朝日中高生新聞
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サッカーW杯

2018年7月1日付

西野ジャパン 決勝トーナメント進出

 サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で6月28日、1次リーグH組の日本はポーランドに0―1で敗れましたが、1勝1敗1分けで2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めました。次は強豪ベルギーと日本時間3日午前3時に対戦。勝てば初めてベスト8に入ります。ベルギーの特徴や注目選手について、海外のサッカーに詳しいライターに聞きました。(松村大行、小貫友里、寺村貴彰)

初の8強へ、ベルギー戦

日本時間7月3日

 日本は1次リーグ最終戦を終えて勝ち点4。得失点差などでもセネガルと並びました。もらったイエローカード(警告)やレッドカード(退場)の数で決まる「フェアプレーポイント」で、イエローカード2枚の差でセネガルを上回り、同組2位に入りました。
 キャプテンのMFまこと選手(34)は「見てくださった方にはもどかしいサッカーになったけど、これが勝負の世界」。次の試合に向けて、西にしあきら監督(63)は「今日の分まで強気でゲームを迎えたい」と意気込みを話しました。
 日本は初戦でコロンビアに2―1で勝利。続くセネガル戦では先制されるも2度追いつき2―2で引き分け、前評判をくつがえしました。

ベルギー

創造性の高い選手が多数 得点源はFWルカク選手

 ベルギー代表は1次リーグG組を3戦全勝の1位で勝ち抜きました。代表メンバー23人のうち22人がドイツやイングランドなど海外のリーグでプレーしています。W杯優勝経験はないものの近年急速に力をつけ、前回のブラジル大会から「陰の優勝候補」に挙がる存在になりました。
 スルーパスが得意なケビン・デブルイネ選手(27)、高速ドリブルで敵陣を切り裂くエデン・アザール選手(27)ら、創造性の高い選手を抱えるのが強みです。得点源はFWロメル・ルカク選手(25)。強烈なスピードとパワーを併せ持ち、1次リーグで4点を決めて得点王を狙える位置にいます。
 海外サッカー中継で解説を務めるサッカーライター・翻訳家のベン・メイブリーさん(35)は「ベルギーがかなりボールを支配する展開になりそう。ルカク選手に渡る前にビルドアップ(攻撃の組み立て)を止めることが重要」と話します。
 いま一つチームとしてのまとまりに欠け、攻守のバランスがとれていない弱点があります。特にメイブリーさんが注目するのは、ヤニック・カラスコ選手(24)が務める左サイドの対応です。攻撃では要注意なものの守備の意識が低いため、「はらぐちげん選手(27)やさかひろ選手(28)が右サイドから速攻を決められれば、チャンスを作れるのでは」と予想します。

日本側の「山」に強豪国集まる
【決勝Tの見どころ】

 各組上位2チームが進出する決勝トーナメントは、前後半90分で決着しなければ15分ハーフの延長戦、それでも決まらなければPK戦を行います。進出したのは欧州10、南米4、北中米カリブ海1、アジア1で、日本以外はベスト8以上に勝ち進んだ実績があります。
 ウルグアイ、フランス、ブラジルなど強豪国が、日本が入ったトーナメントの左の山に集中し、好勝負が期待できます。右の山は古豪や新興国で占められ、大会史に残る大躍進が見られそうです。

ベスト8から先を
朝中高特派員も声援

 全員が目標を見失わずチームのためにできることをやれば大逆転もある、ということを教えてくれた(東京・高1・ながやましょうさん)▶日本が見たことも行ったこともないベスト8から先を見たい(神奈川・高2・なかゆうさん)▶フェアプレーで戦ったからこそのベスト16(京都・高3・かねさきあいさん)▶感謝の気持ちを忘れずに頑張って(千葉・中1・なりつかゆいさん)

試合後、握手をかわす岡崎慎司選手と西野朗監督の写真
決勝トーナメント進出が決まり、握手をかわす岡崎慎司選手(中央右)と西野朗監督=6月28日、ロシア・ボルゴグラード
どちらも(C)朝日新聞社

1次リーグのチュニジア戦でゴールを決めるベルギーのルカク選手の写真
1次リーグのチュニジア戦でゴールを決めるベルギーのルカク選手(左)。チームの得点源です=6月23日、ロシア・モスクワ

決勝トーナメントの図

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