朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

2月16日―2月24日

2017年2月26日付

・覚えておきたい言葉には色をつけ、下の「KEYWORD」で説明しています。

16日 高梨選手が53勝、W杯最多タイ

スキージャンプ

 韓国・ピョンチャンで開かれたスキー・ジャンプのワールドカップ(W杯)で、たかなし選手=写真=が優勝した。W杯で通算53勝目となり、男女を通じて歴代最多の記録に並んだ。出場は89試合で、勝率は約6割。6シーズンでの達成となった。
 「男子とは舞台が違うし、レベルも違う。すごいことなのか複雑だけど、記録を出せたことは自信になる」と話した。
 今季はすでに、2季連続4度目の個人総合優勝を決めている。

高梨沙羅選手の写真
(C)朝日新聞社

16日 ミッフィーの生みの親、死去

ディック・ブルーナさん

 うさぎのミッフィー(うさこちゃん)で知られるオランダの絵本作家ディック・ブルーナさん=写真=がろうすいで亡くなった。89歳だった。
 ブルーナさんは1927年ユトレヒト生まれ。53年に絵本作家としてデビュー。55年にミッフィーシリーズの第1作「ちいさなうさこちゃん」を発表、日本では64年に出版された。
 ミッフィーシリーズは50カ国以上で翻訳された。120冊以上の絵本が出版され、発行部数は8500万部を超える。

ディック・ブルーナさんの写真
(C)朝日新聞社

16日 平出和也さんに植村直己冒険賞

登山家で写真家

 勇気ある冒険家らに贈られる「うえむらなお冒険賞」の2016年受賞者が発表され、ひらいでかずさん(37)が選ばれた。誰も登ったことのないルートからの登山を続ける登山家で、世界的な登山家を撮影する山岳カメラマンでもある。
 09年には登山界のアカデミー賞といわれる「ピオレドール賞」を日本人初受賞。80歳でエベレストに登ったうらゆういちろうさんらを撮影してきた。

17日 韓国・サムスンのトップを逮捕

贈賄容疑 朴大統領と共謀か

 韓国最大の財閥サムスングループの事実上の経営トップ、ジェヨン氏(サムスン電子副会長)が、わいろを贈ったなどの疑いで逮捕された。グループ内の企業合併に政府が協力する見返りに、パク槿大統領の支援者であるチェ・スンシル被告らに、総額430億ウォン(約42億円)を渡したと、検察が判断した。
 検察は朴大統領がチェ被告と共謀したとして、わいろを受け取った疑いで朴大統領についての捜査を進めている。

17日 待機児童ゼロ「困難」

安倍首相が答弁

 しんぞう首相は衆議院予算委員会で、2017年度末までの「待機児童ゼロ」の目標達成について、「厳しい」という認識を初めて示した。「働く女性が見積もり以上になった」と説明した。
 「待機児童ゼロ」は13年に安倍政権が「17年度末までに」と目標を設定した。保育施設の整備は各地で進むが、働く女性も増え、都市部では増える需要に追いつかない=グラフ。首相は目標自体は取り下げず、対策を強化するという。

保育施設の定員と申込者数と待機児童数を表したグラフ
(C)朝日新聞社

17日 深海探査レースに日本参戦

立体地図作成や撮影で競う

 東京大学とKDDI、三井造船などが「チームクロシオ」を組み、無人潜水艇で国際的な深海探査競争に参加すると発表した。日本からは唯一の参加となる。
 競技は、海上の無人母船と自動で動く小型潜水艇を使い、最大500平方㌔メートルの海底を立体地図にするほか、海底に置かれたまとを写真に撮るのが目標。
 今年9月と来年9月の2回あり、初戦は水深2千㍍(16時間以内)、2戦目は4千㍍(24時間以内)で競う。11カ国21チームが参加し、優勝チームには賞金400万㌦(約4億5千万円)が贈られる。

チームクロシオの潜水艇の写真
チームクロシオの潜水艇
(C)朝日新聞社

19日 冬季アジア大会が6年ぶり開幕

札幌市 26日まで

 6年ぶりの開催となる冬季アジア大会が、札幌市で開幕した=写真は開会式で入場する日本代表選手団。日本での開催は14年ぶり。札幌市とおびひろ市を会場に、26日まで5競技64種目で熱戦がくり広げられる。
 大会には「ゲスト参加」のオーストラリアとニュージーランドを加えた史上最多の32カ国・地域から、選手・役員約2千人が参加する。

開会式で入場する日本代表選手団の写真
(C)朝日新聞社

20日 外国人初の女流プロ棋士誕生

漫画「NARUTO」きっかけ

 将棋のカロリーナ・ステチェンスカ女流3級=写真、ポーランド出身=が、正規のプロである女流2級に昇級した。日本将棋連盟によると、外国人がプロになるのは男性の棋士を含めて初めて。この日の対局で勝ち、「女流名人戦予選の決勝進出」という規定を満たした。
 ステチェンスカさんは漫画「NARUTO」で将棋に興味を持ち、ネット対局で腕を磨き、2013年に来日した。「チェスと違い、取った駒を使えて終盤がダイナミックなところが面白い」という。

カロリーナ・ステチェンスカ女流3級の写真
(C)朝日新聞社

21日 文科省「天下り」新たに17件

中間報告、計27件に

 文部科学省が職員の「天下り」を組織的にあっせんしていた問題で、同省は中間報告を発表し、新たに17件が国家公務員法違反にあたるとした。大学への再就職をあっせんしたり、職員の情報を渡したり、大学設置の審査情報を流したりしたもの。
 内閣府の再就職等監視委員会がすでに違反を認めた分と合わせ、計27件となった。文科省OBを仲介役とするあっせんのしくみもわかってきた。文科省は16人の処分を検討している。

21日 熊本地震の犠牲者204人に

災害関連死149人

 昨年4月の熊本地震の犠牲者が200人を超えた。大分県市と熊本県市が計5人を、地震後に体調を崩すなどした「災害関連死」に認定したと発表し、死者は両県で計204人となった。大分県内で熊本地震の死者が認定されるのは初めて。
 204人のうち災害関連死は149人で、直接死50人の3倍となった。災害関連死のほとんどが60歳以上で、被災後に持病を悪化させたり、心身の疲労で衰弱したりした例が目立つ。

熊本地震の死因の内訳をまとめたグラフ
(C)朝日新聞社

21日 国籍問わずメキシコ送還

米、メキシコ越境の不法移民対策

 米国土安全保障省は、不法移民の取り締まり強化に関する新しい指針を発表した。これまでは「重大な罪」を犯した不法移民が強制送還の対象だったが、交通違反などの軽犯罪でも対象とする。また、メキシコ国境を越えた不法移民は国籍を問わず、メキシコに送り返すという。
 トランプ大統領が1月25日に出した大統領令に基づく。メキシコや人権団体の反発が予想される。

22日 大飯原発3、4号機「新基準に適合」

規制委 6原発目計12機に

 原子力規制委員会は、再稼働を目指す関西電力おお原子力発電所3、4号機(福井県)の安全対策が、新規制基準に適合すると認める審査書案を了承した。30日間の意見募集を経て正式決定する。
 大飯原発3、4号機をめぐっては、2014年に福井地方裁判所で運転差し止めを求めた住民らが勝訴し、関西電力などがこうしている。地震対策をめぐる裁判が続くなか、安全対策が了承された。適合が認められたのは6原発目、計12基となった。

大飯原発の位置を示した地図

22日 都議会、百条委員会設置

豊洲問題で

 東京都議会は、とよ市場(江東区)をめぐり、土壌汚染が心配された用地を取得する交渉がどう行われたかなどを調べるため、権限の強い調査特別委員会(百条委員会)の設置を全会一致で決めた。
 百条委員会の設置は都議会では12年ぶり。都知事在任中に移転を決めたいしはらしんろう氏らの証人喚問を行う見通し。

22日 パンダに恋の季節がやってきた

上野動物園で展示中止

 上野動物園(東京都たいとう区)はジャイアントパンダの展示を中止した。めすのシンシン(11歳)がおすのリーリー(11歳)のにおいを気にするなど発情兆候が見られたため、交尾に向けて備える。
 パンダの繁殖期は2~5月ごろの年1回で、このうち妊娠の可能性が高まるのは数日間だけ。その時期を見極めて、別々に飼育中の2頭を同居させる予定という。

23日 40光年先に地球に似た7惑星

海があり生命の可能性

 地球から約40光年離れた恒星の周りを、地球に似た惑星=イメージ=が七つ回っていることがわかった。質量やサイズが地球と同じくらいで、七つのうち三つには地表に海があって生命が存在する可能性もあるという。
 ベルギー・リエージュ大学などの国際チームによる研究で、成果が英科学誌ネイチャーで発表された。米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡などで、「TRAPPISTトラピスト―1」という恒星を観測した。

23日 日産のゴーン氏が社長退任へ

 日産自動車は、4月1日付でカルロス・ゴーン氏(62)が社長兼最高経営責任者(CEO)を退き、後任に西さいかわひろ氏(63)が就くと発表した。今後は代表権のある会長としてグループの三菱自動車や仏ルノーをまとめる。
 ゴーン氏はルノーから日産に送られ、1999年に最高執行責任者(COO)に。2001年6月に社長兼CEOとなり、経営を立て直した。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

待機児童
 国の設置基準をクリアして認可された保育施設に、条件を満たして申し込んでも、施設不足などの理由で入れない児童のこと。2016年4月時点で2万3553人いて、2年連続の増加。保育施設は増えているが、都市部では足りていない。

冬季アジア大会
 アジア地域における冬季競技の普及、発展を目指し、日本が提唱して1986年、札幌市で第1回大会が開催された。以来、原則4年ごとに開かれていたが、今回は6年ぶり。今大会の成功を機に、札幌市は2026年冬季五輪の招致を目指す。

災害関連死
 災害のショックや避難生活の疲れ、持病の悪化など、間接的な原因で亡くなること。市町村が遺族の求めで状況を調べ、認定する。

原発の新規制基準
 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故後につくられた、原発事故に備えた対策の基準。地震や津波などの想定を厳しくして、重大事故を想定した対策を義務づけ、放射性物質の飛散を抑える設備なども求めている。

百条委員会
 地方自治法の100条にもとづき、自治体の事務に関する不祥事などを調査するために置かれる。強い権限があり、うその証言などには刑や罰金を科すことができる。

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