朝日中高生新聞
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10月1日 消費税が変わる

2019年9月29日付

 来月1日から消費税の税率がこれまでの8%から10%になります。今回の引き上げでは、飲食料品は8%のままとする「軽減税率」や、電子マネーなどを使ったキャッシュレス決済へのポイント還元の制度が同時に始まるなど、仕組みが複雑です。どんなところが変わるのか、解説します。(編集委員・根本理香、松村大行、寺村貴彰)

基本は10% 食品など一部は8%

 今回の増税で、政府は年間で約5兆7千億円の増収を見込みます。増収分は、幼児教育を10月から無償にして社会保障制度をよりよくしたり、国の借金を減らしたりすることに使うとしています。
 消費税率引き上げにあわせて始まるのが、軽減税率の制度です。飲食料品(外食と酒類を除く)と新聞は、税率を8%にすえ置きます。「どちらも生活必需品で、収入が低い人の負担を減らすため」と政府は説明しています。
 ただ、軽減税率が適用される場合とされない場合の線引きは複雑です。
 例えば、おにぎりとお茶を買って持ち帰る場合は8%ですが、店内のイートインコーナーで食べる場合は「外食」とみなされて10%になります。マクドナルドやサイゼリヤなど大手の飲食チェーン店の中には、店内で食べても持ち帰っても、税込み価格をわかりやすく同じに設定するところもあります。
 見た目が似たような商品でも、税率が異なるものもあります。アルコール度数の高い本みりんや料理酒は酒類に分類されるので10%ですが、同じ調味料でも度数の低いみりん風調味料は8%。部活帰りなどで疲れていると飲みたくなる栄養ドリンクも、容器に「炭酸飲料」や「清涼飲料水」と書かれていれば8%ですが、「医薬品」や「医薬部外品」と書かれているものは10%なので注意が必要です。
 新聞については、週2回以上発行されているものを定期購読する場合は8%。日刊の姉妹紙・朝日小学生新聞は8%で、週1回の朝日中高生新聞は10%となります。コンビニや駅の売店で買う場合は定期購読ではないので10%。インターネットなどで配信する電子版も10%です。

軽減税率実施後のイメージのイラスト
イラスト・ふじわらのりこ

クイズ

以下の①~⑤の税率は10%? 軽減税率が適用されて8%?

①ピザの宅配
②おもちゃ付きお菓子
③学食で食べる定食
④イチゴ狩りの入園料
⑤映画館の売店で買って、座席で食べるポップコーン

イラスト

クイズの答え

①ピザの宅配…8%
 出前やテイクアウトは軽減税率が適用されます。

②おもちゃ付きお菓子…8%も10%も
 食べ物と食べ物以外を組み合わせた商品(1万円以下)は、食べ物の価値が3分の2以上を占めれば8%です。「プロ野球チップス」(カルビー)は野球選手カードの価値が高いので10%になります。

③学食で食べる定食…10%
 児童や生徒のすべてに対して提供される学校給食は軽減税率の対象ですが、利用するかしないかを選べる学食は対象外に。

④イチゴ狩りの入園料…10%
 イチゴ狩りなどの果物狩りは、軽減税率が適用される「飲食料品のじょう」ではなく、「サービスの提供」。

⑤映画館の売店で買って、座席で食べるポップコーン…8%
 座席で食べる場合は、持ち帰りと同じで8%ですが、店が管理するテーブルなどで食べると10%。

商品の特徴や飲食する場所で税率が違うぞ

イラスト

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