朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

12月25日―1月8日

2016年1月10日付

6日 北朝鮮が核実験 「水爆実験に初成功」と発表

 北朝鮮は「6日午前10時(日本時間午前10時30分)、朝鮮で初の水素爆弾実験を成功させた」と発表した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮による核実験は2013年2月以来、4回目。北朝鮮の核実験により、朝鮮半島での緊張が高まるのは避けられない情勢だ。
 国連安全保障理事会は6日、緊急会合を開催。北朝鮮による核実験を強く非難するとともに、制裁強化に向けた協議を直ちに始めることを全会一致で決めた。
 北朝鮮のキムジョンウン第1書記が率いる政権は、経済改革と核開発を同時に進める「へいしん路線」を続けている。朝鮮中央テレビは今回の実験について、米国など敵対勢力から国を守るための「自衛的措置だ」と主張。米国が敵視政策をやめない限り、「核放棄は絶対にあり得ない」と宣言した。
 北朝鮮は過去、06年10月、09年5月、13年2月の計3度にわたり核実験を実施。09年の実験の際は「小型化、軽量化した原子爆弾を使った」と説明したが、韓国軍や情報当局は今回、水爆実験としては規模が小さすぎ、実験が失敗したか、水爆を使っていない可能性が高いとみている。ただ、核融合技術を一部使って爆発力を飛躍的に高めた「ブースト型核分裂爆弾」(強化原爆)を使った可能性は残されている。
 北朝鮮は現在、ウラン型とプルトニウム型の核爆弾十数個を保有しているとみられる。ヘッカー米スタンフォード大学教授によれば、20年までに計50個の核爆弾を保有する可能性もあるという。
 中国外務省当局者は6日の記者会見で、北朝鮮から「事前に何も知らされていない」と述べ、事前通報はなかったことを明かした。過去3回の核実験では、実験前に中国に通報していたとされる。通報しなかったのは、冷え込んだ中朝関係が背景にあるとみられる。中国政府は金正恩政権に不満を抱えており、今後、日米韓などとともに厳しい対応に乗り出せば、北朝鮮がいっそう国際社会から孤立する可能性がある。

水爆実験が行われたとみられる場所の地図
(C)朝日新聞社

調査飛行を終えた練習機の写真
放射性物質が付着している可能性がある大気中のちりを集める装置を取り付けたT4練習機。調査飛行を終えた練習機の周辺には防護服姿の隊員も見られた=6日午後、福岡県築上町の航空自衛隊築城基地
(C)朝日新聞社

25日 沖縄県、国を提訴 辺野古移設問題で

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)の同県への移設計画をめぐり、県は国を相手取った「こうこく訴訟」を那覇地裁に起こした。ながたけ知事による辺野古埋め立て承認取り消しの効力を止めた国の決定を取り消すよう求める内容。翁長知事は「あらゆる手法を尽くして基地は造らせない。可能性のあるものは全部やっていく」と語った。
 国はすでに承認取り消しの撤回を求めてだいしっこう訴訟を起こしており、国と県が双方を訴え合う異例の事態となった。

28日 慰安婦問題で日韓合意 日本10億円拠出

 日韓両政府はソウルで外相会談を開き、あん問題を決着させることで合意した=写真。
 慰安婦は、戦争中に軍人らの性の相手をさせられた女性のこと。日本政府が軍の関与や政府の責任を認め、元慰安婦支援で韓国政府が新たに設立する財団に日本から10億円を拠出すると表明。日韓双方が、この枠組みを「最終的かつぎゃくてき解決」とすることを確認した。
 日韓関係の最大の懸案の一つだった慰安婦問題は、しんぞう首相とパク槿大統領の政治決断により国交正常化50年の節目に決着を迎えた。両国関係は今後、改善に向けて大きく進む可能性がある。

日韓の両外相が握手する写真
(C)朝日新聞社

31日 新元素113番 発見した日本に命名権 

 理化学研究所は、グループディレクターで九州大学のもりこうすけ教授のチームが人工合成した新元素が、国際純正・応用化学連合に原子番号113番の元素として認定され、名前をつける権利を与えられたと発表した。
 元素は、あらゆる物質を構成する「もと」で、化学的に分けたときにそれ以上分解できない物質。新元素は、埼玉県こう市の研究施設にある加速器で、原子番号83番のビスマスに30番のえんりゅうを当ててかくゆうごうさせる方法で合成した。日本の研究チームが発見した元素がしゅうひょうに載るのは初めて。

元素の周期表
(C)朝日新聞社

1日

 サッカーの天皇杯全日本選手権第95回大会で、ガンバ大阪が浦和レッズを破り、2大会連続5度目の優勝を決めた。

3日 青学大、39年ぶり完全V 箱根駅伝

 第92回はこ駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)で、青山学院大学が2年連続2度目の総合優勝を飾った=写真。往路の1区から一度もトップを譲らず、1977年の日本体育大学以来39年ぶり12度目の完全優勝。
 2位は東洋大学、3位は駒沢大学。上位10校が来年のシード権(出場権)を獲得した。

ゴールテープをきる青学の選手の写真
(C)朝日新聞社

3日 サウジ、イランとの国交断絶 宗派対立で

 サウジアラビアのジュベイル外相は、イランとの外交関係を断絶すると表明した。サウジはイスラム教シーア派の指導者に対する死刑執行を2日に発表。これにシーア派の大国イランが反発し、在テヘランのサウジ大使館が襲撃を受けるなど事態が緊迫していた。
 4日にはバーレーンとスーダンもイランとの断交を宣言。アラブ首長国連邦(UAE)も駐イラン大使のしょうかんなど、「外交関係の格下げ」を表明した。
【スンニ派とシーア派】
世界に約16億人いるイスラム教徒は、約9割のスンニ派と1割程度のシーア派などに分かれる。預言者ムハンマドの後継者をめぐって違いが生まれた。ムハンマドのいとこで4代目カリフ(指導者)であるアリーの血統を正統とみなすシーア派に対し、スンニ派は信者の話し合いでカリフを選ぶべきだとする。

サウジアラビアとイランのイスラム教徒の内訳図
(C)朝日新聞社

4日

 第190通常国会召集。会期は6月1日までの150日間。今夏の参院選に向け、軽減税率や安全保障関連法などが論点に。

4日

 警察庁の発表によると、昨年の交通事故による死者は4117人で、前年より4人(0.1%)増え、15年ぶりに増加。

5日 オバマ米大統領、銃規制強化を発表

 オバマ米大統領は、大統領令による新たな銃規制強化策を発表した。
 強化策は、現状の法規制の枠組みの中で、大統領令を発令して、すべての販売業者に免許取得を義務付けたり、殺傷力の強い銃の購入者の犯罪歴の確認などを徹底させたりする。大統領は、銃乱射事件で犠牲になった子どもたちに触れ、涙を流しながら銃規制の強化を訴えた。

 

 

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

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