朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

5月18日―5月25日

2017年5月28日付

18日 万景峰号、ロシアに到着

日本への入港は禁止

 北朝鮮とロシアの東端を結ぶ定期航路が開かれ、貨客船「マンギョンボン号」が就航した。この日、ロシアのウラジオストク港に到着した=写真。月4回、ロシアから食料品、北朝鮮から衣料品などを運ぶ計画。
 北朝鮮の核・ミサイル問題について、ロシアは「平和的解決」を訴えており、国連の制裁に反しない範囲で経済支援を続ける考えとみられる。万景峰号は北朝鮮のミサイル発射を受け、2006年に日本への入港が禁止された。

万景峰号の写真
(C)朝日新聞社

19日 石垣島で国内最古の全身骨格

約2万7千年前の人骨

 沖縄県いしがき市の新石垣空港の敷地内にある「しら竿さおばるどうけつ遺跡」では、これまでに旧石器時代の人骨が複数、見つかっている。そのうちの1体が国内で最も古い約2万7千年前のもので、全身の骨がそろい体つきまでわかる「全身骨格」であることがわかった。沖縄県立埋蔵文化財センターが発表した。
 この遺跡で出土した人骨は少なくとも19体にのぼり、世界でも指折りの規模。4体は頭骨が残り、日本人の起源や旧石器時代の死者への考え方を解き明かす画期的な成果だという。

沖縄県石垣市の白保竿根田原洞穴遺跡を指した地図
(C)朝日新聞社

19日 学校史の切り取り被害

27都道府県65図書館で

 日本図書館協会(東京都)は、図書館が所蔵する小中学校などの学校史が切り取られたり破られたりする被害が、少なくとも27都道府県の65図書館で確認されたと発表した=写真は岩手県盛岡市立図書館で確認された例。
 全国約3300の図書館を調べたところ、被害にあったのは356冊、計2484ページで、被害は増える可能性がある。東海や北陸地方での被害が目立つ。

破られた学校史の写真
(C)朝日新聞社

19日 大型連休「キッズウィーク」 

政府が検討

 政府が子どもたちのための大型連休「キッズウィーク」を新しくつくることを検討していることがわかった。学校の夏休みなど長期の休みの一部を地域ごとに別の時期にまとめて移す。
 全国の小中高校を対象に、主に夏休みの開始を遅らせたり、終了を早めたりして、別の時期にまとめて休むことを想定している。例えば、夏休み中の平日5日間を移すと、前後の土日と合わせて9連休が可能となる。
 大人に有給休暇(出勤しなくても賃金が支払われる休暇)の取得を促すねらいで、政府は企業にも協力を求める。来年4月からの実施をめざしている。

19日 天皇退位特例法案 国会に提出

「女性宮家」の新設など

 政府は、天皇陛下が退位できるようにする「天皇の退位等に関する皇室てんぱん特例法案」を閣議決定し、国会に提出した。特例法案は今の国会中に成立する。国会での審議では、退位が将来の先例になるかや、皇族の女性が皇族以外の人と結婚しても皇室に残れるようにする「女性宮家」を新たにつくることなど、皇族が減っている問題への対策が大きなポイントになる。
 政府は天皇陛下が2018年12月中に退位し、19年元日に現在の「平成」から新しい元号にする日程を見込んでいる。

閣議決定
 閣議は内閣が法案、政令、人事のほか、国の政治で重要な事柄を決めるために開く会議。定例閣議や臨時閣議などがある。内閣全体の意思として決める手続きを閣議決定という。

20日 名人がAIに連敗

将棋・電王戦二番勝負

 将棋の棋士と人工知能(AI)が戦う第2期電王戦二番勝負の第2局が、兵庫県ひめ市の姫路城で行われた。とうあまひこ名人(29)がPONAZAに敗れた=写真。
 ポナンザの2連勝となり、現役のタイトル保持者が公の場で初めてソフトに敗れる結果となった。
 ソフトはここ10年ほどで急激に強くなった。2012年に始まった電王戦で、ソフトは大幅に勝ち越しており、二番勝負になった昨年も2連勝だった。電王戦は今期で終了することが決まっている。

将棋の佐藤天彦名人と人工知能(AI)が戦う第2期電王戦の写真
(C)朝日新聞社

21日 北朝鮮がミサイル、日本海に落下

14日に続き2週連続

 北朝鮮は、西部のピョンアンナムプクチャン近くから東方向に向けて弾道ミサイル1発を発射した。高度約560キロまで上がって約500キロ飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)の外の日本海に落ちた。
 北朝鮮のミサイル発射は14日に続き2週連続。国連安全保障理事会(安保理)が北朝鮮への圧力強化を検討するなか、核・ミサイル開発を続ける意思を示した。
 安保理は22日、北朝鮮のミサイル発射を「強く非難」する報道声明を発表。23日、米ニューヨークの国連本部で緊急会合を開いた。日米などが制裁強化を模索する一方、北朝鮮の友好国・中国は対話重視の姿勢を鮮明にした。新たな圧力強化策では一致しなかった。

北朝鮮の北倉を指した地図

21日 内村選手、個人総合40連勝

体操男子NHK杯

 体操のNHK杯最終日、この秋の世界選手権代表選考会を兼ねて東京体育館で男子個人総合があった。4月にあった全日本個人総合選手権決勝の得点を持ち点に争われ、うちむらこうへい選手=写真=が計172.900点で、自らの連続優勝記録を伸ばす9連覇をとげた。2008年11月の全日本選手権から続く個人総合の連勝は40になった。2位にはしらけんぞう選手が入った。

内村航平選手の写真
(C)朝日新聞社

21日 TPP参加11カ国の閣僚会合

早期発効に向け共同声明

 米国が離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐり、米国以外の11カ国は、閣僚会合をベトナム・ハノイで開いた。TPPの早期発効に向けた検討を始めることを盛り込んだ共同声明を採択した。日本は11カ国による協定の発効に向け、11月までの大筋合意を明記することをめざしていたが、各国の主張の隔たりは大きく、当初の思惑通りには進まなかった。
 声明では、米国が復帰しやすい仕組みづくりも考慮に入れ、発効に向けた具体的な検討を11月に終えることを確認した。

環太平洋経済連携協定(TPP)
 日本やマレーシアなど太平洋を囲む国々が貿易の関税(税金)をなくすなどして経済を活発にするのが目的。11カ国が交渉に参加している。
 もともと米国も参加していたが、保護主義を訴えるトランプ大統領の就任後に離脱。発効には、域内の国内総生産(GDP)の「85%以上を占める6カ国以上」のじゅんが必要だが、約60%を占める米国が離脱したため、今のTPPは発効できない。

22日 英イベント会場でテロ

死者22人 ISが犯行声明

 英国の中部マンチェスターのイベント会場「マンチェスター・アリーナ」で夜、大きな爆発があった。警察によると、22人の死亡が確認され、59人がけがをした。メイ首相は23日、テロ事件と断定。過激派組織「イスラム国」(IS)は犯行を認める声明文をインターネット上に公開した。
 会場は米国の人気歌手アリアナ・グランデさんのコンサートが終わった直後だったとみられる。多くの若者やその保護者らが参加していたという。
 警察は、自爆テロ事件の実行犯として、リビア系英国人の男(22)を特定。24日、死亡した同容疑者の単独犯行ではなく、組織的との見方を示した。

英国のマンチェスターを指した地図

22日 25年万博、4カ国の争いに

日・仏・ロ・アゼルバイジャン

 日本(大阪)が立候補している2025年の国際博覧会(万博)について、博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)は、ロシアとアゼルバイジャンが立候補したと発表した。ほかにフランス(パリ郊外)がすでに立候補している。届け出はこの日に締め切られ、4カ国の争いになった。開催地は18年11月のBIE総会で、加盟国による1国1票の投票で決まる。
 ロシアはウラル山脈東部の都市エカテリンブルクでの開催を計画。ロシアで開催されれば、国際博覧会条約が結ばれた1928年以降で初めて。アゼルバイジャンは、首都バクーで開く計画。
 日本は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪市湾岸部の人工島「ゆめしま」での開催をめざしている。

2025年の万博に立候補した仏・ロ・アゼルバイジャンの各候補地を指した地図
(C)朝日新聞社

23日 「共謀罪」衆院通過

自公維が賛成

 「きょうぼうざい」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案が、衆議院本会議で自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。民進、共産両党が反対し、自由、社民両党は本会議を欠席した。野党の大半が審議の継続を訴え、採決そのものに反対したが、与党が押し切った。

24日 「専門職大学」開設可能に

2019年4月から

 さまざまな仕事の現場でリーダーになれる人材を育てる4年制の「専門職大学」が、2019年4月から新たに開設される見通しになった。改正学校教育法が参議院本会議で可決され、成立した。
 観光業の旅行の計画を立てたり、農産物の加工品の価値を高める研究をしたりするなど、特定の職業に重点を置いた教育をする。卒業に必要な単位の3~4割以上は現場での実習で取得。修了した人には「学士(専門職)」が与えられる。大学制度に新たな教育機関が加わるのは、1964年に短期大学がつくられて以来55年ぶり。

24日 トランプ氏とローマ法王、初会談

法王、世界平和の実現願う

 中東歴訪を終えてイタリアに入った米国のトランプ大統領は、バチカンでローマ・カトリック教会のフランシスコ法王と初会談した。2人は昨年の米大統領選期間中、移民問題などをめぐり、批判し合っていた。
 ローマ法王庁の発表によると、会談では中東を含む世界情勢などについて意見交換。法王はトランプ氏に世界平和の実現を願うメッセージを託した。

25日 藤井四段が竜王戦の本戦へ

中学生棋士 連勝記録も19に

 将棋の中学生棋士、ふじそう四段(14)が、東京都渋谷区の将棋会館であった対局に勝ち、タイトル戦の挑戦権を争う決勝トーナメント(本戦)進出を決めた=写真、左が藤井四段。デビューからの連勝記録も「19」に伸ばした。全体の連勝記録でも、歴代7位タイから単独7位になった。
 竜王戦の予選6組ランキング戦決勝で、通算勝率が7割を超すこんどうせい五段(20)に快勝した。11人しか枠のない本戦進出を中学生初、史上最年少で果たした。
 決勝トーナメントで5勝、三番勝負で2勝を挙げれば、デビュー1年以内でのタイトル挑戦権獲得で史上初となる。

近藤誠也五段と対局する藤井聡太四段の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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