朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

3月25日―4月1日

2021年4月4日付

高校教科書2022年度版検定終了、「探究学習」を重視

 2022年度から使われる高校の教科書が、課題を調べて考える「探究学習」を重視した内容に変わる。文部科学省が3月30日、検定を終えたと発表した。
 今回の教科書は主に高校1年生向け。約1年かけて行われた検定では、教科書会社から原本298点の申請があり、検定意見がついた記述の修正を経て296点が合格した。
 22年度から、学校で教える内容の基準を定めた学習指導要領が新しくなり、数学や理科の考え方を身につける教科「理数」が新たに設けられる。近現代の世界史と日本史を関連づけて学ぶ「歴史総合」などの新科目も登場。科目の見直しに伴い教科書も変わり、資料や図が多く用いられている。
 探究学習は、自分で課題を見つけ、情報収集し、分析し、表現する学習方法。「一方通行」と批判されてきた高校の授業を変え、課題解決の力を育むねらいがある。
教科書検定とは
 出版社がつくった教科書の原本を、文部科学省の調査官や大学教授、教員らが確かめること。「特定の政党や宗派にかたよっていない」などの基準がある。
高校教科書の主な変更点
・課題解決型の「探究学習」が盛り込まれる
・教科「理数」が新設され、「理数探究基礎」や、世界史と日本史を統合した「歴史総合」などの新科目が登場
・人間と社会を考える「公共」や、プログラミングなどを学ぶ「情報Ⅰ」が必修に
・QRコードの活用が広がる

新型コロナ関連ニュース

●大阪、兵庫、宮城に「まん防」適用
 政府は4月1日、新型コロナウイルスの感染が再拡大している大阪府と兵庫県、宮城県に対し、緊急事態宣言の前段階として位置づけられる「まんえん防止等重点」(まん防)の初適用を決めた。対象地域は大阪市、兵庫県の神戸市と西宮にしのみや市、尼崎あまがさき市、あし市、宮城県仙台市。期間は5日からゴールデンウィークが終わる5月5日までの31日間で、飲食店の午後8時までの時短などに取り組む。
まん延防止等重点措置とは
 「まん防」は2月に施行された改正特別措置法で新設されたもの。国が都道府県や期間を決めるが、具体的な対象区域や対策は知事が判断する。
 緊急事態宣言が出されていなくても、集中的な対策を可能にするもの。適用されると、知事は営業時間短縮の要請や命令ができ、違反者には20万円以下の過料を科すこともできる。
●コロナ感染者34都府県で増加
 新型コロナウイルスの感染が再び広がっている。全国の感染者数を1週間の平均でみると、3月2日に1千人を切ったが、3月28日時点で1713人に増加。34都府県で前の週より増えた。
 緊急事態宣言の対象となっていた都市部だけでなく、これまで感染者が少なかった地方でも急増しているところがある。

25日 北朝鮮が弾道ミサイル発射

 北朝鮮が日本海に向けて、2発の弾道ミサイルを発射した。それぞれ約450キロ飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落ちたとみられる。北朝鮮による弾道ミサイル発射は、昨年3月29日以来。
 ミサイル発射を受け、バイデン米大統領は「国連安全保障理事会(安保理)の決議に違反する」と明言。安保理は30日、対応を話し合ったが、意見がそろわなかったという。

25日 バイデン米大統領が初の会見

 バイデン米大統領は、ホワイトハウスで就任後初となる記者会見を開いた。対立している中国との競争に勝つために、(1)米国内の投資を拡大(2)同盟国や友好国との関係強化(3)中国の国内で起きている人権弾圧に対し、世界に注意を呼びかける、とした。

26日 21年度予算、過去最大106兆円

 2021年度の国のお金の使い道をまとめた予算が参議院本会議で可決、成立した。新型コロナウイルス対策などを盛り込んだこともあり、一般会計の総額は106兆6097億円で過去最大となった。
 一方、税収は新型コロナの影響で落ち込み、国の借金にあたる「こくさい」の新規発行額は43兆5970億円。当初の予算としては11年ぶりに増える。
一般会計とは
 国のお金の使い道のうち、健康や教育、科学技術の発展、道路の整備など、国民の生活に関わる事業にあたるもの。

26日 顧客を入れてプロ野球開幕

プロ野球はセ、パ両リーグが開幕した。新型コロナウイルスの影響で昨季は3カ月遅れて6月に無観客で始まったが、今季は予定通りの日程。球場ごとに上限を設け、観客を入れる。
 

26日 シャンシャン、再び滞在延長

 東京都は、上野動物園のジャイアントパンダ・シャンシャン(メス3歳)について、同園での滞在を12月末まで再延長すると明らかにした。当初は昨年末に中国に帰る予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で、今年5月末までの期限の延長が決まっていた。
 

27日 フィギュア、鍵山選手が「銀」

 フィギュアスケートの世界選手権がスウェーデン・ストックホルムで開かれ、男子は初出場の鍵山優真選手(17)が総合2位となった。ショートプログラム首位の羽生結弦選手(26)は総合3位に。米国のネーサン・チェン選手(21)が3連覇を果たした。
 

27日 ミャンマーデモ 114人の死者

 クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで、治安部隊が発砲などで抗議デモを弾圧した。ロイター通信によると、死者は少なくとも114人に上り、1日の犠牲者としては2月1日のクーデター後、最悪となった。犠牲者には10~16歳の子どもが少なくとも6人含まれるという。
 この日は「国軍記念日」の式典があり、ミンアウンフライン国軍最高司令官が演説で市民の抵抗の動きを批判していた。
 国軍によるクーデターや市民への弾圧には、国際社会から厳しい非難の声があがっている。
 

29日 スエズ運河、6日ぶり通航再開

 エジプトのスエズ運河で浅瀬に乗り上げた大型コンテナ船について、スエズ運河庁のラビア長官は浅瀬から離す作業が成功したと発表した。事故が起きたのは3月23日。満潮時を利用して動かしたといい、6日ぶりに通航が再開された。
 運河の周辺で足止めされた船は422隻。ラビア長官は「3日から3日半で、すべて通航できるだろう」と述べた。
スエズ運河とは
 アジアと欧州を最短で結ぶ世界最大級の航路。全長は約193㌔。1869年に開通した。
 

30日 中国、香港の選挙制度を改変

 中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は、香港の政治から民主派勢力を実質的に排除する選挙制度改変案を可決した。立法会(議会)選挙で、人々の意見が反映されやすい直接選挙の枠が大きく減らされる。香港のトップを選ぶ行政長官選挙も、政権側が認める「愛国者」以外は立候補できなくなる。
 英国から中国への返還後、香港の憲法にあたる基本法は、行政長官や立法会議員について「最終的に普通選挙で選ぶのが目標」と記し、政権側も「民主の前進」を約束していたが、今回の改変で、その実現は難しくなった。
 

31日 男女平等、日本は世界120位

 世界経済フォーラムは、世界156カ国の男女格差を比べた最新の報告書を発表した。日本は世界で120位となり、主要7カ国(G7)で最下位だった。
 教育・健康・政治・経済の4分野を対象に調査。教育や医療の受けやすさや政治家や閣僚の数、賃金差などをもとに、100%を「完全な男女平等」として達成度を指数化した。首位はアイスランドの89.2%。日本は65.6%だった。
 日本は2019年12月に発表された前回報告書では121位。今回、教育と医療は健闘したが、政治と経済では閣僚や経営者層の女性の少なさが響いた。
 

1日 消費税の総額表示を義務化

 商品やサービスの価格を表示する際、消費税を含んだ「総額」を示すことが義務づけられた。実際に払う税込みの総額をわかりやすくするのがねらい。
 消費税の総額表示は消費税率が5%だった2004年に義務づけられた。しかし、その後の段階的な税率引き上げを見越し、13年秋から「本体○○円+税」といった表示を一時的な措置として認めてきた。
 今後、税抜きの価格との併記も認められるが、政府は税込み価格を小さくするといった表示はしないよう求めている。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る