朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

10月8日―10月15日のニュース

2020年10月18日付

8日 核のごみ処分場調査に北海道・寿都町、神恵内村が応募

 原子力発電所から出る「核のごみ」の最終処分場を造ることをめぐり、北海道寿すっ町が、候補地選びで国が行う調査への応募を表明した。かもない村も9日に応募を決めた。
 応募するのは、調査の第1段階「文献調査」で、2年の調査で最大20億円の交付金が得られる。北海道には核のごみを「受け入れるのは難しい」とする条例があり、調査に反対する声もある。
核のごみとは
 原子力発電所から出た使用済み核燃料を再利用するときに出る液体を、ガラスで固めて金属容器に入れたもの。「高レベル放射性廃棄物」とも呼ばれる。

9日 上地結衣選手がV テニス全仏オープン 車いす女子

 テニスの全仏オープンの車いすの部女子シングルス決勝がフランス・パリで行われ、第2シードのかみ選手が初出場のおおたにもも選手を破り、2年ぶり4度目の優勝を飾った。
 4大大会シングルス決勝で日本勢対決は初めてだった。

10日 北朝鮮が軍事パレード

 北朝鮮は、朝鮮労働党の創建75年を迎え、首都・ピョンヤンで軍事パレードを行った。新型と見られるミサイルも登場した。朝鮮中央テレビが録画放送で伝えた。
 最高指導者のキムジョンウン党委員長は演説で核保有国であることを強調し、「我々の安全が傷つくならば、最も強力な攻撃力を先制的に総動員して報復する」と語ったが、非核化交渉が停滞する米国の名指しは避け、敵対色を抑えた。

12日 大阪都構想、住民投票を告示

 大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する大阪都構想に賛成か反対かを問う住民投票が告示された。投開票は11月1日。賛成多数になれば、1956年にできた政令指定市が初めて廃止されることになる。
 有権者は日本国籍で大阪市内に住む18歳以上の約225万人。都構想をめぐる住民投票は、2015年5月に続いて2度目。前回は、わずかな差で否決された。
大阪都構想とは
 2025年1月に大阪市をなくして特別区に再編する制度改革案。府と市で権限が重なるインフラ整備や成長戦略などの広域行政を府に一元化し、子育て支援や教育などの身近なサービスを特別区が担う。市の財源の一部も府に移す。

12日 宮城・南三陸町に震災復興祈念公園オープン

 2011年3月の東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県みなみさんりく町で、震災復興祈念公園がオープンした。津波で全壊し、町職員ら43人が犠牲になった防災対策庁舎を含む旧市街地6.3ヘクタールを整備し、全犠牲者のついとうの場とした。
 公園は川を挟んで対岸に観光施設「南三陸さんさん商店街」があり、行き来できる橋=写真=も完成した。

12日 銀行の平均預金残高、過去最高に

 全国の銀行の平均預金残高は9月時点で、昨年9月と比べて9.0%増え、793兆3629億円だった。伸び率、金額ともに過去最高となった。日本銀行が発表した9月の貸出・預金動向(速報)でわかった。
 新型コロナウイルスの影響で外出を控え、政府が支給した1人10万円の特別定額給付金が預金口座に残っていることなどが影響している。

13日 有人月探査へ「アルテミス合意」8カ国署名

 米国が主導する有人月探査計画で、日米英など8カ国が、月の資源を利用したり、緊急時に助け合ったりすることを確認する国際合意に署名した。国際宇宙ステーション(ISS)計画に深く関わってきたロシアは加わらなかった。
 「アルテミス合意」と呼ばれ、宇宙の平和利用、宇宙船の共同運用、緊急時の支援などの基本原則をうたう。

13日 最高裁「待遇差、不合理でない」

 非正社員と正社員の待遇格差をめぐる2件の裁判で、最高裁判所が、それぞれ判決を言い渡した。原告側は正社員と同じ仕事なのに賞与(ボーナス)や退職金がないのはおかしいと訴えたが、最高裁はいずれも「不合理とまで評価できない」と判断。一部の支給を認めた高等裁判所の判決を一転させた。
日本郵便の裁判では「不合理」
 15日には日本郵便の契約社員らが正社員との待遇格差を訴えた三つの裁判の判決があった。最高裁は、扶養手当や有給の夏休みなど審理対象になった5項目の支給をすべて認めた。契約社員の労働条件が正社員と違うのは「不合理」などと判断した。

14日 井山棋聖、名人位を奪還

 三冠同士の頂上決戦となった第45期囲碁名人戦七番勝負の第5局は、挑戦者のやまゆうせい(31)がしばとらまる名人(20)に勝ち、シリーズ4勝1敗で名人位を奪取した。
 井山さんは棋聖、本因坊とあわせ、七大タイトルで特に上位の三つのタイトルを独占。自身3度目の「大三冠」に返り咲いた。ほかに大三冠を遂げたのはチョウクン名誉名人(64)だけ。


15日 共通テスト、第2日程志願789人

 来年の大学入学共通テストで、コロナで学びが遅れた現役生が選択できる第2日程(1月30、31日)の志願者は789人だった。大学入試センターが発表した。現役生志願者の約0.18%で、大学の個別試験との日程の近さなどが影響したようだ。

新型コロナ関連ニュース

 世界の新型コロナウイルス感染者は約3883万人、死者は約109万人。日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め9万2361人。そのうち退院者は8万4496人(15日現在)。

ノーベル平和賞に「世界食糧計画」

  ノルウェーのノーベル委員会は9日、今年のノーベル平和賞を、飢えに苦しむ人へ食料を届ける国連の「世界食糧計画」(WFP、本部・イタリアのローマ)に授与すると発表した。紛争や自然災害に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で食べられない人が増えている中での授賞となった。
 授与理由は「飢餓と闘う努力と、紛争の影響を受けた地域の平和のよりよい条件への貢献、戦争や紛争の武器としての飢餓の利用を防ぐための努力」としている。
 飢餓と食料不安は対立を生み、武力紛争につながることがある。武力紛争も飢餓を引き起こす原因になる。こうした悪循環を断ち切るため、委員会は「戦争や武力紛争にも終止符を打たない限り、飢餓ゼロという目標を達成することはできない」と指摘。食料を提供することは、地域の安定や平和に貢献するとし、「WFPはその主導権を握っている」とした。
 委員会は特に、新型コロナの流行が飢餓を悪化させている実態を強調した。中東やアフリカの国々では、長引く紛争に加えてコロナによって物資の輸送が妨げられるなど、飢餓の危機に直面する人の数が急激に増加しているという。WFPは、学校が休校になった地域にも持ち帰り用の食料を届けたり、食料配給拠点でせっけんの提供や手洗いの指導をしたりしている。
 WFP日本事務所代表のやきなおさんはノーベル平和賞の受賞について、「世界で最も厳しい場所で支援をしてきたスタッフの努力が認められたのだと思う」と喜んだ。一方で、新型コロナの広がりで、世界で食料不安に陥る人々を心配している。「特に、子どもは大きな影響を受けています。日本の子どもたちに、飢餓の問題に関心を持ってほしいです」と話す。

 飢餓のない世界をめざして、食料の支援活動をする国連機関。1961年に設立された。2019年には88の国・地域で約9710万人を支援。職員は1万7千人以上で、多くは途上国の現場で直接、支援に当たる。

2020年ノーベル賞発表(9日~12日)

9日 平和賞 飢餓の現場に食料を届ける「世界食糧計画(WFP)」

12日 経済学賞 「オークション理論」で貢献
 米国・スタンフォード大学教授のポール・ミルグロム氏と、名誉教授のロバート・ウィルソン氏に決まった。電波の周波数の割り当てなどに使われる「オークション理論」の研究や、この理論の実用化に力を尽くしたと評価された。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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