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2016年10月16日付
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航空会社の国際線に2021年から二酸化炭素(CO2)の排出規制を課すことが決まった。カナダで開かれていた国連の国際民間航空機関(ICAO)の総会で合意した。すでに米国、中国、欧州、日本など60カ国以上が応じると表明。地球温暖化対策強化の流れを受けて、国際的な枠組みができる。
規制は、航空業界全体の20年の総排出量を、21年以降に増やさないようにすることが柱。航空会社に低燃費機やバイオ燃料の活用を促し、それでも総排出量が増えた場合、増加分を各航空会社に割り振り、排出削減を果たした他業界の企業などから削減分を買って相殺するよう求める。
年末で任期が切れる潘基文国連事務総長の後任として、国連安全保障理事会は、ポルトガル元首相のアントニオ・グテーレス前国連難民高等弁務官(67)=写真=を国連総会に勧告する決議を採択した。事務総長選には計10人が立候補。安保理は予備投票を計6回実施し、全てでグテーレス氏が首位だった。国連総会は13日、グテーレス氏を第9代事務総長に任命する決議を採択した。
(C)朝日新聞社
ノルウェーのノーベル委員会は今年のノーベル平和賞を南米コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領(65)に授与すると発表した。50年以上におよぶ内戦を終わらせるために戦闘ゲリラと話し合いを進め、合意にこぎ着けたことが評価された。
9月の和平合意は、平和賞の発表直前に行われた国民投票で、反対票がわずかに上回って否決された。授賞には、国民に対して和平に向けた努力を促すねらいがあるが、国民投票で合意が否決される中での平和賞授与に、インターネット上では賛否の声が上がった。
厚生労働省は、過労死の実態や防止策の実施状況などを報告する「過労死等防止対策白書」を初めてまとめた。2014年に施行された「過労死等防止対策推進法」が、過労死をとりまく状況の報告書を毎年つくるよう定めたことを受けて作成。15年度の状況をまとめた。
15年度に過労死で労災認定された人は96人、過労自殺(未遂を含む)による労災認定は93人。過労死による労災認定は02年度に160人にのぼったが、14年ぶりに100人を割った。ただ、過労死・過労自殺(同)をあわせた認定件数は近年、200件前後で高止まりしている。
ブラジル・リオデジャネイロで開かれたオリンピック(五輪)とパラリンピックの選手の合同パレードが東京都内で行われた。
出発式では、五輪のレスリング女子53㌔級銀メダルの吉田沙保里選手が「選手全員の感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつした。パレードは午前11時すぎに東京都中央区銀座をスタート。ゴールの日本橋まで、約2.5㌔を進んだ。体操男子団体と個人総合で金メダルを獲得した内村航平選手や、バドミントンで日本勢初の金メダルを女子ダブルスで獲得した高橋礼華選手、松友美佐紀選手ら、メダリスト96人のうち87人がパレードに参加した。沿道には多くのファンがつめかけた。
沖縄を訪問した菅義偉官房長官は、同県東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場の約半分に当たる4千㌶の年内返還をめざして、米国と交渉する意向を表明した。政府は、返還の条件となる東村高江周辺へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を年内に終える方針。その上で、訓練場の返還実現につなげるねらいだ。
熊本県の阿蘇山の中岳第1火口で爆発的な噴火が発生した。気象庁によると、中岳第1火口での爆発的噴火は36年ぶり。
気象庁は11日、この噴火について「マグマ水蒸気噴火」の可能性があることを明らかにした。マグマ水蒸気噴火の火山灰は粒子が比較的小さく、降灰が広範囲に及ぶことがある。気象庁によると、マグマ水蒸気噴火は主に地下水がマグマに接触して爆発を起こす。火山灰を分析すると、マグマから出たガラスの粒子が確認され、火口内に「湯だまり」が残っていた。
稲田朋美防衛相が、国連平和維持活動(PKO)で陸上自衛隊が派遣されている南スーダンの首都ジュバを訪問し、部隊の活動内容や現地の治安状況などを確認した。政府は、安全保障関連法で可能になった「駆けつけ警護」を新たな任務として与える場合、活動範囲をジュバ周辺に限定する方針を固めた。
スポーツ庁は、2015年度の体力・運動能力調査の結果を発表した。週3日以上運動をする子どもとしない子どもの運動能力の差が、年々開いていることがわかった。
特に、13歳女子の50㍍走の記録で差が開いている。15年度で、週3回以上運動をする子は8.56秒、しない子は9.17秒で、差は0.61秒だった。一方、15年前の00年度は、それぞれ8.79秒、9.17秒で、差は0.38秒だった。
調査は1964年から毎年実施。体力テストの内容を新しくした99年度から子どもの体力や運動能力は少しずつ上向いているが、85年ごろと比べると低い水準。
スポーツ庁の資料から
卓球の女子ワールドカップ(W杯)決勝が米ペンシルベニアで行われ、シングルスで16歳の平野美宇選手=写真=が日本選手として初優勝を果たした。16歳での優勝は史上最年少。
平野は前日の準々決勝で、リオデジャネイロ五輪団体銅メダルの伊藤美誠選手を破っていた。決勝では台湾の選手を相手に、4―0で勝った。
(C)朝日新聞社
11月8日投開票の米大統領選挙に向け、民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)と共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)の2回目となるテレビ討論会が、米ミズーリ州で行われた。
トランプ氏が11年前、女性について下品な発言をしたことが問題となっている。クリントン氏がこの件でトランプ氏を非難するなど、初回に続き、非難合戦となった。次の討論会は19日の予定。
ゴルフの日本女子オープンで史上初のアマチュア優勝を果たした17歳の畑岡奈紗選手(茨城・ルネサンス高3年)=写真=が、プロ転向を表明した。18歳で転向した宮里藍選手を抜き、女子では史上最年少ツアープロの誕生となった。
畑岡選手は「2年以内に米ツアーで優勝して、5年以内にメジャーで勝てるようになりたい」。
(C)朝日新聞社
サルのiPS細胞を使った心臓病の新しい治療法が開発された。信州大学の柴祐司准教授らのグループが英国の科学誌ネイチャーで発表した。
柴准教授らは、体外からの異物を追い出そうとする「免疫拒絶反応」が起きにくいカニクイザルの皮膚の細胞からiPS細胞を作り、心筋細胞にした。作った細胞を、心筋梗塞になったカニクイザルに移植したところ、病気がよくなった。ただ、脈の異常が増えたため、今後は副作用を抑える研究が必要となる。柴准教授は「数年ほどでヒトへも応用できる可能性がある」。
韓国のサムスン電子は、スマートフォンの最新機種「ギャラクシーノート7」(日本では未発売)の生産を取りやめ、今後は販売しないことを決めた。8月に韓国や米国などで発売したが、バッテリーの不具合による発火事故が相次いだ。9月に製品の回収・無償交換に乗り出したが、交換した製品でも発火が相次いでいた。
東京都内で大規模な停電が発生し、都心部を含む約58万6千戸が一時停電した。東京電力によると、埼玉県新座市の地下に設置された電力ケーブルで漏電し、火災が起きたのが原因とみられ、交通の乱れなどの影響が出た。警察が火災と停電との関連を調べている。
スウェーデン・アカデミーは、今年のノーベル文学賞を米国のミュージシャンで作詞家のボブ・ディラン氏(75)に授与すると発表した。授与理由を「偉大な米国の歌の伝統に新たな詩的表現を作り出した」とした。歌手の文学賞受賞は極めて異例。
日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です
国連事務総長
国際連合の主要機関の一つ、事務局のトップ。地域輪番制が慣習で、任期は5年。
国連憲章は、事務総長は安全保障理事会の勧告に基づき総会が任命すると規定。ただし勧告が総会で覆されたことはなく、事実上、安保理が事務総長を決める。
米軍北部訓練場
沖縄県の東村と国頭村にまたがる海兵隊の施設。広さ約7800㌶。1996年の日米特別行動委員会(SACO)で約半分の返還が決定。返還地内のヘリ着陸帯を高江周辺6カ所に移すことで2006年に合意し、国は07年に着工した。移転の完成予定は09年だったが、反対派の座り込みで進んでいなかった。
国連平和維持活動(PKO)
紛争が落ち着いた後の国づくりを手伝う国連の活動。各国が軍隊を派遣し、治安の回復や復興支援、選挙の監視などを行う。日本は平和憲法との関係から、自衛隊が戦争に巻き込まれないように①争っている勢力が戦いをやめると合意している②PKOと日本を受け入れることに同意している、などの5原則を定めている。
2011年7月スーダンから独立した南スーダンでは現在、計13カ国がPKOに参加。日本は12年から活動し、道路整備や避難民用トイレの設置などに従事している。
駆けつけ警護
離れた場所にいる国連や民間NGOの職員、他国軍の兵士らが武装集団などに襲われた場合に助けに向かう任務。昨年成立の安保法に盛り込まれた。政府は、現地の治安当局や国連PKOの部隊などからの情報を得て、自衛隊の部隊長の判断で実施を決めるとしている。駆けつけるのは、自衛隊が安全を確保して対応できる▽現地の治安当局や他国の部隊よりも速やかに対応できる――場合という。
iPS細胞
京都大学の山中伸弥教授らがつくった細胞。皮膚などの細胞に遺伝子を加え、心臓や神経など体のさまざまな細胞になる能力を持たせたもので、人工多能性幹細胞ともいう。
病気の心臓や肝臓の代わりの臓器を作る「再生医療」の実現に向け、研究が進められている。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。