朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月15日―4月22日

2016年4月24日付

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15日 G20閉幕 課税逃れ対策の強化へ

「パナマ文書」流出うけ

 主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が、共同声明を採択し閉会した。タックスヘイブン(租税回避地)を使った課税逃れ対策で、国際的な情報交換の仕組みについて「すべての関係国に遅延なく取り組むよう求める」とした。一定の水準を満たさない国には対抗措置を取る方針も示した。
 各国首脳らとタックスヘイブンの関係を暴いた「パナマ文書」が流出し、税の透明性や公平性が揺らいでいることを踏まえて、国際的な枠組みを強化する。
 声明では、銀行口座などの情報を交換し合う枠組みに参加するすべての国が、2017年のG20首脳会合までに一定の導入水準を満たすよう求めた。しんちょくがみられない場合は、G20のメンバー国による「防御的措置が検討される」と踏み込んだ。税制上の何らかの制裁措置を想定しているとみられる。

16日 エクアドルでM7.8の地震

首都キトでも停電・断水

 南米エクアドルで、沿岸部を震源とするマグニチュード(M)7.8の地震があった。
 少なくとも500人以上が死亡。がれきの下に埋もれている住民も多数いるとみられ、被害は拡大する可能性がある。
 最大都市グアヤキルを含め、沿岸部に近い都市を中心に大きな被害が出ており、橋が崩れたり、ショッピングセンターの天井が落ちたりした。管制塔が被害を受けて閉鎖された空港があるほか、首都のキトでも停電や断水が起きているという。

エクアドル地震震源の地図
(C)朝日新聞社

17日 北陸などで強風被害

転倒で死傷者も

 発達した低気圧の影響で、各地で強風が吹き荒れた。金沢市では最大瞬間風速37.5メートルを記録し、東京都内でも八王子市で26.6メートルを観測。石川県、富山県では風で転倒して男性2人が亡くなったほか、各地でけが人が出た。
 都内ではビル工事の足場が倒れる被害が続いた。市のけいおうせいせきさくらおか駅前で解体工事中の9階建てビルをおおう足場やパネル(縦40センチ、横180センチ)数十枚が強風で落下=写真。けが人はいなかった。だち区でも建設中の7階建てのビルの足場が高さ約30メートル、幅約50メートルにわたって崩れた。
 成田空港では着陸をやり直したり目的地を変更したりする航空機が相次いだ。

強風でパネルが落下した多摩市のビルの写真
(C)朝日新聞社

17日 伊勢志摩サミットの会場公開

 5月26、27日に三重県市で開かれる主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の主会場・志摩観光ホテルが、サミット開幕を前に改装を終えた会議室やレストランなどを報道陣に公開した。
 サミットで中核施設となる「クラシック棟」の最大の宴会場「真珠の間」(555平方メートル)には、真珠を表す円形模様のじゅうたんが敷かれた=写真。メインのレストランには個室を設け、和室は全て洋室に変えた。
 首脳らが宿泊予定の「ベイスイート棟」は今月27日までの営業後に休館し、サミット閉幕後の6月7日、クラシック棟とともに一般向けの営業を再開する。

真珠の間の写真

三重県志摩市の地図
(C)朝日新聞社

19日 苦手分野から27% 全国学力調査

中3、小6 熊本の全公立校は中止

 小学6年生と中学3年生を対象にした文部科学省の「全国学力調査」が、全国の小中学校で行われた。地震の影響で熊本県の全公立527校が実施を見送り、2011年の東日本大震災以来の大規模な中止となった。
 文科省によると、全国約3万校の218万7千人の受検を予定していたが、熊本県のほか、宮崎県や大分県でも、問題冊子が届かなかったり、被災で休校したりして実施できなかった学校があったという。少なくとも3万3千人以上が受けられなかったことになる。
 問題は国語と算数・数学の2教科で、知識を問うA問題と、応用力をみるB問題に分かれる。バスの定員と乗車人数を百分率で表す(小6算数A)や、資料集のおくづけを読んでその特徴を選ぶ(中3国語A)など、過去の調査でわかった苦手分野からの出題が、全体の27%を占めたという。

20日 40年超の原発再稼働、初の許可

高浜1、2号機 規制委審査

 原子力規制委員会は、運転開始から40年を超えた関西電力たかはま原発1、2号機(福井県)が新規制基準を満たすと認める審査書を正式決定し、安全対策の基本方針についての関電の申請を許可した。新基準での許可は4例目だが、40年を超えた老朽原発では初めて。原子炉の劣化状況などの審査も進んでおり、今年7月の期限までに運転延長が認められる公算が大きくなった。
 東京電力福島第一原発事故後の法改正で、原発の運転期間は原則40年と定められた。これがけいがい化し、「極めて例外的」とされていた60年までの運転延長が相次ぐ可能性がある。
 ただ、延長が認められても耐震対策工事などに数年かかると関電はみており、再稼働の時期は2019年秋以降になる見通しだ。

高浜原発再稼働への流れ

高浜原発の地図
(C)朝日新聞社

20日 三菱自動車 燃費データ不正62万台

 三菱自動車は、軽自動車の4車種で、燃費を実際よりもよく見せるために、燃費試験のデータを不正に操作していたと発表した。不正の対象台数は62万5千台。4車種以外でも、国が定める方法と異なるやり方でデータを測定していたことも明らかになった。
 同社は、過去にも自動車の欠陥を隠すなどの不正があった。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

パナマ文書
 タックスヘイブン(租税回避地)の会社の設立などを手がける中米パナマの法律事務所から流出した内部文書。1977年から2015年にかけて作られた1150万点の電子メールや文書類。10カ国の現旧指導者12人らの関係情報も含まれる。

伊勢志摩サミット
 5月26、27日に三重県志摩市で開かれる会議で、日本、フランス、米国、英国、ドイツ、イタリア、カナダの7カ国の首脳が集まる。会場は湾のかしこじま。世界経済や安全保障など国際問題を話し合う。日本でのサミット開催は2008年の北海道・とうに続き6回目。

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