朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

8月28日―9月4日

2015年9月6日付

1日 東京五輪・パラリンピック エンブレム取り下げ 再公募へ

 デザイナーのけんろう氏(43)が制作した2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム=写真上=について、大会組織委員会は、使用を中止して取り下げることを決めた。この問題では、エンブレムが盗作ではないかとする声や、無断転用した画像で使用イメージ図を作製したのではないかとの指摘が相次いでいた。
 佐野氏は1日夜、コメントを発表し、「ほうや盗作は断じてない」と改めて盗作を否定したが、「エンブレムのデザイン以外の私の仕事にぎわがあった」と認めた。「批判やバッシングから、家族やスタッフを守る」ためにも、取り下げを申し出たという。
 大会組織委員会のとうとしろう事務総長は会見で、「組織委も盗作とは考えていないが、今や一般国民の理解を得られなくなった」と使用中止を決めた理由を述べた。「国民に広く愛されるエンブレムを作りたい」として、新しいエンブレムを公募して選ぶ方針だ。

佐野研二郎氏が制作した2020年東京五輪のエンブレムの画像

佐野研二郎氏が作成した2020年パラリンピックのエンブレムの画像

エンブレムを撤去する様子の写真
成田空港のロビーの壁からはがされる五輪エンブレム=2日
(C)朝日新聞社

【取り下げまでの経緯】

2014年11月
 104点の応募作品から審査委員会が佐野研二郎氏の作品を選ぶ
15年7月24日
 東京都庁でエンブレムが公表される。その後、ベルギーの劇場ロゴを制作した同国のデザイン会社が「似ている」と指摘
8月3日
 ベルギーのデザイナー側がエンブレムの使用差し止めを求める文書を日本オリンピック委員会(JOC)に送ったことが判明
5日
 佐野氏が会見し「盗用との指摘はまったくの事実無根」と作品の独自性を強調
14日
 ベルギーのデザイナーの代理人が国際オリンピック委員会(IOC)に対し、使用の差し止めを求める訴訟を裁判所に起こしたと発表
28日
 大会組織委員会が会見し、応募された「原案」などを公表。その後、佐野氏の「原案」デザインが、2年前に東京で開かれた展覧会のポスターに似ているとネット上で話題に
31日
 佐野氏が街頭でのエンブレムの使用イメージとして提案した画像2点が、他人のサイトから無断で転用された可能性があり、大会組織委が調査を始めたことが明らかに
9月1日
 組織委がエンブレムの取り下げを発表

29日

 8月17日にバンコクで起きた爆破テロ事件で、外国人の男を爆発物所持容疑で逮捕。9月1日に別の男も逮捕された。

30日 世界陸上閉幕 競歩・谷井選手が銅

 中国・キンで8月22日から開かれていた陸上の第15回世界選手権が閉幕した。日本勢は男子50キロ競歩で3位に入ったたにたかゆき選手(32、航空自衛隊〈自衛隊体育学校〉)=写真=が唯一のメダリストだった。目標の「メダル2、入賞6」を下回り「メダル1、入賞2」にとどまった。
 ジャマイカのウサイン・ボルト選手(29)は男子100メートル、200メートルと400メートルリレーを制し、2大会連続で3冠。大会通算最多11個目の金メダルを手にした。

谷井孝行選手の写真
(C)朝日新聞社

30日 安保法案反対、最大デモ 国会周辺

 参議院で話し合われている安全保障関連法案に反対する人々の抗議行動(デモ)が、東京・永田町の国会議事堂前や周辺であった=写真。平和運動を続けてきた市民団体などが主催した。主催者発表で参加者は12万人といい、安保法案をめぐる抗議行動では最大規模となった。抗議やデモは北海道、名古屋、大阪、福岡、沖縄など全国で行われ、主催者の集計によれば、少なくとも全国約350カ所に及んだ。
 一方、安保法案に賛成する市民らも29日、東京・新宿や大阪市、福岡市などでデモをした。

国会議事堂前の群集の写真
(C)朝日新聞社

30日 団体戦、男女ともに日本が金 世界柔道

 柔道の世界選手権最終日、1チーム5人の体重別で行われる団体戦で、日本は男女ともに金メダルを獲得した。女子は全4試合を1人も負けずに勝ち、2013年大会以来の優勝。男子は2連覇を達成した=写真。
 日本勢は個人、団体を合わせて金8、銀4、銅5個のメダルを獲得した。

金メダルを手にした男子団体の選手たちの写真
(C)朝日新聞社

31日 マッキンリー改め「デナリ」 北米最高峰

 米政府は、アラスカ州にある北米大陸最高峰のマッキンリー(6168メートル)=写真=をアラスカ先住民の呼び方「デナリ」に改称した。オバマ大統領が同州で正式発表した。「偉大なもの」を意味する。
 マッキンリーは1897年に就任した大統領ウィリアム・マッキンリー氏にちなむ。しかし、先住民はデナリと呼んでおり、同州政府は1975年から、デナリを公式に使うよう連邦政府に要求してきた。
 マッキンリーでは、世界的な冒険家だったうえむらなおさんが84年2月、43歳の時に消息を絶っている。

マッキンリー改めデナリの写真
(C)朝日新聞社

31日 東芝、決算発表を再延期 不正再延期とい会計うけ

 電機メーカーの東芝は、この日に予定していた2015年3月期の決算発表を、9月7日に再び延期すると発表した。もともと5月の予定だった。国内外の子会社で新たに不正な会計処理とみられる事例が約10件見つかり、決算のとりまとめに時間がかかったという。
 東芝は7年間で合計1500億円以上も利益を水増しした決算を発表していた。歴代社長や取締役が辞任し、新社長の下で再出発しようとしているが、決算発表のう異例の事態となった。

2日 国立大の推薦・AO入試増加

 文部科学省は、来春までに行われる国立大学入試の概要を発表。国立大全体では9万5760人を募集。前年度から376人減る。
 推薦入試は国立大86校のうち77校が実施。東京大と京都大が新たに導入し、募集人員は計1万1951人で前年度に比べ81人増える。面接や小論文などによるAO入試は50校(前年度比3校増)で計2952人(同130人増)。宇都宮大、京都大、宮崎大が新たに始める。
 一方、公立大84校の募集人員は計2万8993人で、前年度から104人増えた。うち推薦入試は82校の計7175人、AO入試は25校の計577人となる。

3日

 個人情報保護法とマイナンバー法の改正法が成立した。行政や企業は個人情報をより効率的に使えるようになるが、個人にとっては不正利用された場合の影響などが心配される。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

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