朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月6日-4月13日

2017年4月16日付

6日 米軍、シリア空軍基地を攻撃

日本は米支持

 トランプ米大統領は、シリア北西部イドリブ県でアサド政権が化学兵器を使ったと断定し、アサド政権軍の空軍基地を攻撃したと発表した。シリア国営通信によると、子ども4人を含む民間人9人が死亡したという。
 しんぞう首相は「化学兵器の拡散と使用は許さないとの米国の決意を支持する」と語った。アサド政権を支援するロシアは「主権国家に対する侵略だ」と激しく反発した。
 トランプ大統領は「シリアにおける虐殺と流血を止めるため、米国(の行動)に加わるよう求める」と述べ、国際社会の理解と協力を求めた。

 アサド政権
 バッシャール・アサド氏が大統領を務めるシリアの政権。アサド氏は、亡くなるまで30年余り独裁体制を維持した父親を継ぎ、2000年に大統領に就任した。11年からは反政府運動の高まりをきっかけに内戦状態に。ロシアやイランから支援を受けている。

シリア内戦の構図の画像

シリアの地図
(C)朝日新聞社

6日 米中初の首脳会談

米、北朝鮮への制裁履行求める

 トランプ米大統領=写真上=と中国のシーチンピン国家主席=写真下=による初の首脳会談が、米フロリダ州にあるトランプ氏の別荘で2日間にわたって行われた。核やミサイルの開発を進める北朝鮮問題について、トランプ氏は習氏に国連による制裁を完全に行うよう求める一方、中国の協力が得られなければ「米国が独自の行動をとる」と強調。米国の大幅な対中貿易赤字についても「100日計画」を立て、削減に取り組むことで一致した。
 トランプ氏は「習氏との関係は深まった。今後、会談を重ねて問題を解決できると信じている」と指摘。習氏も「多くの分野で共通認識に至った」と語った。一方で、外交や経済など具体的な課題の進展はなかった。
 トランプ氏は初日の夕食会の前に、シリアへのミサイル攻撃を命令した。

トランプ大統領の写真

習近平国家主席の写真
どちらも(C)朝日新聞社

8日 RCEP早期妥結を再確認

日本・ASEAN経済相会合

 日本と東南アジア諸国連合(SE)の経済相会合が大阪市で開かれ、東アジア地域ほうかつ的経済連携(アールCEPセップ)を早くまとめることを再確認する共同声明を採択した。
 RCEPをめぐっては、最初から高いレベルの自由化を目指す日本などと、それに反対する中国やインドなどが対立。けつのめどは立っていない。

RCEP
 ASEANと日本、韓国、中国などアジアの16カ国が合意を目指す経済連携。実現すれば欧州連合(EU)を上回る、世界最大規模の自由貿易圏が生まれる。2011年にASEANが提唱し、13年から交渉が続く。

9日 内村選手、史上初10連覇

体操全日本個人総合

 体操の全日本個人総合選手権の決勝が東京体育館(東京都渋谷区)であり、男子はリオデジャネイロ五輪個人総合で2連覇したうちむらこうへい選手=写真=が86.350点で史上初の10連覇を達成した。
 内村選手はプロ転向後、初の大会。「地獄ですよね。また勝ってしまった。でも、それぐらい追いつめられた方がいいのかな」と話し、「王者」ゆえの苦しみをにじませた。

体操の内村航平選手の写真
(C)朝日新聞社

10日 浅田真央選手が引退表明

フィギュアスケート

 フィギュアスケート女子の2010年バンクーバー五輪銀メダリストで、世界選手権を3度制したあさ選手(26)が、自身のブログで現役引退を表明した。14年ソチ五輪で6位に終わった後、1年間の休養を経て現役続行を宣言。しかし、左足のけがに悩まされて昨年12月の全日本選手権は12位。国際大会の代表からは漏れていた。

フィギュアスケートの浅田真央選手の写真
ソチ五輪でフリーの演技を終えた浅田選手
(C)朝日新聞社

10日 50年後の人口、8808万人

人口減、緩やかになる見通し

 国立社会保障・人口問題研究所が、50年後までの将来推計人口を公表した。2065年の日本の人口は、1954年と同水準の8808万人になるとした。合計特殊出生率の50年後の見通しは、前回2012年の推計より回復して1.44になると予測。人口が減るペースは前回より緩やかになった。
 15年の人口は1億2709万人。人口が1億人を切る時期は、53年になると見込んでいる。

合計特殊出生率
 女性が生涯に産む子どもの数。2.07が人口維持の目安となる。2005年に1.26まで低下。15年は1.45(実績値)で、水準は低いものの緩やかな回復傾向にある。

「日本の人口と出生率の推移」のグラフ画像
(C)朝日新聞社

10日 マララさん、国連平和大使に

「教育は全ての子どもの権利」

 パキスタン出身のノーベル平和賞受賞者、マララ・ユスフザイさん(19)が米ニューヨークの国連本部で、女子教育の普及に取り組む国連平和大使に任命された。マララさんは演説で「教育は全ての子どもの権利であり、無視されるべきでない」と訴えた。
 マララさんはパキスタンで暮らしていた2012年、過激派組織に撃たれて負傷したが、奇跡的に回復。14年にノーベル平和賞を受けた。今は英国で教育を受けながら、難民向けの学校をつくるなど教育機会の普及に努めている。

10日 優れた報道に「パナマ文書」

ピュリツァー賞

 米国の優れた報道に贈られるピュリツァー賞の受賞作が、ニューヨークのコロンビア大学で発表された。解説報道部門で、各国指導者らのタックスヘイブン(租税回避地)関与の実態を暴いた「パナマ文書」を報じた「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」など3団体・社が選ばれた。この報道には朝日新聞や共同通信の記者が参加している。
 パナマ文書をめぐっては、約80カ国で税務当局などが調査を開始。昨年12月までに、コロンビアやスロベニアなどで少なくとも1億1千万ドル(約122億円)の未申告の税金や資産を押さえたという。
 国内報道部門は、昨年の大統領選で、共和党候補だったトランプ氏への徹底的な調査報道を貫いたワシントン・ポスト紙の記者が選ばれた。

ピュリツァー賞
 米国の報道などで優れた業績に対して贈られる賞。新聞経営者のジョゼフ・ピュリツァーの遺言に基づき、1917年に創設された。米コロンビア大学が運営している。日本人ではベトナム戦争を取材したカメラマン、故・さわきょういちさんらが受賞。

11日 東芝、延期していた決算発表

監査法人、異例の「意見不表明」

 電機メーカーの東芝は、2度にわたって延期していた2016年4~12月期決算を、国が認めた期限のこの日に発表した。経営たんした米国の原発子会社ウェスチングハウスをめぐる調査で、決算をチェックするかん法人との考えが対立。監査法人は証拠が不十分で決算の正しさが判断できないとみなし、大手じょうじょう企業ではきわめて異例となる「意見不表明」とした。
 決算では米国の原子力事業関連で7166億円の損失を計上し、5325億円の赤字。企業としての存続に疑いが生じたことを示す注記を初めて記載した。将来的な上場廃止を避けるため、半導体子会社を高値で売ることが不可欠となっている。

11日 本屋大賞に「蜜蜂と遠雷」

恩田陸さん

 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ第14回本屋大賞が発表され、おんりくさん=写真=の小説「蜜蜂とえんらい」(幻冬舎)に決まった。1月の直木賞とのダブル受賞、2005年の「夜のピクニック」に続く2回目の本屋大賞受賞はいずれも初。
 国際ピアノコンクールを舞台にした青春群像劇。恩田さんは授賞式で「本屋大賞は私の誇りです」と語った。

作家の恩田陸さんの写真
(C)朝日新聞社

11日 原発避難の子、いじめ129件

文科省調査

 まつひろかず文部科学相は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で福島県内外に避難した子どもに対するいじめが2016年度に129件確認されたと発表した。調査は全国の小中高校などを対象に初めて実施された。
 昨年5月現在、県内外の避難先の学校に通う子どもは1万1828人。
 原発事故が関連したものでは、「放射能がつくから近づくな」と言われたり「放射能」と呼ばれたりした例が確認された。子どもが被害を打ち明けないケースもあり、文科省は「全ての件数がもうできたわけではない」としている。

11日 2025年万博誘致、政府が了解

大阪・人工島「夢洲」

 政府は、2025年の国際博覧会(万博)の大阪での開催を目指し、立候補を閣議了解した。開催地が決まる18年11月の博覧会国際事務局(BIE)総会に向けて、加盟国の支持を得るためのゆう活動が本格化する。今月24日にBIE本部に申請し、6月のBIE総会で各国に開催意義をアピールする予定。
 経済産業省がまとめた万博の報告書によると、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとし、25年5月3日~11月3日に大阪湾岸部の人工島「ゆめしま」(大阪市このはな区)で開く。25年の万博には、フランス政府がパリ郊外を候補地として立候補している。

大阪湾岸部の人工島「夢洲」の地図
(C)朝日新聞社

12日 米国務長官、ロシアで相次ぎ会談

シリア内戦の解決探る

 トランプ米政権の閣僚として初めてロシアを訪問したティラーソン国務長官は、モスクワでラブロフ外相、プーチン大統領と相次いで会談した。ティラーソン氏は、シリアのアサド政権を支えるロシアに同政権との関係を見直し、内戦終結に向けて国際社会と協力するよう求めたとみられる。
 ロシア側は米国のシリアへのミサイル攻撃を「違法」と非難するなど、両者の主張は平行線をたどった。一方で、テロ対策での協力を探る姿勢も示した。これに対しティラーソン氏は「対話は常に開かれている」と述べ、「今後の米ロ関係を定義するため、率直な議論をしたい」とゆう的な姿勢を示した。

13日 英語、民間テストで4技能評価

センター試験後継原案

 大学入試センター試験に代わって2020年度から導入される新テスト「大学入学希望者学力評価テスト」の原案がわかった。英語では、英検のような民間試験を事前に受けさせ、聞く・読む・書く・話すの4技能を評価。受験生は2回まで受けられ、結果の良い方を採る。国語の記述式は80~120字程度で答える問題などを数問出す。
 文部科学省は大学、高校側と協議したうえ、6月に実施方針として公表する。新テストは現役であれば21年4月に入学する今の中学3年から対象になる。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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