://amzn.asia/6jReYZF

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