朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

6月21日ー6月28日

2017年7月2日付

21日 西之島の海図完成

拡大中、さらに作り直しへ

 海上保安庁は、噴火で大きくなったがさわら諸島・西にししまの新しい海図が完成したと発表した。6月30日発行だが、島は拡大し続けており、さらに作り直す。
 西之島は2013年11月に噴火。海上保安庁は昨年10月に調査したが、今年4月の再噴火で、海岸線が変わった。船の安全に生かしてもらう役割を十分に果たせなくなっている。

22日 野党4党、臨時国会要求

「秋まで開かず」の回答

 学校法人「学園」の獣医学部新設問題などをめぐり、野党4党などは、憲法53条に基づく臨時国会の召集を求める要求書を衆参両議院に提出した。
 民進党のやまのいかずのり国会対策委員長は27日、自民のたけしたわたる国対委員長と会談し、臨時国会の早期召集などを求めた。しかし山井氏は会談後、記者団に「『臨時国会は秋まで開かない』というゼロ回答だった」と述べた。

臨時国会
 毎年1月から始まる「通常国会」で決まらなかった法案や予算案などを話し合うため、臨時に開く国会。内閣または衆議院・参議院どちらかの総議員の4分の1以上の要求があったときに開くと憲法53条で定めている。

22日 小林麻央さん、乳がんで死去

34歳、フリーアナウンサー

 乳がんを患い、闘病していたフリーアナウンサーのばやしさん=写真=が亡くなった。34歳だった。小林さんの夫で、歌舞伎役者のいちかわぞうさんは23日、自身のブログに「人生で一番泣いた日です」などと書いた。
 小林さんは2014年から乳がんの治療を続けていた。闘病中のブログは多くの人を元気づけ、昨年英国のBBC放送が発表した「100人の女性」にも選ばれた。

小林麻央さんの写真
(C)朝日新聞社

23日 東京都議選、7/2投開票

自民と都民ファースト全面対決

 東京都議会議員選挙(定数127)がこくされた=写真は演説を聞く有権者。42選挙区に計約260人が立候補する予定で、投開票は7月2日。各党は国政選挙並みに力を入れている。
 昨年8月に就任したいけ知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」は、小池知事と対立する自民党と全面的に対決する構え。公明党などを合わせた知事を支持する勢力で、過半数の議席を確保できるかが注目される。
 自民党は学校法人「加計学園」をめぐるしんぞう政権への批判が続くなか、結果次第では政権運営にも影響が出かねないとみられる。

告示
 衆議院・参議院の補欠選挙や再選挙、都道府県の知事や市町村長、議会議員の選挙を行うことと投票日を公式に知らせて、立候補を受け付けること。
 衆議院・参議院の議員選挙の場合は「公示」という。

東京都議会選挙候補者の演説を聞く有権者の写真
(C)朝日新聞社

23日 沖縄「慰霊の日」 平和祈念公園

20万人以上の魂いたむ

 沖縄は、太平洋戦争末期の沖縄戦の戦没者らに祈りをささげる「れいの日」を迎えた。最後の激戦地、沖縄県南部のいとまんにある平和ねん公園でついとう式があり、多くの人が犠牲者をいたんだ。
 追悼式には、ながたけ県知事や安倍晋三首相らが参列。翁長知事は平和宣言で、米軍てん飛行場(わん市)のへの移設工事を進める政府を「民意をかえりみず工事を強行している」と強く批判した。
 平和祈念公園にある沖縄戦の戦没者らの名前を刻んだ「平和のいしじ」=写真=には、今年新たに54人が追加され、名前の数は24万1468人になった。

沖縄戦
 1945年3月末に始まり、6月23日に米軍に対する日本軍の組織的戦闘が終わったとされる。双方の計20万人以上が亡くなったといわれ、県民の4人に1人が犠牲になった。

沖縄平和祈念公園にある戦没者の名前を刻んだ平和の礎に手を合わせる人の写真
(C)朝日新聞社

23日 速度抑えた「再突入」に成功

超小型衛星を大気圏へ

 熱に強い膜を広げて、超小型衛星をゆっくりと宇宙から大気圏に再突入させる実験に成功したと、東京大学などが発表した。
 宇宙船などが高速で大気圏に再突入すると、高温になる。実験のように、ゆっくりと再突入できれば加熱がおさえられ、安全な着陸などにつながるという。

超小型衛星をゆっくり再突入させる実験のイメージ
(C)朝日新聞社

23日 東芝、東証2部に降格

3月末で「債務超過」に

 東京証券取引所は、東証1部で売買されている東芝の株を8月1日付で2部に降格すると発表した。3月末時点で、借金など負債の額が保有する資産の額を上回る「さい超過」になると確認したためだという。
 東証1部には、株主数や流通している株式数、時価総額などについて一定の厳しい基準があり、これを満たした2024社がじょうじょう(株を売買すること)している。
 2部に降格すると、日経平均株価などの主要指数から外れる。経営再建中の東芝は、低迷する株価がさらに下がる恐れがある。

24日 サニブラウン選手が100メートルV 

200メートルも 陸上日本選手権

 陸上の日本選手権が大阪・ヤンマースタジアムながで行われ、男子100メートル決勝で、18歳のサニブラウン・ハキーム選手が10秒05の大会タイ記録で初優勝した。
 25日の最終日も、男子200メートルでサニブラウン選手が自己ベストの20秒32で初優勝し、2冠を達成。8月のロンドン世界選手権(英国)の代表にも内定した。

男子200メートル決勝で優勝したサニブラウン選手(右)
男子200メートル決勝で優勝したサニブラウン選手(右)=25日、大阪市
(C)朝日新聞社

26日 タカタ、民事再生法を申請

製造業では戦後最大の倒産

 エアバッグの欠陥で史上最大規模のリコール(回収・無償修理)をした自動車部品大手のタカタが、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理された。実質的な負債総額は1兆円超で、製造業では戦後最大の大型倒産。中国企業のさんにある米国の会社が支援し、新しい会社のもとで事業を続ける。
 タカタ製エアバッグの異常破裂では、原因が特定できないものも含め、世界で17人が死亡している。

エアバッグの作動と破裂のイメージ
(C)朝日新聞社

26日 将棋・藤井四段が29連勝

30年ぶり新記録

 将棋の最年少棋士、ふじそう四段(名古屋大学教育学部附属中3年)=写真=が、東京都渋谷区の将棋会館でますやすひろ四段(19)に勝ち、歴代1位となる公式戦29連勝を達成した。プロになって公式戦無敗のまま、かみひろ八段(56)が1987年に作った記録を30年ぶりに塗り替えた。藤井四段は「単独1位になれたのは、自分でも特別な感慨、今までと違った喜びがある」と話した。
 今回勝った対局は、りゅうおう戦の決勝トーナメント。タイトル挑戦者を決める決定三番勝負進出まであと4勝に迫った。次の対局は7月2日、同トーナメントに30連勝がかかる。

将棋のタイトル
 現在は「竜王」「名人」「王位」「王座」「おう」「王将」「せい」の七つ。5月に「えいおう」がタイトルに昇格し、八大タイトル戦となった。最も歴史の古いのが「名人」。おもに新聞社が主催している。

藤井聡太四段の写真
寺村貴彰撮影

26日 ハリポタ20周年「ありがとう」

世界で4億5千万冊

 児童文学「ハリー・ポッター」シリーズの第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』が出版されて20周年を迎えた。著者の英国人J・K・ローリングさん(51)は「20年前の今日、それまで私ひとりだけだった世界が突然、ほかの人々に開かれた。すばらしい出来事だった。ありがとう」とツイッターで読者に感謝をつづった。
 全7巻の出版を手がけた英国のブルームズベリー出版社によると、シリーズは約80言語に翻訳され、世界で4億5千万冊以上を売り上げた。

26日 米入国禁止令、条件付きで執行

連邦最高裁 今年秋まで

 米連邦最高裁判所は、トランプ政権による中東・アフリカのイスラム圏6カ国の国民の入国を禁じる大統領令について、今年秋に最終判断するまで条件付きでしっこうを認めた。トランプ大統領はテロ対策として1月、イスラム圏7カ国からの入国を禁じたが、一部の州が「人種差別」などとして提訴。連邦地方裁判所の決定で執行停止となった。3月には対象国を6カ国に減らすなどしたが、ハワイ州などの地裁で執行停止を受けていた。

27日 子の貧困率、12年ぶり改善

日本、主要36カ国で24位

 2016年の国民生活基礎調査を厚生労働省が発表し、18歳未満の子どもの貧困率(15年)は12年ぶりに改善して13.9%だった。先進国でつくる経済協力開発機構(OECD)が13年にまとめた平均13.2%より悪く、主要36カ国で24位。貧困率は、世帯収入から国民一人ひとりの所得を仮に計算して順番に並べ、真ん中の人の額の半分に満たない人の割合。父親または母親どちらかと子どもの「ひとり親世帯」の貧困率は50.8%に上った。

28日 90歳の元受刑者 再審決定

大崎事件 鹿児島地裁

 鹿児島県おおさき町で1979年に男性(当時42)の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人と死体遺棄の罪で服役したはらぐちアヤさん(90)が裁判のやり直しを求めた3度目の再審請求について、鹿児島地方裁判所は再審開始を認める決定を出した。「客観的証拠がなく、共犯とされた親族の自白の信用性も高くない。共謀も、殺害行為も死体遺棄もなかった疑いを否定できない」と判断した。
 原口さんは一貫して無実を主張していたが、81年にちょうえき10年の判決が確定。服役し、90年に出所した。95年、2013年に再審請求したが、認められなかった。

28日 日本人の月面探査「2030年頃」

JAXA 米国と協力

 宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は2030年ごろに日本人宇宙飛行士による月面探査を目指す計画を明らかにした。文部科学省の委員会で提案した。
 計画によると、国際協力で22年から、月の南極付近で水や氷を調査して宇宙船の燃料に使えるか判断。水を燃料に活用する技術などにつなげて、貢献したい考え。一方、独自の有人ロケットなどは開発せず、米国が計画する月軌道の宇宙ステーションなどを活用して、日本人宇宙飛行士が30年ごろに月面に到達する権利を得られるようにするという。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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