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まとめてわかる!ニュース1週間
4月16日-4月23日
2021年4月25日付
日米首脳会談 声明に「台湾」明記
菅義偉首相と米国のバイデン大統領は16日、米ワシントンのホワイトハウスで初めて対面で会談した。中国をめぐる問題や経済・気候変動分野の協力、新型コロナウイルスの対策などを話し合った。
バイデン氏にとっては、対面で会談した初の外国首脳となった。通訳を含む一対一の会談を約20分間行った後、少人数会合、拡大会合に移り、計約2時間半に及んだ。
会談の成果を示す共同声明で注目を集めたのが、中国にかかわる問題だ。中国の活発な軍事的活動で緊張が高まる台湾海峡について「平和と安定の重要性」で一致し、共同声明に「台湾」を明記した。首脳間の文書に台湾が記されるのは、日本が1972年に中国との国交を正常化してから初となる。
一方、中国は、台湾は「中国から切り離せない領土」という立場で、これまでも米国の介入を許さない姿勢を強調してきた。中国外務省は19日、日米が関与を強める場合は対抗措置を取る考えを示した。
■日米首脳共同声明には、中国以外の話も幅広くまとめられた
・沖縄の辺野古における普天間飛行場代替施設の建設など、在日米軍再編を着実に推進することで一致
・気候危機に対して「日米気候パートナーシップ」を立ち上げた
・北朝鮮の拉致問題の即時解決への日米の連携を再確認
・バイデン大統領は東京五輪・パラリンピックを開催するための菅首相の努力を支持
新型コロナ関連ニュース
大阪など緊急事態宣言を要請
新型コロナウイルスの新規感染者の増加が続いている。感染拡大を防ぐため緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が20日、神奈川、千葉、埼玉、愛知の4県に適用された。適用は計10都府県に広がった。
大阪では、まん延防止等重点措置の適用から19日で2週間たったが、感染拡大が止まらず、医療体制が危機的な状況となっている。吉村洋文知事は20日、緊急事態宣言の発出を政府に要請。京都府と兵庫県、東京都も政府への要請を決めた。
全国の新規感染者数は21日、緊急事態宣言中だった今年1月22日以来、約3カ月ぶりに5千人を超えた。
4都府県への緊急事態宣言発出について、23日朝に開かれた専門家らによる「基本的対処方針分科会」で了承された。
18日 日本人ジャーナリスト逮捕 ミャンマー
ミャンマーで虚偽のニュースを広めたとして、ヤンゴン在住の日本人フリージャーナリスト・北角裕樹さんが治安当局に逮捕された。ミャンマーでは2月にクーデターが発生し、国軍が権力を握っている。
北角さんは日本経済新聞の元記者。クーデター直後からデモの様子などを取材し、SNSなどを通じて発信してきた。2月にもデモの取材中に拘束されたが、その日のうちに解放されていた。
19日 NASAの火星ヘリ、飛行成功
米航空宇宙局(NASA)は、火星で小型ヘリコプター「インジェニュイティ(創造力)」を飛行させる実験に成功した。人類が地球以外で動力つきの飛行実験をしたのは初めて。
ヘリは重さ約1.8キロ。2対のプロペラと太陽光パネル、カメラを備えている。ヘリは地上から約3メートル浮き、30秒間にわたり空中で静止した。
19日 渡辺雄太選手がNBA本契約
米プロバスケットボールNBAのラプターズは、渡辺雄太選手(26)と本契約した。日本選手がNBAのチームと本契約を結ぶのは、田臥勇太選手(40)、八村塁選手(23)に続き3人目。
渡辺選手は2018年、下部リーグであるGリーグとNBAを行き来する「ツーウェー契約」をグリズリーズと結び、NBAデビュー。今シーズンはラプターズとツーウェー契約を結んでいた。
19日 情報端末「30分使ったら休息を」
文部科学省は、子どもの目の健康を考えるために専門家の意見を聞く懇談会を開いた。眼科医からは情報端末の画面と目を30㌢以上離し、30分に1回は目を休めて、などの意見が出た。
多くの公立小中学校では今年度から、1人1台のパソコンやタブレット端末が配備される「GIGAスクール構想」が始まった。デジタル教科書の本格導入も検討されている。
19日 菅首相「ワクチン9月供給メド」
菅義偉首相は米製薬大手・ファイザーの新型コロナウイルスワクチンについて、国内のワクチン接種対象(16歳以上)の約1億1千万人分が9月までに供給されるメドが立ったと明らかにした。
政府はこれまでファイザーとの間で年内に約7200万人分の供給を受ける契約を締結。菅首相は訪米中の17日、ファイザーのブーラ最高経営責任者と電話協議をして、ワクチンの追加供給を要請した。
19日 上海モーターショー、EV車盛況
世界最大級の自動車展示会「上海国際モーターショー」が開幕した。大手各社は電気自動車(EV)を中心に新型モデルを投入。自動運転など新技術の開発が進む中、IT企業の参入も相次いでいる。
中国はコロナ禍でも新車や、EVなどの販売が好調。政府が掲げる、2035年のガソリンのみの新車全廃に向け、各社の競争が激化している。
19日 グレタさん、WHOに寄付
世界保健機関(WHO)は、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの名を冠した財団から、10万ユーロ(約1300万円)の寄付を受けたことを会見で公表した。寄付は新型コロナウイルスワクチンを共同調達して低中所得国などに供給する仕組み「COVAXファシリティー」の支援のためとしている。
20日 JAXAサイバー攻撃、中国発か
宇宙航空研究開発機構(JAXA)に対するサイバー攻撃に関わったとして、警視庁公安部は、中国籍の30代の男を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで書類送検し発表した。
男はかつて日本に滞在していた中国共産党員で、中国国営の情報通信企業のシステムエンジニアだった。現在は中国にいるとみられるという。警察庁は、中国人民解放軍(中国の軍隊)が組織的に関与したとみている。
20日 黒人暴行死で元警官に有罪
米ミネソタ州ミネアポリスで昨年5月、黒人のジョージ・フロイドさん(当時46)の首を圧迫して死なせたとして、殺人などの罪で起訴された元警察官の男(45)について、地元の陪審団は、有罪の評決を言い渡した。
評決は陪審員12人全員の同意による。量刑は裁判官が今後決定する。フロイドさんの事件は国内外にブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が広がるきっかけとなった。
ブラック・ライブズ・マター(BLM)
黒人に対する暴力や人種差別に抗議する運動。「黒人の命は大切だ」という意味が込められている。
20日 白物家電 巣ごもりで好調
家電製品の2020年度の国内出荷額がまとまった。日本電機工業会の発表によると、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電は、前年度に比べて6.5%増えて2兆6141億円。1996年度以来24年ぶりの高い水準となった。
新型コロナウイルスの感染の広がりにより外出の機会が減り、自宅の環境を整える人が増え、1人一律10万円の特別定額給付金も追い風になった。
21日 米で別姓婚「日本でも有効」
海外での別姓婚が日本の法律で認められた結婚になることを国に確認する裁判の判決が、東京地方裁判所であった。判決は、婚姻自体は日本でも有効とした。婚姻届の不受理については、戸籍法に基づいて家庭裁判所に不服を申し立てることが適切だとし、訴えを退けた。
裁判を起こしたのは、24年前に米国で別姓婚をした夫婦。日本でも夫婦別姓を希望し、婚姻届を提出したが受理されなかった。
夫婦別姓
結婚後も夫婦が結婚前のそれぞれの姓を名乗ること。今の日本では法律で認められておらず、結婚後は夫婦のどちらかの姓を名乗ることになっている。
21日 ロシアでデモ、1900人拘束
ロシア全土で、刑務所に収監中の反政権派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏の解放を求める反政権デモが行われた。ロシアの人権団体によると、政権側により約1900人が拘束された。全国100都市以上で行われた。
ナバリヌイ氏は2月、刑務所に収監された。米国や欧州連合(EU)はロシア政府の対応に強い懸念を表明し、ナバリヌイ氏の即時解放を求めている。
22日 菅首相、温室ガス「46%削減」
菅義偉首相は、2030年度の温室効果ガスの新たな削減目標について、13年度比で「46%削減」するとの方針を表明した。現在の26%削減から大幅に引き上げる。
この日開幕した気候変動サミットで、各国の首脳に伝えた。
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。