朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月1日―7月8日

2021年7月11日付

熱海で土石流発生 

 活発な梅雨前線による大雨で3日、静岡県あた市で土石流が発生し、山の斜面の住宅街が巻き込まれた。8日時点で9人の死亡が確認され、22人の安否が不明。警察や消防、自衛隊が捜索を続けている。
 県によると、土石流はさん地区を流れるあいぞめがわを流れ下り、相模さがみ湾に達した。建物の被害は少なくとも130棟に上るという。
 東海や関東の太平洋側では6月末から雨が降り続き、現場に近い熱海市じろの観測地点では、土石流の発生直前の3日午前10時までの48時間雨量が、平年の7月の総雨量を超えていた。ただ、1時間に30㍉以上の「激しい雨」は観測されず、市は避難指示を出していなかった。
 土石流が発生したのは火山灰などが積み重なった場所で、周辺は土砂災害警戒区域に指定されていた。土石流の最上流付近には「開発行為」によるがあった。県は7日、業者が届け出た量を超える盛り土が行われた可能性があることを明らかにした。政府は全国の盛り土を総点検する考えを示している。
土砂災害警戒区域
 土砂災害が発生した場合、住民に危害が生じる恐れがある土地の区域。このうち、建築物が損壊して住民に著しい危害が生ずる恐れのある区域は「土砂災害特別警戒区域」に指定され、開発などが制限される。

東京、4度目の緊急事態宣言

 新型コロナウイルスの感染が広がっている東京都に、特別措置法に基づく4度目の緊急事態宣言が出ることになった。8日、専門家による会議で了承されたのを受けて政府が決めた。期間は12日から8月22日まで。
 沖縄県の緊急事態宣言も延長するほか、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県への「まん延防止等重点措置」も8月22日まで延長する。北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県への重点措置は、7月11日で解除する。
●五輪は1都3県無観客で開催
 8日夜、東京五輪の観客の扱いについて、政府や東京都、国際オリンピック委員会(IOC)など5者の代表者が議論する会議が開かれ、都内の会場は無観客と決まった。IOCのバッハ会長もこの日来日し、オンラインで会議に加わった。続いて、関係自治体との協議会で、神奈川、千葉、埼玉の3県の会場での無観客も決まった。

東京都議選 自公、過半数届かず

 東京都議会議員選挙が4日に投開票された。自民党の当選が33人と最多で第1党となったが、選挙協力した公明党と合わせても目標の過半数には届かなかった。東京五輪の観客問題などで、政権への批判の高まりが影響したとみられる。
 都民ファーストの会は、自民党に次ぐ31人の当選にとどまった。このうち1人が選挙期間中に無免許運転をして事故を起こしていた疑いがあることがわかり、都民ファーストの会は5日、この議員を除名処分にした。
 投票率は42.39%で、過去2番目の低さだった。※議席数は開票時点

1日 路線価の全国平均、6年ぶり下落

 国税庁が2021年分の路線価(1月1日時点)を発表。全国平均は前年比0.5%減と、6年ぶりに下がった。新型コロナウイルスの感染拡大で都市部のオフィスなどの需要が減ったことや、日本を訪れる外国人の減少が要因とみられる。都道府県別では39都府県で下がり、上がったのは7道県にとどまった。
路線価
 主要な道路に面した1平方㍍あたりの土地の評価額。相続税やぞう税を計算する基準となる。

3日 藤井棋聖、最年少防衛で九段に

 将棋のふじそうせい(18、王位と合わせ二冠)が棋聖戦でわたなべあきら名人(37)の挑戦を退けてタイトル初防衛を果たした。18歳11カ月での防衛は史上最年少。タイトル獲得が通算3期となり、最年少で最高位の九段に昇段。4日の記者会見で「防衛に満足することなく、前を向いていきたい」と語った。

4日 やまゆり園の新園舎が完成

 神奈川県さがはら市の障がい者施設「やまゆり園」で利用者ら45人が殺傷された事件から5年を前に、新しい園舎が完成し、開所式が行われた。
 事件をきっかけに神奈川県は施設の大部分の建て替えを決定。事件では窓ガラスが進入経路になったため、防犯ガラスに変えたり防犯カメラを増やしたりと、安全対策をした。当時、園にいた利用者のうち44人が入居する。

5日 GW「子どもの居場所」2割止まり

 今年のゴールデンウィークは「子どもの居場所」活動が全体の2割ほどしかできなかったことが、政府の調査でわかった。地域の子どもに無料や安い値段で食事を出す「子ども食堂」などの活動。新型コロナウイルスの感染対策で公民館が使えないことなどが影響したとみられる。
 調査したのは約7千カ所。このうち4月29日~5月9日の連休中に活動したのは1575カ所だった。政府は、夏休みに向けて子ども支援の取り組みを強化するため、対応を考える。

6日 西日本豪雨3年、千人超まだ仮設

 東海から九州までの14府県で300人以上が亡くなった2018年の西日本豪雨から3年。影響が大きかった広島、岡山、愛媛の3県では、今も1千人以上が仮設住宅で暮らしている。各地で犠牲者をしのぶついとう式があった。
 西日本豪雨では11府県に「大雨特別警報」が発表され、各地で川のはんらんや土砂崩れが起きた。
大雨特別警報
 数十年に一度の大雨の恐れがある時に気象庁が発表する。すでに災害が起きている可能性が高く、すぐに命を守る行動が必要な状況。

6日 福島第二原発 廃炉作業を公開

 東京電力の福島第二原子力発電所(福島県とみおか町となら町)で、廃炉作業の様子が初めて報道陣に公開された。
 6月23日に始まった廃炉作業は44年かかり、2064年度の完了を目指している。30年度までの第1段階は施設の除染などが中心で、準備期間の位置づけ。大量にある使用済み核燃料や放射能を帯びた廃棄物の処分先は決まっておらず、廃炉作業は難航が予想される。

7日 西武・松坂投手が今季で引退

 「平成の怪物」と呼ばれたプロ野球・西武ライオンズのまつざかだいすけ投手(40)が今シーズン限りで現役を引退すると、球団が発表した。
 松坂投手は1998年に神奈川・横浜高校で甲子園春夏連覇を達成。99年に西武に入団し、1年目から3年連続で最多勝のタイトルを獲得。米大リーグのレッドソックスに移籍して1年目の2007年には、ワールドシリーズで日本人初勝利を挙げて優勝に貢献した。
 15年から国内に復帰。昨年7月に首の手術を受け、リハビリを続けていた。日米23年間のプロ生活で通算170勝。

7日 大谷選手が「松井超え」の32号

 米大リーグ・エンゼルスのおおたにしょうへい選手(27)がレッドソックス戦で今季32号本塁打を放ち、2004年に当時ヤンキースのまつひでさん(47)が記録した日本選手シーズン最多の31本塁打を塗り替えた。松井さんはエンゼルス球団を通じて「彼こそが真の長距離打者だと思います」と談話を発表した。
 大谷選手は13日にコロラド州デンバーであるオールスター戦に、史上初めて投打「二刀流」でメンバー入りしている。
大リーグ・オールスター戦
 ナショナルリーグとアメリカンリーグの選抜チームの試合。毎年7月に1試合だけ行う。メンバーはファン投票や監督推薦などで選ばれる。関連イベントとして試合前日、強打者8人による本塁打競争もあり、大谷選手も出場する。

7日 生徒指導の考え方見直しへ 文科省

 小中高校の生徒指導の考え方をまとめた「生徒指導ていよう」について、文部科学省は今年度中に改訂することを決め、改訂を話し合う有識者会議の初会合を開いた。
 提要は、学校での生徒指導に関する教職員向けの基本書で、2010年に文科省がまとめた。10年以上がたち、児童・生徒の自殺者数や不登校の増加、時代に合わない校則の見直しなど、生徒指導上の課題も変化。今の課題に対応する必要性が指摘されていた。
 初会合では「校則は生徒が自ら決めるという視点もあってはどうか」という意見も出た。

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