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2017年6月4日付
バスケットボール男子プロリーグ「Bリーグ」の初代王者が、栃木ブレックスに決まりました。東京・国立代々木競技場で5月27日にあったチャンピオンシップ決勝を、バスケットボール部に所属する朝中高特派員の篠原花綸さん(東京・筑波大学附属中学1年)が取材。白熱する試合を見守りました。(前田奈津子)
篠原さんは、新聞や雑誌の記者のために用意された「記者席」で観戦。トップレベルの選手のプレーが見られることを楽しみにしていました。特に米国のプロバスケットボールリーグ(NBA)でのプレー経験がある栃木のキャプテン、田臥勇太選手(36)に注目していたといいます。
決勝は、守りが堅い栃木と攻撃力が自慢の川崎ブレイブサンダースの戦い。会場には1万144人の観客が集まり、試合前から熱気に包まれていました。
試合は序盤から点を取り合う展開に。シュートが入ると、得点が入ったチームのファンは立ち上がるなどして喜びを表していました。逆転に次ぐ逆転。「目が離せない」という篠原さんは、メモを取りながら試合に見入っていました。
篠原さんが驚いたのはシュートが決まった時などに流れる音楽や、コートを照らす光線でした。Bリーグでは、試合中もBGMが流れます。
「シューズの『キュッ』という音やドリブル、選手の声だけが響く学校のバスケとは違う『新しいバスケ』。ファンとコートの選手が一体となり、人気グループのコンサートみたい」
試合の最終盤は、栃木が川崎をリード。川崎はシュートが決まらず、追いつくことができませんでした。栃木の選手は優勝が決まると、抱き合って喜んでいました。
篠原さんは試合が終わった後の記者会見にも参加しました。最優秀選手に選ばれたのは栃木の古川孝敏選手(29)。「僕だけのものではない。チーム全員で戦っていただいたものだと思う」
ベテラン田臥選手はバスケットボール界を引っ張ってきた1人です。Bリーグの初めてのシーズンが終わって感じていることを語りました。
「たくさんの人が応援してくれるなかでバスケットができる。プレーヤーにとってこんなに幸せなことはない。自分たちも、成長していかなければならないと思います」
●取材を終えて
試合後のインタビューで、栃木の古川選手が「ファンはチームの一員」と答えていたのが印象的でした。Bリーグはファンと選手の新しい絆を作っているのだと感じました。(篠原花綸さん)
【Bリーグ】ナショナル・バスケットボール・リーグとbjリーグが統合し、昨年9月に開幕した。リーグはB1(1部)とB2(2部)があり、各18チームが所属している。
相手ゴール前でシュートをはばむ栃木の田臥選手(右)
(C)朝日新聞社
決勝戦が行われた国立代々木競技場第一体育館
記事の一部は朝日新聞社の提供です。