朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

3月11日ー3月18日

2021年3月21日付

11日 児童虐待の摘発、過去最多

 警察が摘てき発はつした児童虐待事件は昨年1年間で2133件あり、被害にあった18歳未満の子どもは2172人だった。いずれも過去最多。前の年に比べて件数は8.2%増え、被害にあった人数は9.1%増えた。死亡した子どもは、前年より7人多い61人に上った。警察庁が発表した。
 内訳は、暴行や傷害などの「身体的虐待」が1756件と約8割。強制わいせつなどの「性的虐待」は299件だった。
 

11日 中国が香港の選挙制度変更へ

 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が、香港の選挙制度を変える決定などを採択し、閉幕した。「愛国者が香港を治める」という考えのもとで、市民の直接投票枠を減らし、民主化をすすめる人たちが選挙から排除されるしくみ。「一国二制度」から遠ざかることになる。
一国二制度とは
 一つの国に二つの制度があること。英国の植民地だった香港が1997年に中国に返還される時、50年間は資本主義を採用し、社会主義の中国とは異なる制度を維持することが約束された。
 

12日 フロイドさん遺族と市が和解

 米ミネソタ州ミネアポリス市で昨年5月、黒人のジョージ・フロイドさん(当時46)が市警察の警察官から首を圧迫されて死亡した事件で、市議会は2700万ドル(約29億4千万円)を支払って遺族と和解することを決めた。
 事件は世界に「Blackブラック Livesライブズ Matterマター(黒人の命は大切)」運動が広がるきっかけとなった。現場の交差点は「ジョージ・フロイド広場」と名づけられ、地元住民がアート活動や清掃をしている。
 

12日 QUAD、初の首脳協議、途上国にワクチン支援へ

 日本、米国、オーストラリア(豪)、インド(印)の4カ国(QUAD:クアッド)による初の首脳協議がオンラインで開かれた。アジアなどに新型コロナウイルスのワクチンを供給する方針を確認した。4カ国で連携し、「ワクチン外交」を通じて影響力拡大を図る中国に対抗するねらいもある。
 協議後、菅すが義よし偉ひで首相は「インド太平洋地域の途上国へのワクチン支援で協力していくことで一致した」と述べた。
 

12日 東北新社の認定一部取り消しへ

 総務省の幹部らを接待していた放送関連会社「東北新社」について、総務省は、同社の子会社が持つ衛星放送(BS)事業者としての認定の一部を取り消すと発表した。外国資本に関する放送法の規制に違反していたため。取り消しの対象は、4K衛星放送「ザ・シネマ4K」の認定。
 申請の段階で、すでに違法状態だったことが判明。同社が違法性の認識を3年半前から持っていたことも明らかになった。
 

13日 スノボ・ハーフパイプ戸塚選手が世界選手権初V

 スノーボードの世界選手権は米コロラド州アスペンでハーフパイプ決勝があり、男子は19歳の戸と塚つか優ゆう斗と選手(ヨネックス)が96.25点で初優勝した。日本勢の優勝は2009年の青あお野の令りょうさん以来、2人目。
 女子の日本勢は4人が決勝に進んだ。
 

14日 長野・乗鞍岳で雪崩

 長野県松本市の乗のり鞍くら岳だけ位くらいケが原はら付近(標高約2400㍍)で雪崩なだれが発生し、巻き込まれた登山者1人が亡くなった。
 長野地方気象台によると、現場付近では12日から13日にかけて雪がまとまって降り、雪崩注意報が発令されていた。積雪上部の雪の層が、下層の雪の上をすべり落ちる「表層雪崩」の可能性が高いという。
 

14日 ミャンマー国軍、一部に戒厳令

 クーデターで権力を握ったミャンマー国軍は、最大都市ヤンゴンの一部に戒かい厳げん令れいを出した。戒厳令は非常時に軍が国を治めるすべての権限を握るもの。各地で続く市民の抗議デモに、国軍側は武力弾圧を強めている。
 ロイター通信によると14日だけで約50人が死亡した。1日の犠牲者としては過去最多で、国際社会の非難が高まっている。
 国軍側は戒厳令について「法の支配と平穏を効果的に維持する」ために出したとしている。
 

15日 囲碁 仲邑菫さん、最年少で二段昇段

 小学6年生の囲碁棋士、仲なか邑むら菫すみれ初段=写真=が史上最年少の12歳0カ月で二段昇段を決めた。この日の対局に勝ち、昇段の規定を満たした。16日付で昇段した。
 2019年4月、史上最年少の10歳0カ月でプロ入り。今年1月から自己最多の10連勝で一気に二段昇段を決め、最年少記録を52年ぶりに更新した。
 

15日 中国 黄砂で深刻な大気汚染

 中国北部で、黄こう砂さの影響で深刻な大気汚染が起きた。中国の中央気象台によると、この10年で最大規模の黄砂だという。北京市によると、大気汚染の指標が一時、世界保健機関(WHO)基準値の約160倍となった。
 3月以降、内モンゴル自治区などの気温が高めで、植物が育たないうちに雪や氷が溶けて地表が露出。砂ぼこりが発生しやすくなっていたという。
 

16日 横綱・白鵬、5場所連続で休場

 大相撲の横綱白鵬(36)が春場所(東京・国技館)3日目、日本相撲協会に休場を届け出た。4場所ぶりに出場し、初日に229日ぶりの白星を挙げていた。右ひざのけがで途中休場した昨年7月場所を含めると、休場は5場所連続。
 

17日 同性婚 認めないのは違憲

 同性どうしの結婚が認められないのは、憲法で保障された「婚姻の自由(憲法24条)」や「平等原則(憲法14条)」に反するとして、北海道の同性カップル3組6人が国に損害賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は、憲法14条に違反すると認めた。ただし24条などについての違反や、国会の違法性は認めず、請求は退けた。
 東京、大阪など全国5地裁でも同様の訴訟が起こされているが、司法判断が出たのは初めて。
 

17日 LINE、個人情報保護に不備

 無料通信アプリを運営する「LINEライン」が、中国にある関連会社にシステム開発を委託するなどし、中国の技術者らが日本のサーバーにある利用者の個人情報にアクセスできる状態にしていたことがわかった。LINEは「外部からの不正アクセスや情報漏ろう洩えいは発生していない」と説明し、謝罪した。
 利用者間でメッセージをやりとりするサービス「トーク」に投稿されたすべての画像と動画を韓国内のサーバーに保管していることもわかった。LINEはこうした個人情報の状況を利用者に十分説明できていないとして、運用の見直しをする方針。
 LINEは国内の月間利用者が8600万人に上る。
 

17日 デジタル教科書「24年度に本格導入」

 小中学校で使うデジタル教科書について、文部科学省の有識者会議は、2024年度の本格導入を求める中間提言を公表した。
 紙の教科書の内容をタブレット端末などに取り込んだデジタル教科書は、19年度から使用が可能になった。新年度には「授業時数の2分の1未満」としてきた制限が撤てっ廃ぱいされるほか、大半の小中学生に1人1台の端末が配備され、活用が進むとみられている。

新型コロナ関連ニュース

●4都県の時短要請は31日まで
 政府は18日、新型コロナウイルス対応で東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏4都県に出している緊急事態宣言について、期限の21日までで解除すると決めた。
 4都県への宣言は、2度の延長を経て、2カ月半で終了する。菅義偉首相は記者会見で「新規感染者数はもちろん、病床のひっぱく状況も解除の目安を下回っている」と強調した。
 一方で、「リバウンド(感染再拡大)がねんされている」とも指摘。対策として、①飲食を通じた感染の防止策継続②変異ウイルスの監視体制の強化③感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査④安全・じんそくなワクチン接種⑤次の感染拡大に備えた医療体制の強化、を掲げた。
 4都県の知事は時短要請を「午後9時まで」として1時間ゆるめたうえで、22日から31日まで続けることを確認。4月以降は改めて判断する。
●世界の感染者ピーク時の半分
 新型コロナウイルスの1日あたりの世界の感染者数が、今年1月をピークに短期間で大幅に減少した。米ジョンズ・ホプキンス大の集計をもとに、世界の新規感染者数(過去7日平均)の推移をみると、トルコの集計方法の見直しで一時的に急増した昨年12月中旬を除くと、これまでのピークは1月中旬の約74万人だった。その後、新規感染者数は急速に減り続け、2月中旬には約36万人に。その後は増加傾向に転じ、現在は約40万人で推移しているが、それでもピーク時の半分に近い数字だ。
 欧米で新規感染者が減ったことが影響した。
●医療従事者2回目の接種開始
 新型コロナウイルスワクチンの医療従事者向けの2回目の接種が11日、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センターで始まった。このワクチンは3週間あけて2回接種することになっている。センターでは全国で最も早い2月17日に1回目の接種を始めた。
 センターでは257人が、接種後の症状の変化などを日誌に記録している。1回目の接種後、4人に37.5度以上の発熱、10人に頭痛があったという。
  ◇
 世界の感染者は約1億2171万人、死者は約268万人。
 日本国内で確認された感染者は45万3656人、死者は8777人(18日現在)。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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