朝日小学生新聞
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すべての教育の出発点は家庭であろう。それを第一の教育の場とすれば、第二は学校で、第三は社会となるが、今やそのすべてがあやしい。
核家族化が進むなかで少子化も重なり、日常の中で叱ってくれる祖父母や親類は少なくなった。けんかする兄弟もいなければ、我慢の必要もないかもしれない。親が共に忙しく働くなかでの家庭教育は、つい場当たり的になりがちだ。

公立の小中学校も難しい時代である。多様化した価値観を持つご父兄と、学力差の大きい生徒を前に、学校教育はその目的を果たしているのだろうか。
子どもたちが社会に出る前に、大きく立ちはだかるものに「受験」がある。ややもすれば、子どもたちの教育の最終目的が「受験突破」となりがちだが、実際にそう考えている人が多いのではないか。

受験勉強をサポートするのが民間の学習塾・予備校となるのだが、それもあやしい。目先の定期試験で良い得点を取ることと、受験の合格だけを目的として、手取り足取りの過剰なサービス競争になっていないか。
教育の目的は「自立」のはず。しかし、向かっている先は「反自立」のような気がしてならない。「教えてもらうことには限界がある」「いつまでも親は魚を与えてくれない」「楽な方法ばかりをさがしてないか?」…。
多くの貴重な時間と費用を使って、なんとももったいないし納得もいかない。

学習塾・予備校も教育の場であるならば、受験勉強の中でこそ「自己教育力」「独習力」を養う場でなければならないはずなのに、スッキリしないのである。責任転嫁をしていても変わらない。制度が変わることも待てない。
もはや教育は「自己責任の時代」と捉え、受験勉強で自分を客観的に見つめ、現実社会を知り、「自己教育力」と「独習力」で未来に向き合わなければいけないのではないか。
それこそが教育の目的であり、力をつけた人がいつでも“学び直し”ができることにもつながるはずだ。

東京都練馬区の塾『受験 松井塾』 松井光裕(まつい みつひろ)
松井塾 http://www.matuijuku.com

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