朝日小学生新聞 朝日中高生新聞 デジタル for School

活用事例

学校名 さいたま市立海老沼小学校(埼玉県さいたま市)
利用学年 小学5年生


 新学習指導要領では、情報活用能力を身につけるために新聞などの活用が明記されている。一方で、現場の先生からは「どのように活用していいのかわからない」と困惑の声が届くことも。さいたま市立海老沼小学校の菊池健一先生から届いたレポートは、今すぐ始められる実践のヒントが満載だ。

1 教師による朝の会の「新聞トーク」での活用
 年度当初より、毎日の朝の会で教師が児童に紹介した記事について短い時間で話す「新聞トーク」を取り入れている。記事は、授業に関するものや話題になっている時事問題のほか、教師がぜひ紹介したいと考えるものを取り上げた。例えば以下のものである。

【児童に紹介した記事の例】
〇新型コロナウイルス流行のため、企業の求人が減ってしまっているという記事
〇東京五輪に向けて、駅などのトイレが改修されているという記事
〇テレワークやオンライン授業について取り上げた記事
〇自民党の総裁選に関する記事
〇買い物袋の有料化に関する記事
〇プラスティックごみ削減に関する記事
〇国勢調査に関する記事

 この活動により、教科等の学習をより豊かにし、児童が学習内容に興味関心を持つ効果があった。
例えば、社会科で米作りに関する記事を紹介したところ、進んでスーパーなどで米の産地調べを行った児童がいた。また教師が紹介した記事に関するものを進んでスクラップする児童もいた。

 朝の短い時間を活用することで、教育課程を変更することもなく効果的に児童に学習内容と関連する事項を紹介することができるので、取り組みやすいと感じる活動であった。本校でも、若い教員に紹介して取り組んでもらっている。若い教員は新聞を読む習慣がないことが多いので、児童に記事の紹介をすることで、自分も新聞に関心を持つことができるようであった。今後、授業においても関連記事を紹介するなどの工夫をしたい。

2 児童のスピーチ活動での活用
 朝の会や帰りの会に、日直の児童がスピーチを行っている。年度当初は自分の自己紹介や今年度の目標などを話していた。そのスピーチの題材として、朝日小学生新聞の記事を取り上げ、記事の紹介をし、自分の考えを述べる活動を行った。

 登校をすると、日直の児童が教室のタブレットを立ち上げて、その日の朝日小学生新聞の記事を読む。そして、友達に紹介したい記事を選んで、発表の内容を考える。

 発表の内容は①記事についての説明(どんなことを取り上げた記事か・記者は何を伝えたいと思うかなど)②自分の考え(記事の内容について考えたこと・感想など)とした。短い時間での実施なので、児童は発表する内容をコンパクトにまとめて発表していた。

 また、この取組によって「読んだ記事をその場で自分の言葉でまとめて、内容について考え、発表を構成する」という一連の活動をその場で行う力を付けることができていると考える。児童が取り上げた朝日小学生新聞の記事の例は以下の通りである。

【児童がスピーチで取り上げた朝小の記事の例(見出し)】
〇「国政調査しめきりのばす」(2020年10月9日)
〇「みずほFG週休3日OK」(2020年10月8日)
〇「今年はちがうマスクでハロウィーン」(2020年10月6日)
〇「五輪会場一時利用はじまる」(2020年10月7日)
〇「失われる砂浜 アカウミガメを守れ」(2020年10月16日)

 今後、児童同士のペアでの記事に関する意見交流やグループでの記事の内容についての話し合い活動も実践してみたい。

タブレットを用いて、スピーチする児童=菊池先生提供

タブレットを用いて、スピーチする児童=菊池先生提供

3 児童の国語科における活用
 教科の学習においても朝日小学生新聞 デジタル版の活用を始めた。朝日小学生新聞には定期的にコラム「天声こども語」が掲載される。社会で話題になっている事柄についての筆者の考えが明解に述べられており、また、児童へ様々な問題提起も行っているので児童が関心をもちやすいコーナーである。

 この「天声こども語」は文字数や取り上げられている内容の面で児童が読んだり書き写したりするのに最適な教材であると言える。本学級の児童には「文章を書くこと」に関して苦手意識をもつ児童が多い。そこで、定期的に「天声こども語」の書き写しを行うこととした。

 児童は「天声こども語」の書き写しの時間が来ると、タブレットパソコンを立ち上げ、朝小のデジタル版を開く。まずは「天声こども語」を読み、書かれた内容を大まかにつかむ。その後、時間を測りながら書き写しを行う。

 この活動により、活字を読むことになれ、文章を書く練習を行うことができる。「天声こども語」は字数が比較的少ないために、どの児童も進んで活動することができた。時間も計測しているので、前回の記録よりたくさん文字を書き写せるようにと、はりきって活動に取り組んでいた。

 書き写しを行った後には、分からなかった言葉やキーワードになると思った言葉を国語辞典で調べ、さらに「天声こども語」に書かれた内容が理解できるようにした。そして、読んだ感想もまとめた。今後は、友達同士で「天声こども語」を読んだ感想を話し合ったり、書いた感想について意見を交換したりする活動も取り入れてみたいと考える。(2020年10月)

書き写しのワークシート=菊池先生提供

書き写しのワークシート=菊池先生提供

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