朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

11月10日―11月18日

2016年11月20日付

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10日 トランプ氏、オバマ大統領と初会談

融和ムードを演出

 来年1月に米国の次期大統領に就任するドナルド・トランプ氏が、ホワイトハウスで現職のオバマ大統領と初会談し、円滑な政権移行に向けて協議した。トランプ氏はこれまでの激しい口調を改め、長く反目してきた両氏が融和ムードを演出した。
 トランプ氏は13日、ホワイトハウスの大統領首席補佐官に、共和党全国委員会のプリーバス委員長を充てると発表した。共和党主流派から信頼があつい人物で、党を重視した政権運営が予想される。

11日 日印原子力協定に署名

原発輸出が可能に

 しんぞう首相はインドのモディ首相と首相官邸で会談し、日本からインドへの原発輸出を可能にする「原子力協定」に署名した=写真は左からモディ首相、安倍首相。
 インドは核不拡散条約(NPT)非加盟の核兵器保有国。協定は、原発輸出に向け、日本の関連技術や物資の移転を可能にする。
 日本はインドが核実験した場合の協力停止措置の明記を目指したが、関連文書への記載にとどまり、安全保障政策への制約を嫌うインドも自国寄りに解釈できる余地を残した。

原子力協定に署名したモディ首相、安倍首相の写真
(C)朝日新聞社

11日 「ハリポタ」新作発売

ハリーが父に

 魔法使いの少年の冒険をえがいた小説「ハリー・ポッター」シリーズ最新作の日本語版が発売された=写真、東京都中央区。8年ぶりの新作のタイトルは『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 特別リハーサル版』(静山社)。前作『ハリー・ポッターと死の秘宝』の19年後が舞台で、父親になったハリーが、次男を魔法学校に送り出した後の物語だ。

書店に並ぶ「ハリー・ポッター」シリーズ最新作の日本語版の写真
今井尚撮影

11日 南極観測船「しらせ」が出港

アジアの研究者らと共同観測

 南極観測船「しらせ」が、南極へ向けて東京・はるとうを出港した=写真は見送りをする隊員の家族ら。月末に空路で出発する58次観測隊(約80人)をオーストラリアで乗せ、年末の昭和基地到着を目指す。
 58次観測隊には、アジアの若手研究者3人が初めて招致される。「アジア極地科学フォーラム」が、南極観測に未参加の国と共同観測する試みで、モンゴル、インドネシア、タイの30代の地質研究者が同行する。日本の研究者とともに南極大陸沿岸で2カ月間、野営しながら地質調査をする。

見送りをする隊員の家族らの写真
(C)朝日新聞社

12日 朴大統領の辞任求め抗議集会

民間への文書流出をうけ

 韓国の首都ソウルで、パク槿大統領の辞任を求める大規模集会があり、警察推計で26万人が集まった。
 朴大統領は、民間人の支援者であるチェ・スンシル氏に意見を聞くために、大統領府の資料を渡していた。チェ氏は逮捕され、検察当局は大統領府への強制捜査に踏み切った。
 大統領府の文書を無断で流出させることは禁じられている。大統領は憲法の規定で在職中、刑事訴追を受けない。

朴大統領の辞任を求める人で埋め尽くされた韓国・ソウル中心部の道路の写真
朴大統領の辞任を求める人で埋め尽くされた韓国・ソウル中心部の道路=12日
(C)朝日新聞社

14日 ニュージーランドでM7.8の地震

2人死亡 5年前にも大地震

 米地質調査所によると、午前0時過ぎ、ニュージーランド南島クライストチャーチの北東約90㌔を震源とするマグニチュード(M)7.8の強い地震があった。震源の深さは約23㌔。2人の死亡が確認された。
 ニュージーランドでは2011年2月、クライストチャーチ市付近を震源とするM6.3の地震が発生し、計185人が死亡。語学研修中だった日本人らも犠牲になった。

ニュージーランド周辺の地図

15日 福岡・博多駅前の陥没復旧

発生から1週間で通行再開

 福岡市のJR博多駅前で8日朝に起きた陥没事故で、道路の埋め戻しと舗装が完了し、発生から1週間で通行が再開された。
 事故発生後、24時間態勢で復旧作業を行った。事故で生じた穴(約30㍍四方、深さ約15㍍)に、セメントを土に混ぜた「流動化処理土」を流し込んだ。水道などのライフラインは13日までに復旧。今後は、地下鉄工事現場で起きた事故の原因究明と賠償手続きに入る。

陥没初日の写真

埋め戻しと舗装が完了した様子の写真
(上)陥没初日の様子=8日(下)埋め戻しと舗装が完了し、運行が再開=15日、どちらも福岡市博多区
(C)朝日新聞社

15日 「駆けつけ警護」閣議決定

安保法、本格運用へ

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐり、政府は陸上自衛隊の派遣部隊に、新任務「駆けつけ警護」を付与することを閣議決定した。昨年9月に成立した安全保障関連法に基づくもので、安保法は初の本格運用の段階に入る。
 現地の治安情勢が悪化していることが心配される中、撤収規定を設けるなど、自衛隊の活動要件を厳格化した。

駆けつけ警護の説明
(C)朝日新聞社

15日 汚染土の中間貯蔵施設を本格着工

環境省 最終処分地は未決定

 環境省は福島県のふた町とおおくま町で、東京電力福島第一原子力発電所事故後の除染作業で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の本体工事を始めた。
 着工は環境省の当初の見込みより2年半遅れた。県内で出る最大2200万立方㍍の汚染土などを貯蔵する予定だが、用地取得は11%にとどまっている。
 国は施設で貯蔵した汚染土を2045年に県外へ搬出する法律をつくったが、最終処分地は決まっていない。

中間貯蔵施設の建設予定地の地図
(C)朝日新聞社

15日 横綱・白鵬、通算1千勝

史上3人目

 大相撲の横綱・はくほうが、九州場所3日目、上手投げでかいせいを下し、通算1千勝を達成した。花道で花束を受け取り、笑顔を見せた=写真。
 白鵬はモンゴル出身の31歳。1千勝達成は、通算1047勝の元大関・かいおう、同1045勝の元横綱・に次ぐ史上3人目で、外国出身力士では初めて。

通算1千勝を達成し花道で花束を受け取り、笑顔を見せた白鵬の写真
(C)朝日新聞社

15日 日本、サウジ破り暫定2位

サッカー・W杯アジア最終予選

 2018年サッカー・ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選で、B組の日本はサウジアラビアを2―1で破り=写真=、通算成績を3勝1敗1分けとした。勝ち点10で2位に浮上して、予選の前半戦を終えた。サウジアラビアも勝ち点10。得失点差で首位を保った。
 6チームがホーム・アンド・アウェー方式のリーグ戦で争う最終予選は、5試合が終了。第6戦は来年3月23日に行われ、日本は敵地でアラブ首長国連邦と対戦する。2位以上が本大会出場権を獲得。各組3位はアジアプレーオフに進む。

サッカー・ワールドカップのアジア最終予選で戦う日本代表の写真
(C)朝日新聞社

16日 福井・美浜原発の運転延長を認可

原子力規制委

 原子力規制委員会は、今月末で運転開始から40年を迎える関西電力はま原子力発電所3号機(福井県)=写真手前=について、20年間の運転延長を認可した。
 東京電力福島第一原発の事故後、原発の運転期間を「原則40年」とする制度ができたが、延長の認可は6月の関西電力たかはま原発1、2号機(福井県)に続く2例目。原則は骨抜きが進んでいる。

関西電力美浜原子力発電所3号機の写真
(C)朝日新聞社

17日 安倍首相とトランプ氏が初会談

 安倍晋三首相は訪問先の米ニューヨークで、トランプ次期大統領と会談した。トランプ氏の自宅があるニューヨークのトランプ・タワーで、1時間半ほど話し合った。首相が就任前の次期大統領と会うのは異例で、トランプ氏が大統領選の勝利後に外国首脳と会談するのは初めて。
 安倍首相は会談後、「きょうきんを開いて率直に話ができた」と述べた。トランプ氏については「信頼できる指導者だと確信した」とした。会談の中身については、まだ次期大統領であり、今回は非公式ということで明かさなかった。日米関係全般について意見を交わし、首相側は大統領選でのトランプ氏の言動の真意を探るとともに、日米同盟の重要性も指摘したとみられる。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

大統領首席補佐官
 米国大統領への面会や文書の管理をするほか、ホワイトハウス職員を監督・統括する官房機能のトップ。任命に議会の承認は不要で、大統領が最も信頼する側近が就く。副大統領よりも実質的権限を持つとされている。

核不拡散条約(NPT)
 米国、ロシア、英国、フランス、中国の5カ国を「核保有国」とし、それ以外に増えることを防ぐ条約。1970年に発効し、191カ国・地域が参加(2015年2月現在)。インド、パキスタン、イスラエル、南スーダンは加盟していない。北朝鮮は一度加盟したが、03年に脱退。

南極観測船
 南極へ物資や人員を運ぶ調査船。1956年11月に初代南極観測船「そう」が出港した。現在の「しらせ」は4代目で、2009年に就航した。

駆けつけ警護
 現地の国連司令部の要請などを受け、離れた場所で武装勢力に襲われた国連職員やNGO職員らを助けに向かう任務。警護対象を守る際、武器を使う可能性もある。

閣議決定
 閣議は、内閣が法律案や予算案など、国の政治で重要なことがらを決めるために開く会議。内閣総理大臣とその他の国務大臣で構成される。内閣全体として方針を決める手続きを閣議決定という。

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