朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月1日―7月8日

2016年7月10日付

・覚えておきたい言葉には色をつけ、下の「KEYWORD」で説明しています。

1日  バングラデシュ首都ダッカでテロ

日本人7人含む20人犠牲に

 バングラデシュの首都ダッカで午後9時ごろ、レストランに武装した男たちが客を人質に立てこもり、日本人7人を含む20人が死亡した。主に外国人を狙ったテロとみられ、過激派組織「イスラム国」(IS)バングラデシュを名乗る組織が2日夜、インターネット上に犯行声明を出した。
 現場は大使館や高級ホテルなどが並び、治安が良い地区とされていた。犠牲になった日本人はいずれも国際協力機構(JICAジャイカの交通インフラ事業に携わっていた。

ダッカの地図
(C)朝日新聞社

1日  仙台空港が民営化

利用客増ねらう

 国が管理してきた仙台空港が民営化された。東急グループなどがつくった新会社「仙台国際空港」(宮城県とり市)が30年間の「運営権」を買い取った。海外からの格安航空会社(LCC)の誘致に力を入れ、利用客を増やす考えだ。
 国が滑走路を管理する空港で運営権を民間に売却したのは初めて。地方空港は赤字とみられるところが多く、国土交通省は高松空港などの民営化も検討している。

1日  中国地方、M6.8以上の確率50%

30年以内の活断層地震予測

 政府の地震調査研究推進本部は、中国地方の活断層を評価し、地域ごとに今後30年以内にマグニチュード(M)6.8以上の地震が起こる確率を公表した=図。鳥取市や松江市を含む北部で40%、広島市や山口市を含む西部で14~20%、岡山市を含む東部で2~3%だった。中国全域では50%となった。プレート境界型の地震は対象外となる。地域別の評価は九州、関東に続き3番目。

中国地方で大きな地震を起こす可能性のあつ活断層の地図
(C)朝日新聞社

1日  路線価が8年ぶり上昇

最高額は1平方㍍で3200万円

 国税庁は、2016年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国平均は前年を0.2%上回り、8年ぶりに上昇に転じた。金融緩和や外国人観光客の増加が影響している。全国最高額は、東京・銀座の文具店「きゅうきょどう」前で1平方㍍あたり3200万円。リーマン・ショック前の08年の3184万円を上回った。
 上げ幅は東京が2.9%でトップ。宮城が2.5%、福島が2.3%で続いた。東京はオフィス需要に加え、東京五輪・パラリンピックを控えてインフラ整備や再開発も進む。宮城、福島は、震災被災者の住宅再建に伴う需要が続いている。

3日  イラクでテロ、ISが犯行声明

イラク戦争後最悪の規模

 イラクの首都バグダッド中心部で、市民を狙ったとみられる爆破テロがあった。死者は4日までに少なくとも213人に上り、負傷者も200人を超えた。1度の爆発による死者では、イラク戦争後最悪の規模だ。過激派組織「イスラム国」(IS)が同日、敵視するイスラム教シーア派を狙ったとする犯行声明を出した。
 ラマダン(断食月)明けの休日を前に大勢の買い物客でにぎわう中、大量の爆弾を積んだとみられるトラックが爆発。レストランや小売店などに一気に炎が広がった。バグダッドでは5月以降、ISによる大規模な爆破テロが続き、治安悪化に歯止めがかからない。

3日  リオ五輪、日本選手団の結団式

吉田選手、4連覇へ抱負

 リオデジャネイロ五輪の日本選手団の結団式と壮行会が東京・代々木よよぎ体育館で行われた=写真は壮行会。会場の声援を受け、選手たちは決意を新たにした。
 夏季五輪初の女性主将を務めるレスリングのよし選手(33)はアテネ、北京ペキン、ロンドン大会の金メダリスト。「前人未到の4連覇を達成することで、日本のみなさんが明るくなったり、感動してくれたりしてくれたらうれしい」と抱負を語った。
 日本代表選手団のたかゆう総監督は、目標メダル数について「金14個、総数で30以上」とした。

日本選手団の結団式と壮行会の写真
市川博正撮影

3日  18歳選挙の初投開票

うきは市長選

 18、19歳が投票する全国初の選挙となった福岡県うきは市長選が投開票された。新たに選挙権を得た18、19歳は、それぞれに地域の将来を考え、候補者2人の公約を比べ、一票を投じた=写真。
 4日に発表された投票率は56.10%で、過去最低。18、19歳では38.38%だった。

18,19歳の投票の写真
(C)朝日新聞社

4日  九州新幹線 ほぼ復旧

観光の復興、後押し期待

 4月の熊本地震で被害を受けた九州新幹線が、ほぼ復旧した。JR九州が運行本数を地震前の水準に戻した。一部の速度制限は来春まで続くが、遅れは大幅に短縮した。
 新大阪と鹿児島中央を結ぶ「みずほ」「さくら」は、多くが熊本駅で折り返し運転をしていたが、こちらも通常体制に戻った。宿泊費やツアー代を割り引く国の補助制度「九州ふっこう割」と合わせ、九州観光には追い風となる。

熊本駅で乗客を迎えるくまモンらの写真
乗客を出迎えるくまモンら=4日、JR熊本駅
(C)朝日新聞社

4日  「ジュノー」、木星の観測開始

NASA探査機

 米航空宇宙局(NASA)が2011年に打ち上げた木星探査機ジュノーが、木星を回る軌道に入り、本格的な観測を始めた=イメージ図。探査機の木星周回軌道投入は、1995年のNASA探査機ガリレオ以来。
 今後1年8カ月で木星の周りを37周し、磁場の状態や大気中の成分などを調査する。木星の内部構造の詳細や太陽系誕生のなぞに迫る観測結果が期待される。

4日  東京五輪「ボランティア像」発表

組織委 8万人を想定

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、大会ボランティアに求める要件の素案を明らかにした。「外国語が話せる」「1日8時間、10日間以上できる」「採用面接や研修を受けられる」「20年4月1日時点で18歳以上」「競技の知識があるか、観戦経験がある」など。18年8月ごろ募集を始める予定だ。
 組織委が募集する大会ボランティアは8万人を想定し、観客誘導や警備など、原則的に会場内で活動する。宿泊や交通費は自己負担。

5日  「米軍属」の範囲狭める

日米で合意

 きしふみ外務大臣とケネディ駐日米大使は、日米地位協定で米側に優先的な裁判権を認めている軍属の範囲を4分類し、狭めることで合意した。
 沖縄県の女性を殺害したなどとして、米軍属の男が起訴された事件をきっかけに、反基地感情が高まっている。そのため、両国政府が対応する姿勢を示す狙いがある。ただ、日米地位協定そのものの改定には踏み込まない。

5日  阿蘇大橋、架け直しへ

数年後着工

 熊本地震による土砂崩れで崩落した大橋(熊本県南阿蘇村)について、国土交通省は、元の場所から600㍍ほど下流に架け直すことを決めた。全長600~700㍍で、これまでの橋の3倍以上になる。本格的に着工するまでには数年程度はかかる見込みだ。
 阿蘇大橋は南阿蘇地方と熊本市中心部を結び、交通量は1日約8千台だった。

阿蘇大橋の架け替え計画の地図
(C)朝日新聞社

5日  スッポン、絶滅危惧種に

 国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)の日本委員会は、絶滅のおそれのある動植物を記載した「レッドリスト」の最新版を発表した。日本などに生息するスッポンが、絶滅種として初めてリストに掲載された。今後、国際取引が規制される可能性はあるが、国内で卵から養殖する技術が確立しているため、食用には影響しない。
 今回は8万2845種を評価。うち2万3892種を絶滅危惧種と判断した。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

国際協力機構
(JICA)
 ODA(政府の途上国援助)を実施する機関の一つ。開発途上国に対して、技術や資金面で協力し、青年海外協力隊の派遣、海外移住者の指導・援助などを行う。

路線価
 道路に面する宅地1平方メートルあたりの土地の評価額。国税庁が公表し、相続税や贈与税の算定基準となる。

ラマダン(断食月)
 イスラム教徒が約1カ月間、日中は飲食を絶ち、神の恵みに感謝する。地域によって差があるが、今年は6月6日ごろから始まった。ラマダン中に善行を積むと、天国に行ける可能性が高まるとされる。あらゆる欲望を自制し、寛容になり、貧しい人に施すことなどが求められる。

日米地位協定
 日米安全保障条約に基づいて、在日米軍に施設や用地を提供する方法や、日本国内での米軍人の権利などについて定めた協定。

レッドリスト
 絶滅するおそれのある野生生物の種の一覧表。生物学的観点から絶滅の危険度を評価し、分類して記載している。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストをもとに、各国で独自のリストが作られている。日本では環境省などが作成している。

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