朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

3月18日―3月25日

2021年3月28日付

18日 生徒の演奏は著作権料不要、知財高裁

 音楽教室でのレッスンの際、講師や生徒の楽曲演奏で、日本音楽著作権協会(JASRACジャスラック)に著作権料を支払う必要があるかが争われた訴訟の控訴審判決が、知的財産高等裁判所であった。裁判所の判決は、JASRAC側の主張を認めて講師や生徒の演奏に著作権が及ぶとした一審判決を一部変更した。生徒の演奏には、著作権が及ばないとした。
 裁判では、音楽教室の運営者たちがJASRACに、著作権料を請求する権利がないことを確認するよう求めていた。

18日 五輪開会式の統括者が辞任

 東京五輪・パラリンピックの開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクターのひろしさん(66)が、辞任した。昨年3月、開会式に出演予定だったタレントのわたなべなおさんの容姿をじょくするようなメッセージを、演出を担当するチームのSNSに送っていたと報じられていた。チームメンバーから反発があり、提案は撤回したという。

18日 東海第二原発の運転差し止め、水戸地裁

 日本原子力発電が再稼働を目指すとうかい第二原子力発電所(茨城県東海村)について、住民らが運転の差し止めを求めた訴訟で、水戸地方裁判所は、原電に差し止めを命じる判決を言い渡した。
 東海第二原発から半径30㌔圏内には計94万人が住んでおり、判決は、原発周辺の14自治体による防災体制が極めて不十分だと指摘した。

19日 「2年分の甲子園」開幕

 第93回選抜高校野球大会が兵庫県西宮にしのみや市の阪神甲子園球場で2年ぶりに開幕した。新型コロナウイルスの感染防止のため、開会式には第1日に登場する6校だけが参加した。
 開会式ではせんだいいくえい(宮城)のしまぬきじょう主将が選手宣誓。昨春の選抜も中止になったコロナの1年を振り返り、東日本大震災から10年にもふれ、「2年分の甲子園。一投一打に多くの思いを込めてプレーすることを誓います」と述べた。

20日 五輪・パラ、海外客受け入れ断念

 夏の東京五輪・パラリンピックをめぐる政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会の代表者による協議があり、海外在住の一般観客の受け入れを断念することで最終合意した。
 新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、今年の夏に自由な入国を保証するのは難しいと判断した。海外の一般客を受け入れないのは、近代五輪では初めて。

22日 雲仙・普賢岳の「定点」災害遺構に

 43人が死亡・行方不明となった1991年6月3日のうんぜんげんだけ(長崎県)の大さい流から被災30年を迎えるのに合わせ、犠牲者が集中した報道陣の撮影ポイント「定点」の付近一帯を災害遺構とする整備が終わった。
 遺構には掘り出された車両3台が展示され、当時の暮らしを伝える段々畑や水路の跡も残された。今後、住民らが防災教育の拠点として活用する考えだ。

22日ウイグル族の人権侵害で対中制裁 EU・米など

 欧州連合(EU)は、中国で少数民族のウイグル族に対して深刻な人権侵害が続いているとして、中国の関係者への制裁を発動した。EUへの渡航を禁止し、EU域内の資産を凍結する。EUが中国政府や関係者に制裁を科すのは、1989年の天安門事件以来。米国も関係者への制裁を発表した。
ウイグル族とは
 イスラム教を信仰するトルコ系の民族。中国に五つある自治区の一つ、北西部の「しんきょうウイグル自治区」を中心に暮らす。

22日 豪で洪水「100年に1度の規模」

 オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州で18日から22日にかけて、平年の年間降雨量の3割ほどにあたる大雨が降った。「100年に1度」(州当局)という規模の洪水が起き、州によると、22日朝までに1万8千人が避難した。
 被害が最も大きいのは、州都で最大都市のシドニーから北に400~500㌔ほどの町、ケンプシーやポートマッコリー。シドニー中心部から西に50キロほどの地域でも洪水が起きた。

23日 河井克行被告が議員辞職を表明

 2019年7月の参議院議員選挙をめぐり、票を得るためにお金を配ったとして公職選挙法違反(加重買収など)の罪に問われた元法務大臣で衆議院議員のかわかつゆき被告(58)が、東京地方裁判所の法廷で、衆議院議員を辞職する意向を表明した。これまで無罪を主張していたが、一転買収を認めた。
 同じく罪に問われていた妻のあんさん(47)は有罪判決を受け、2月に参議院議員を辞職した。

23日 公示地価が6年ぶり下落

 国土交通省は、2021年1月1日時点の公示地価を発表した。住宅地や商業地などを合わせた全用途の全国平均は前年より0.5%下がり、6年ぶりの下落となった。新型コロナウイルスの影響で、ホテルや飲食店などの経営が厳しく、都市部の商業地の落ちこみが特に目立った。
 公示地価は約2万6千カ所の「標準地」の1平方㍍当たりの価格。土地の売買の目安となる。

23日 LINE、情報管理の不備を謝罪

 無料通信アプリ「LINE」の個人情報が、利用者への説明が不十分なまま中国の関連会社からアクセスできる状態になっていた。運営会社LINEのいでざわたけし社長らが東京都内で会見し、謝罪した。
 LINEは、中国からのアクセスはすでにしゃだんしたことを明らかにした。投稿された画像や動画などのデータは韓国にあるサーバーに保管していたが、すべてのデータを9月までに順次、国内に移す方針も示した。

24日 横綱・鶴竜が引退

 大相撲の横綱かくりゅう(35)=モンゴル出身=が現役を引退すると、日本相撲協会が発表した。
 協会の構成役員であるとしよりしゅうめいするために必要な日本国籍を2020年12月に取得しており、今後は親方として後進を指導する。

24日 共通テスト、2025年から7教科21科目に

 大学入試センターは、2025年からの大学入学共通テストの出題教科・科目を発表した。22年度から高校で必修化される「情報」「歴史総合」「地理総合」「公共」が新設され、現行の6教科30科目から7教科21科目に再編する。

24日 柔道家の古賀稔彦さん死去

 1992年バルセロナ五輪(スペイン)の柔道男子71キロ級金メダリストのとしひこさんが、がんのため死去した。53歳だった。
 バルセロナ五輪では日本選手団の主将も務め、96年アトランタ五輪でも78キロ級で銀メダルを獲得。2000年に現役引退した後は指導者になり、五輪のコーチとしても活躍した。

25日 五輪聖火リレーがスタート

 東京五輪の聖火リレーが、福島県のスポーツ施設「Jヴィレッジ」(なら町、ひろ町)で始まった。聖火リレーは約1万人の走者が121日間で全国859区市町村を一筆書きのルートでめぐり、7月23日に開会式がある東京・国立競技場をめざす。

新型コロナ関連ニュース

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言は21日までで全面解除された。一方で、2日に973.3人だった1週間平均の全国の新規感染者数が21日に1273人となるなど、再拡大の傾向がみられている。
 全国各地の主要駅周辺や繁華街では夜の人出が増え、感染者が急増した地域もある。宮城県と仙台市は18日、山形県と山形市は22日、独自の緊急事態宣言を発表した。
 東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏4都県の知事は24日、感染の再拡大を防ぐため、飲食店やカラオケ店に対する午後9時までの時短要請を、4月21日まで継続することを決めた。花見のシーズンを迎え、名所への立ち入り制限や飲食を伴う宴会の自粛も呼びかけられている。
●コロナ母子感染か国内初確認
 新型コロナウイルスに感染した妊婦から、おなかの赤ちゃんに感染する母子感染とみられる事例が国内で初めて確認された。日本小児科学会が22日、公表した。赤ちゃんの健康状態に問題はなかったという。
●アストラゼネカに米「検証を」
 英製薬会社「アストラゼネカ」は22日、新型コロナウイルスのワクチンに「症状を防ぐ効果が79%あり、(血管の中で血が固まる)けっせんを含む重大な副反応もなかった」とする最終段階の臨床試験(治験)のざんてい結果を公表した。
 これに対し、米国立アレルギー・感染症研究所は23日、「治験の有効性に関するデータが不完全だった可能性がある」と異例の声明を発表。速やかにデータを検証するよう、アストラゼネカに求めた。

 世界の感染者は約1億2538万人、死者は約275万人。
 日本国内で確認された感染者は46万3901人、死者は8984人(25日現在)。


日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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