朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

9月15日―9月23日

2016年9月25日付

・覚えておきたい言葉には色をつけ、下の「KEYWORD」で説明しています。

熊本地震関連ニュース

15日 熊本市で最後の避難所閉鎖

 熊本地震で大きな被害を受けた熊本市内の避難所が、すべて閉鎖された。本震発生から16日で5カ月を迎えた被災地は、応急仮設住宅などへの入居が進むが、行き先が見えない人も残る。
 熊本県内では本震翌日に最多の18万人以上が避難していたが、県によると、400人ほどに減った。
 熊本市内で最後の避難所となった市総合体育館には前日まで約50人が残っていた。最後の避難者が体育館を出た午後6時すぎ、避難所は「解消」された。
 県内では8市町村12カ所の避難所に400人以上の避難者がいる。

 段ボールで仕切られたスペースをほうきで掃く女性の写真
段ボールで間仕切りされていた体育館で、退去前にそれぞれが避難生活を送っていたスペースを掃除していた=15日、熊本市中央区
(C)朝日新聞社

16日 阿蘇登山道の通行止め解除

 熊本地震で一部が崩れ、通れなくなっていた熊本県市の阿蘇山上広場と阿蘇市くろかわを結ぶ県道阿蘇よし線の通行止めが、5カ月ぶりに解除された=写真。観光地のくさせんはまなかだけ火口を望む山上広場まで行けるようになり、地元の関係者は観光復興への大きな前進につながればと期待する。

 県道阿蘇吉田線を走るバイクや車の写真
(C)朝日新聞社

20日 震災がれき、熊本から川崎へ

 熊本地震で発生した熊本市のがれきの木くずが、1千㌔以上離れた川崎市の処理センターに鉄路を使ってコンテナで運ばれた。熊本市内のがれきが県外の自治体で処理されるのは初めて。
 熊本県全体では、通常の3~4年分に相当する195万㌧の災害廃棄物の発生が見込まれ、県は発生から2年以内の処理を目指す。

15日 「やんばる国立公園」誕生

希少生物すむ

 沖縄本島北部のやんばる地域が、「やんばる国立公園」として正式に指定された。新規の国立公園指定は2014年の沖縄県の諸島以来で、33カ所目。絶滅が危ぶまれる固有種ヤンバルテナガコガネが発見された1983年9月15日にちなんだ。公園には国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、ヤンバルクイナ=写真=やノグチゲラなど希少生物がすむ。

草の中に立つ、ヤンバルクイナの写真
(C)朝日新聞社

16日 辺野古埋め立て、国が勝訴

福岡高裁 県知事は上告へ

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)のへの移設計画をめぐり、埋め立ての承認を取り消した沖縄県のながたけ知事を国が訴えた訴訟で、福岡高等裁判所那覇支部は国の主張を認め、翁長知事が承認取り消しの撤回に応じないのは違法だとする判決を言い渡した。
 辺野古をめぐる国と県の一連の争いで、司法判断が示されたのは初めて。翁長知事は最高裁判所に上告する方針で、埋め立て工事は引き続き再開できない見通し。

沖縄県の地図。米軍普天間飛行場と、辺野古の位置が示されている

17日 豊洲市場の地下、報道陣に初公開

水質調査で微量の化学物質を検出

 東京都の築地市場(中央区)が移る予定のとよ市場(江東区)で、食品を扱う主要3棟の地下が報道陣に初公開された。都が土壌汚染対策として「盛り土をした」と説明してきた地下には空間があり、一面に水がたまっていた=写真。
 地下にたまっていた水について、都は17日、水質調査結果を発表。環境基準を下回る微量のヒ素と六価クロムが検出された。8年前に盛り土による対策を提言した都の「専門家会議」は、検出された数値は問題ないとし、ヒ素が検出されたことから「地下水の影響が出ている可能性がある」と指摘した。
 一方、都議会公明党は20日、水産卸売場棟の地下で採取した水から、環境基準では不検出であるべきシアン化合物が1リットルあたり0.1ミリグラム検出されたと公表した。

水がたまる、豊洲市場の地下の写真
(C)朝日新聞社

17日 ニューヨークで爆発、29人負傷

アフガン出身28歳の男を逮捕

 米ニューヨーク市マンハッタンで爆発があり、29人が負傷した。米警察当局は19日、アフガニスタン出身の米国人の男(28)をニュージャージー州で逮捕した。現場近くでは別の爆発物が見つかったほか、容疑者が住んでいた場所の近くでも爆発物が発見されており、容疑者はすべてに関係している可能性がある。
 現時点で国際テロ組織との関連を示す情報はないが、市当局は「意図的」な爆発事件との見方を示した。ニューヨークの国連本部では13日から国連総会が始まり、オバマ米大統領やしんぞう首相ら各国首脳が出席する19日を前にした事件に、緊張が高まった。

18日 リオ・パラリンピック閉幕

日本勢130人参加 メダル24個獲得

 南米初となるリオデジャネイロ・パラリンピックの閉会式があった。苦境や困難を乗り越えてきたアスリートによる12日間の大会が幕を閉じた。2020年の次回大会は、東京で開かれる。
 日本からは約130人の選手が参加。金メダルの目標は10個としていたが、1964年東京大会以降で初めてゼロとなった。ただ、メダルの総数では計24個(銀10個、銅14個)を獲得し、計16個(金5、銀5、銅6)だった前回ロンドン大会を上回った。

「TOKYO 2020」と書かれた旗を持つ、日本の選手たちの集合写真
閉会式を楽しむ日本の選手たち=18日、ブラジル・リオデジャネイロ
(C)朝日新聞社

19日 ニューヨーク宣言を採択

国連サミット

 米ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相は、難民・移民に関する国連サミットに出席し、今後3年間で28億㌦(約2800億円)規模の人道支援などを行うと表明した。サミットでは、難民らの受け入れや支援拡充策で、各国が責任や負担をより公平に分担するとした「ニューヨーク宣言」を全加盟国の同意で採択した。

19日 65歳以上が過去最多

総務省発表

 65歳以上の高齢者人口(15日現在)は推計で3461万人で、総人口に占める割合が27.3%にのぼった。前年から73万人、0.6ポイント増え、いずれも過去最高を記録した。女性の65歳以上の割合は初めて3割を超えた。総務省が19日の「敬老の日」に合わせて発表した。

19日 安保法成立1年、各地で抗議デモ

 安全保障関連法の成立から1年となったこの日、法に反対する市民団体などが各地で抗議デモを実施した。
 東京・国会前では、雨の中、約2万3千人(主催者発表)が集まった=写真。大阪や名古屋、長崎などでも集会があった。

国会前のデモの参加者たちの写真
(C)朝日新聞社

21日 もんじゅ廃炉へ 研究開発は続行

 政府は、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県つる市)について、年末までに廃炉を含め一から見直すことを決めた。1995年に事故を起こしたもんじゅには、約1兆円が使われたが、ほとんど運転していない。事実上、廃炉に向かうことになり、国のエネルギー政策は大きな節目を迎える。
 ただし高速炉の研究開発は続ける考えで、司令塔として「高速炉開発会議」を設置。もんじゅに代わってプルトニウムを利用する新たな高速炉開発の計画をまとめ、使用ずみ燃料を再利用する核燃料サイクルを推し進める。

福井県の地図。もんじゅの位置が示されている

17、18日 リオ・パラリンピック 日本人メダリスト

17日

陸上男子走り幅跳び(切断など)…やまもとあつし選手 銀
競泳男子200㍍個人メドレー(知的障がい)…なかじまけい選手 銅

18日

陸上女子マラソン(視覚障がい)…みちしたさと選手 銀
陸上男子マラソン(視覚障がい)…おかむらまさひろ選手 銅
車いすラグビー 銅

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

国立公園
 日本の景観を代表し、世界的にも誇れる自然の風景として、環境大臣が自然公園法に基づき指定し、国が管理する自然公園。米国などのように、土地すべてを公園専用として保護するのではなく、人が暮らしながら環境を守る方法をとっている。

上告
 第二審の判決に不服のある人が上級の裁判所に訴えること。第一審の判決に不服のある人が訴えることはこうという=右図参照。どちらも上級裁判所に訴える上訴の一つ。

国連総会
 国連の主要機関の一つ。すべての加盟国(現在193カ国)で構成され、各国は1票の投票権を持つ。毎年1回、9月に定期総会を開き、すべての国の代表が一般討論演説をする。国際的な平和と安全維持に関する勧告など重要な問題の決定は3分の2の多数で、その他の問題は多数決で採択する。

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