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2017年5月21日付
東日本大震災で津波に襲われ、火災も起きた宮城県石巻市の旧門脇小学校が、震災の記憶を未来へ伝える「震災遺構」として保存されることになった。「見るのがつらい」と解体を望む地元住民もいたが、市が説明会を開き、半分ほどを解体、残りを保存する計画=写真=を住民側が受け入れた。2019年度末までの整備を目指す。
旧門脇小は海から約1キロにある。学校にいた224人の児童は裏山に逃げて助かったが、周辺では400人を超す住民が犠牲になった。
震災遺構
地震に関連して被害を受けた建物などを、地震の記憶を将来に伝えるために保存するもの。噴火や台風によるものなどを含めて「災害遺構」とも呼ばれる。保存にはお金がかかるほか、つらい記憶を思い出すという人もいるため、残すべきか意見が分かれることもある。
(C)朝日新聞社
奈良県明日香村の高松塚古墳の壁に描かれた国宝の「極彩色壁画」の女子群像は「飛鳥美人」として知られる。約10年の修理を経て、鮮やかな色がよみがえりつつあり、村内の修理施設で19日まで一般公開された。
カビなどで黒ずんでいた部分が取り除かれ、体の線がはっきり見えるようになった。
高松塚古墳
7世紀末~8世紀初めに奈良県明日香村につくられた、直径23メートルの円墳。切り石を箱状に組み合わせた全長約2.7メートルの石室がある。四方の壁に朱雀以外の四神(青竜・白虎・玄武)がみられ、人物像や星座なども描かれている。壁画は1972年に発見された。カビが発生したため、2007年に石室を解体し、修理が続けられている。
絶滅危惧種のアマミトゲネズミの細胞で作ったiPS細胞から、卵子と精子を作ることに宮崎大学などが成功した。この日、米科学誌に発表した。絶滅後に復活させる技術につながる可能性があるという。
アマミトゲネズミのめすのしっぽの細胞からiPS細胞を作成し、マウスの胚(成長した受精卵)に注入。マウスの子宮に移植すると、アマミトゲネズミとマウスの細胞が混在するキメラマウスが複数生まれた。キメラマウスのめすとおすから、アマミトゲネズミの卵子と精子を作り出した。
世界各地でマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」をねらった大規模なサイバー攻撃があり、被害は日本をふくめて少なくとも150カ国で計20万件に広がっていることが明らかになった。欧州で病院の診療や工場が止まるなど、影響が出ている。
「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるウイルスが使われている。感染するとパソコンのデータを暗号化し、元に戻す代金として300ドル(約3万4千円)相当の仮想通貨ビットコインの支払いを要求する。
国内でも被害が確認され、警察庁はOSを最新版に更新することや、重要なデータはバックアップを取るといった対策を呼びかけている。
米国とロシアの情報セキュリティー会社は、過去に米国政府が北朝鮮との関与を断定したサイバー攻撃との類似性を指摘している。
ランサムウェアに感染し「身代金」を要求されたパソコン画面(一部を加工)
(C)朝日新聞社
中国主導でアジア、中東、欧州に及ぶ大経済圏の構築を目指す「シルクロード経済圏構想」(一帯一路)の国際会議が、中国・北京で開かれた。世界130カ国以上が参加し、うち29カ国は首脳が出席。参加国の協力を強める共同声明を採択し、15日に閉幕した。
声明と同時に発表した成果リストには、インフラ整備に使うシルクロード基金への1千億元(約1兆6400億円)の増資や参加国・地域への600億元(約1兆円)の援助など、中国が提供する支援が目立った。
シルクロード経済圏構想(一帯一路)
アジアや中東、欧州を陸路と海路で結ぶ新しい経済圏の構想。中国の習近平国家主席=写真=が2013年に打ち出し、主導する。経済政策や発展戦略で足並みをそろえ、鉄道や道路、港湾、通信網などのインフラ建設を進める。
(C)朝日新聞社
北朝鮮は午前5時28分ごろ、西部の平安北道亀城付近から東北東に向けて弾道ミサイル1発を発射した。高度は2千キロを超え、約30分にわたって約800キロ飛び、北海道奥尻島から約450キロの日本海に落ちたとみられる。高度2千キロを超えたのは初めてで、北朝鮮のミサイル技術の進展がみられる。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは、韓国の文在寅大統領が就任してから初めて。中国・北京では「一帯一路」の国際会議が開かれ、世界の首脳らが集まっているタイミングだった。日本などは、弾道ミサイル技術の使用を禁じた国連安全保障理事会の関連決議に違反していると抗議した。
国連安全保障理事会は、北朝鮮による4月29日と今月14日のミサイル発射を強く非難する報道声明を発表した。北朝鮮に新たな核実験やミサイル発射をしない
う求め、核・ミサイル開発を続ければ「制裁を含む、更なる重大な措置をとる」と警告した。
報道声明に法的拘束力はないが、安保理の統一した意思を即座に示す効果がある。
16日には安保理の緊急会合が開かれ、北朝鮮への圧力強化の必要性などを検討した。安保理の北朝鮮制裁は昨年も大幅に強化されたが、今後の焦点は更なる制裁強化決議の行方になる。米国は新たな制裁の可能性について、中国と協議を進めている。
沖縄が米国から日本に復帰して45年を迎えた。沖縄では太平洋戦争中に激しい地上戦があり、戦後は米国に占領された。国土面積の0.6%の沖縄に、いまも米軍専用施設の7割が集中している。復帰以降、米軍専用施設の約35%が返還されたが、まだ1万8609ヘクタールある。
基地の負担を減らしてほしいと訴える沖縄県と、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設をすすめる政府は対立している。沖縄県で行われた「5・15平和行進」の参加者たちは14日、普天間飛行場の移設工事が進む名護市の大浦湾周辺をデモ行進した。
宮内庁は、秋篠宮家の長女眞子さま(25)が、婚約に向けて準備を進めていると明らかにした。天皇陛下の4人の孫で初めての婚約となる。
お相手は、国際基督教大学時代の同級生で、横浜市在住の小室圭さん(25)=写真。法律事務所に勤務するかたわら、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務専攻)に在籍する。
2人は大学在学中の5年ほど前に知り合い、交際を深めてきた。これまでの皇族の結婚の前例にならうと、婚約内定が発表された後、結納にあたる「納采の儀」があり、婚約が正式に成立する。
宮家
男性皇族の結婚や成年などに伴って設ける。いまの天皇陛下の次男の秋篠宮家や、常陸宮家、三笠宮家、高円宮家がある。
現在の皇室典範では、宮家の創設は男性皇族に限られ、女性皇族は結婚に伴って皇籍を離れて一般市民となる。ただ、皇族は減少していて、今後の皇室活動に支障が出る可能性があるといわれるため、女性皇族が結婚後も皇室に残れるような「女性宮家」の創設が話題に上る。
(C)朝日新聞社
大学入試センター試験にかわり2020年度から始まる新テスト「大学入学共通テスト」(仮称)について、実施方針案を文部科学省が公表した。今の中学3年生以下が対象になる。
英語は「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能をはかるため、英検のような民間の資格・検定試験を活用する。
従来の「マークシート式」だけでなく、国語と数学は「記述式」も導入。国語は80~120字程度の問題を含め3問程度、数学は数式や考え方を問う3問程度としている。24年度からは地理歴史・公民分野や理科分野などでも、記述式の導入を検討する。
関西電力は、福井県の高浜原子力発電所4号機を再稼働させた。これで国内で運転中の原発は、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)と合わせて計4基となった。
高浜原発3、4号機は住民側の求めによって、大津地方裁判所が2016年3月に運転差し止めの仮処分を決定したが、今年3月に大阪高等裁判所が仮処分を取り消した。
再稼働は関西電力にとっては、電気料金を下げて利用者を取り戻す策だが、地元の住民には原発事故の不安がある。今後も原発の再稼働は相次ぐ見通しだ。
史上最年少でプロ入りした将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)が、大阪市福島区の関西将棋会館であった対局に勝ち、自らがもつデビューからの公式戦連勝記録を「18」に伸ばした=写真。歴代の棋士の連勝記録の中でも7位タイ。歴代トップ10入りを果たした。
終局後、「(18連勝は)自分の実力からすると出来過ぎの結果」と話した。次戦は25日に行われる予定。
(C)朝日新聞社
東京都は上野動物園で飼育しているジャイアントパンダのシンシン(メス、11歳)に妊娠の兆候がみられると発表した。16日ごろからエサの摂食量が減り、休む時間が長くなっているという。今年2月、4年ぶりの交尾が確認されていた。ただ、「偽妊娠」の可能性もある。
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。