朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

6月24日―7月1日

2021年7月4日付

「香港国家安全維持法」施行から1年

 中国への反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が施行されてから、6月30日で1年となった。
 香港は1997年に英国から中国へ返還された後も、中国本土とは違う社会や経済の仕組みが認められてきた。一つの国に二つの制度があり「一国二制度」と呼ばれてきたが、国安法により中国の体制批判を許さない社会となり、多数の民主派議員や活動家らが同法違反容疑で逮捕・起訴されている。
 香港の昨年末時点の人口は、前年より0.6%少ない747万人で、1961年に統計を取り始めてから最大の落ち込みとなった。コロナ禍かによる流入の減少に加え、国安法の施行で外国への移民が増えたことも背景にあるようだ。
 中国政府に批判的な香港紙「リンゴ日報」は国安法による徹底的な弾圧を受け、経営を維持できなくなった。6月24日付朝刊を最後に新聞発行を終えた。民主派支持を鮮明にしてきたメディアが創刊から26年で幕を下ろした。
香港国家安全維持法
 香港で中国政府に反対する人を取り締まる法律。香港では2019年、犯罪容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正反対の大規模な抗議活動が起きた。危機感を覚えた中国政府が国安法の施行を主導した。

東京五輪 陸上の代表が続々内定

 陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた第105回日本選手権大会が、大阪・ヤンマースタジアム長なが居いで6月24日から27日まで行われた。
 男子100㍍決勝では、多田修平選手が10秒15で初優勝した。9秒95の日本記録を持つ山県亮太選手が3位に入り、どちらも五輪参加標準記録を超えているため、東京五輪代表に内定した。
 女子1500㍍では田中希実選手が4分8秒39で連覇を達成。五輪への出場に前進した。この種目で出場すると日本女子選手で初となる。
 男子3000㍍障害で、三浦龍司選手が自身の持つ日本記録を更新する8分15秒99で初優勝。男子110㍍障害の泉谷駿介選手も日本新記録の13秒06で初優勝を果たし、ともに五輪代表の切符をつかんだ。
●選手団の主将・副主将決まる
 日本オリンピック委員会(JOC)は7月1日、東京五輪日本選手団の主将に陸上の山県選手、副主将に卓球女子の石川佳純選手を起用すると発表した。

24日 米フロリダでコンドミニアム崩落

 米フロリダ州マイアミ近郊で、12階建てのコンドミニアムの一部が崩落する事故が起きた。地元当局によると、コンドミニアムの計136戸のうち約55戸が倒壊したとみられる。26日の時点で5人の死亡が確認された。

24日 認知症の行方不明者が過去最多

 警察に昨年届け出があった認知症の行方不明者は1万7565人(前年比86人増)で、統計を取り始めた2012年以降、8年連続で前年を上回った。警察庁が発表した。昨年より前の届け出も含め、遺体で見つかった人も過去最多の527人だった。認知症で行方不明になった人は12年の1.8倍に上り、高齢になるほど多い。警察庁によると、80歳以上(9619人)と70代(6866人)で全体の94%を占めた。都道府県別では大阪の1990人が最多だった。

25日 日本の総人口、5年で86万人減

 総務省が公表した2020年国勢調査の速報値で、日本の総人口は1億2622万7千人と、前回15年調査から86万8千人(0.7%)減った。1920年の調査開始以来初だった前回に続いての減少となった。
 調査は昨年10月に実施。首都圏を中心に人口が増える一方で、地方の人口は減少するという二極化がさらに強まった。人口の最多は東京都の1406万5千人で、初めて1400万人を超えた。最少は鳥取県の55万4千人。

26日 トランプ前大統領が再始動

 トランプ前米大統領は、オハイオ州で支持者を前にした大規模な政治集会を開いた。自らの集会を開くのは退任後初めてで、今後も各地で開く予定だ。2022年秋の上下両院議員を選ぶ中間選挙に向け、影響力を保つために政治活動を本格的に再開させた。
 一方で、トランプ氏一族のビジネスの中核組織をめぐる脱税疑惑が浮上。トランプ氏にとって大きな打撃になる可能性がある。
中間選挙
 米国で4年に一度、大統領選挙の合間の年に行われ、上院・下院の議員や州知事などが一挙に選ばれる。その時の政権への信任を問う機会にもなる。

28日 児童の列に車、2人死亡 飲酒運転

 千葉県八や街ちまた市で、走行中のトラックが徒歩で下校中の児童の列に突っ込んだ。市立朝ちょう陽よう小学校の男女5人が事故に巻き込まれ、うち男児2人の死亡が確認された。千葉県警察はトラックの運転手(60)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で逮捕した。運転手の呼気からは基準値を上回るアルコールが検出されたという。
 現場は幅6.9㍍の見通しの良い直線道路で、大型車だと、すれちがうゆとりはない。歩道やガードレールはなかった。

28日 熊本城天守閣の内部公開始まる

 2016年の熊本地震で瓦や石垣が崩れるなどし、今春に復旧工事を終えた熊本城の天守閣で、内部の公開が始まった。当初は4月に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期していた。
 熊本市は「復興のシンボル」として天守閣の早期復旧をめざし、3月末に完了した。

28日 スパコン富岳、4部門で3連覇

 日本のスーパーコンピューター「富岳」が、計算速度ランキング「TOP500」で、昨年6、11月に続き世界一になった。計算速度は1秒間に44.2京けい回で、2位の米国製スパコンの約3倍。ビッグデータ解析やソフトを実際に動かした速度など4部門で3連覇した。
 理化学研究所と富士通が開発した富岳は今春に本格稼働を始め、昨年6月に9年ぶりに世界一を奪還した。富岳は新型コロナウイルス対策にも利用されている。

29日 初の「顕著な大雨情報」を発表

 沖縄本島地方に短時間で集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生した。梅雨前線に暖かくしめった空気が流れ込んだ影響による。気象庁は運用を開始してから初めて「顕著な大雨に関する情報」を発表した。
 線状降水帯は、積乱雲が次々と発生し、帯状に並んで雨を降らせ続ける現象。顕著な大雨に関する情報は、この線状降水帯の発生を伝えるため、17日に運用が始まった。
 気象庁は7月1日、伊い豆ず諸島北部でも「顕著な大雨に関する情報」を発表した。

30日 三菱電機、空調性能の検査偽装

 三菱電機が、鉄道車両用の空調設備を出荷する際、架空のデータを用いて検査を適正に実施したかのように装っていたことがわかった。こうした行為は30年以上続いていた疑いがある。三菱電機は不適切な検査が行われていたことを認め、「安全性に問題はない」としている。
 問題は6月に社内で発覚し、製品の出荷を停止した。同社は鉄道の空調分野で国内シェアがトップクラスで、海外展開もしている。納入先は全国のJRや私鉄、地下鉄にも及び、製品は新幹線でも使われている。

1日 中国共産党が100周年式典

 中国共産党の結党100周年を記念した式典が、北ペ京キン市の天てん安あん門もん広場であった。式典では習シー近チン平ピン国家主席が演説を行い、歴代指導部の目標だった「小しょう康こう社会(ややゆとりのある社会)」を全面的に実現したと宣言した。
 同党は1921年7月に上海で結党された。毛マオ沢ツォー東トンが49年に中国建国を宣言。2010年には国内総生産(GDP)で世界第2位の経済大国となった。12年に党トップの総書記に就任した習氏は、権力の一極集中を進めている。

1日 国の20年度税収、過去最高

 国の2020年度の一般会計の税収が、過去最高の60兆8千億円程度となる見通しになった。これまでの税収の最高額は18年度の60兆3564億円で、2年ぶりの更新となる。
 コロナ禍かでも、「巣ごもり需要」で好調だったゲームや家電、IT関連の企業などが納める法人税が伸びた。また、19年秋に消費税の税率が10%に上がり、増税分が初めて通年で入ってきたことも関わっているとみられる。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る