朝日小学生新聞
  • 毎日発行/8ページ
  • 月ぎめ2,100(税込み)

■安浪京子先生が、中学受験への親の関わり方をQ&A形式で答える連載です■

Q.中学受験にミラクル合格はあるのでしょうか?

A.ありません。

2016年度生の受験を終えて、毎年同様に痛感しているのが「収まる所に収まる」ということです。
夏前の偏差値が38でも武蔵中学に合格した子、秋の偏差値が34でカリタスに合格した子などの例もたくさん見ました(いずれも一時的に下がった偏差値ではなく、その時点での実力)。
彼、彼女は、何度も心が折れながらも、コツコツと、本当にコツコツと頑張り、入念な志望校対策を講じていたのです。隣で教えている私のほうが、頭が下がる思いでした。

一方、「どうしてもあの学校に行きたい!」という憧れや気負いは人一倍でも、そこに向けた正当な努力・学習法を講じなかった子は、やはり合格できませんでした。
現実を客観視せず、単なる根性論でがむしゃらに頑張っても、残念ながら結果は出ないのです。

世の中にはさまざまな「ミラクル本」が売られていますが、志望校に合格するのはミラクルのおかげではありません。きちんと何かしらの理由があります。
運がよくて合格、はありません。しかし、中学受験の神髄は合格ではなく、成長です。
これから一年後、二年後の入試に向けて、我が子の成長を感じられる受験勉強期間となることを心から応援しています。

【ご案内】
2月15日に『中学受験 6年生からの大逆転メソッド~最少のコストで合格をつかむ60の秘策~』(文藝春秋)が発売となりました! きょうこ先生の“算数大逆転トレーニング動画”付きです。
少しでも、皆様の中学受験のお役に立てればと思います。

【プロフィール】
安浪京子先生
安浪京子(やすなみ・きょうこ)
1976年、岐阜県生まれ。中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』(朝日学生新聞社)他、連載、講演、セミナーなど多数。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。
きょうこ先生のブログ http://ameblo.jp/prestige-partner/

<<他の記事へ>>
■編集部から■
自転車のデザインいろいろ

■教育にかける時間とお金の有効活用術■
教育アドバイザーの沖山賢吾さんが、塾講師などの経験をもとに教育の考え方を伝えます。今回は「入試あれこれ」

■親はどう頭を切り替えて子どもたちの教育に向き合えばよいか■
2020年度に変わる大学入試と、それに向けた親の心構えと対策を、神奈川県大和市の宮崎教室塾長、宮崎智樹さんが解説。今回は「朝小・朝中高新聞を使って合格!? 」

■朝小を授業でフル活用しています!■
生徒が「天声こども語」の書写を続けている東京都練馬区の「受験 松井塾」から。「『独習力』につながるものとは?」

トップへ戻る