朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月20日―4月26日

2017年4月30日付

20日 パリで銃撃、警官ら3人死傷

容疑者、過去に有罪判決

 フランス・パリの繁華街シャンゼリゼ通りで警官が銃撃され、1人が死亡、2人が重軽傷を負った。容疑者はその場で射殺され、直後に過激派組織「イスラム国」(IS)系列のメディアが犯行声明を出した。犯行があったのは、大統領選の第1回投票を23日に控え、テレビ討論会のさなかだった。
 現地報道によると、容疑者はフランス国籍の39歳の男で、イスラム過激思想に染まり、過去にも有罪判決を受けていた。

事件発生後のシャンゼリゼ通りの写真
事件発生後のシャンゼリゼ通り
(C)朝日新聞社

20日 安保理、北朝鮮を「強く非難」

ミサイル発射に対し警告

 国連安全保障理事会は、北朝鮮が16日にミサイルを発射したことに対し、強く非難する報道声明を発表した。報道声明に法的こうそく力はないが、作成には理事国全15カ国の同意が必要。米国とロシアの対立で作成は難航したが、主導する米国がロシアの要求に応じて決着した。
 声明は、ミサイル発射が一連の安保理決議に違反し、「安保理への挑発的で反抗的な態度」と指摘、「最大限のねん」を表明している。北朝鮮に決議違反をただちにやめるよう求めた上で、安保理は情勢を注視し、「制裁を含む、さらなる重大措置をとる」と警告を発した。

国連安全保障理事会(安保理)
 国連の主要機関で、常任理事国の5カ国(米、英、仏、ロシア、中国)と、総会で2年の任期で選ばれる非常任理事国10カ国の計15カ国で構成される。
 国際平和と安全の維持を目的に、武力行使を含む強制措置の発動を決定できる。決定は法的拘束力を持ち、国連加盟国はそれに従わなければならない。常任理事国は決議を否決させる「拒否権」を持つ。

21日 天皇退位後は「上皇」

有識者会議が最終報告

 天皇陛下の退位をめぐる政府の有識者会議は、いまの陛下に限って退位を可能とする特例法をつくることを求める最終報告を、しんぞう首相に手渡した。退位後の陛下の称号を「じょうこう」、皇后は「じょうこうごう」とするなど、法案に盛り込む具体的な項目について整理したが、退位の是非や特例法を推奨した理由などについては触れなかった。
 報告では退位後の称号のほか、▽上皇が亡くなった場合、天皇と同じく「たいそうれい」を行うこと▽事務を担う組織として「上皇職」を設けること▽象徴としての行為はすべて新しい天皇に譲ること▽あきしののみや家は残し、秋篠宮さまの呼称は「こう殿下」などとすること、などが盛り込まれた。
 政府は5月中に特例法案を国会に提出し、今の国会で成立させる考え。

22日 フィギュア国別対抗、日本優勝

3大会ぶり

 フィギュアスケートの世界国別対抗戦が東京・競技場であり、日本は合計109点で首位を守り、3大会ぶり2度目の優勝を飾った。ロシアが105点で2位、3連覇を狙った米国が97点で3位だった。

23日 フランス大統領選、第1回投票

マクロン氏とルペン氏が決選投票へ

 フランス大統領選の第1回投票が行われ、中道の独立系エマニュエル・マクロン前経済相(39)と、「自国第一」を掲げる右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首(48)が5月7日の決選投票に進むことになった。
 仏内務省の集計によると、得票率はマクロン氏が24.01%、ルペン氏が21.30%。大統領の権限を強めた1958年からの「第5共和制」で初めて、2大政党抜きに大統領の座が争われる展開となった。

主な主張
エマニュエル・マクロン前経済相(左)
 欧州連合(EU)など欧州の協調重視▽共通通貨ユーロ圏の予算や議会、財務相ポストを創設、成長と投資を促す

国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(右)
 EU離脱を問う国民投票を実施▽自国通貨フランの復活▽自由貿易協定を拒否し、国内産業を守る

エマニュエル・マクロン前経済相の写真国民戦線のマリーヌ・ルペン党首の写真
どちらも(C)朝日新聞社

23日 米空母と海自、共同訓練

北朝鮮を牽制する狙い

 朝鮮半島近海へ向けて航行している米海軍の原子力空母カールビンソンと海上自衛隊の護衛艦が、西太平洋の海域で共同訓練を始めた。北朝鮮が人民軍創建85周年を迎える25日に合わせて行われた。共同訓練で北朝鮮を強くけんせいする狙いがある。
 日米の連携と強い決意を内外に示す「柔軟抑止選択肢」と呼ばれるもので、2015年に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)が改定された際、新たに協力項目として盛り込まれた。

日米防衛協力のための指針(ガイドライン)
 日本が外国から攻められた時、同盟国の米軍と自衛隊がどんな協力をして敵を排除するのか、その役割分担を約束しておく文書のこと。条約と違って国会での承認手続きは不要で、両政府が法的な義務を負うこともない。1978年に日米が合意、97年と2015年に改定された。

米海軍と海上自衛隊が共同訓練する西太平洋の海域を説明する地図

24日 汚染土再利用へ実証開始

復興事業の資材に使う考え

 環境省は、東京電力福島第一原発事故の除染で出た汚染土を再生利用するための実証事業を福島県みなみそう市で始めた。放射性物質の流出やばくをうまく管理できれば、汚染土を復興事業の資材などに使いたい考えだ。
 約1千袋の汚染土を放射性セシウム濃度で分別し、まずは1キロ当たり約2千ベクレルの土を、防潮堤の盛り土などを想定した工事で使い、別の土などで覆う。飛散防止措置や放射線量の監視などの安全対策も検証する。
 福島県内の除染で出た汚染土は中間貯蔵施設(同県ふたおおくま両町)に保管した上で、30年以内に県外に持ち出して最終処分することになっているが、今年1月末現在で約1600万立方メートルもある=写真は汚染土の仮置き場、3月31日、福島県いいたて村。

福島県飯舘村の汚染土の仮置き場の写真

汚染土再利用のイメージ図
どちらも(C)朝日新聞社

25日 辺野古の護岸工事が開始

反対する市民らが抗議

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)の移設計画で、政府は沿岸部を埋め立てる護岸工事を始め、海にさいせきが沈められた=写真。工事が進めば、元に戻すのは困難になる。沖縄防衛局は今後、予定地の外側を囲む護岸を造成し、海を囲み終えた場所から年度内にも土砂の投入を始め、5年間での埋め立て完了を目指す。
 沖縄県のながたけ知事は「強行は許しがたい」と反発。埋め立て工事が始まった場所に近い基地ゲート前には反対する市民らが集まり、抗議した。

沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を指した地図

名護市辺野古沿岸部を埋め立てる護岸工事の写真
(C)朝日新聞社

25日 福知山線の脱線事故から12年

マンション周辺、整備し広場に

 乗客106人と運転士が亡くなり、562人が負傷したJRたからづか線(ふくやま線)脱線事故の発生からこの日で12年がたった。遺族らは兵庫県あまがさき市の現場に献花に訪れ、静かに手を合わせた。
 事故発生時刻に合わせ、電車がついとうの警笛を鳴らしながら現場を通過すると、集まった遺族やJR西日本の社員らが頭を下げた。JR西日本は、電車が衝突したマンションの上層部を取り壊し、階段状に保存する工事を進めている。来年夏ごろまでに周辺を広場として整備する方針。

26日 今村復興相が引責辞任

「東北で良かった」発言で

 いまむらまさひろ復興相がしんぞう首相に辞表を提出し、受理された。前日にあった自民党会派のパーティーで、東日本大震災をめぐり「東北で良かった」などと発言したことから、事実上こうてつされるかたちとなった。後任には福島県出身のよしまさよし・元環境副大臣が起用された。
 首相は「任命責任はもとより、内閣総理大臣たる私にある。こうした結果となり、国民の皆さまに心からおわび申し上げる」と謝罪した。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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