朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

3月12日―3月20日

2020年3月22日付

新型コロナ 各国で感染拡大 学校再開も

改正特措法が成立(13日)

 新型コロナウイルスを新型インフルエンザ等対策特別法の対象に加える改正法が13日、国会で成立した。14日に施行された。感染がさらに広がったときに、首相が「緊急事態宣言」を出し、対象となる都道府県の知事が、外出やイベントの開催などを制限できるようになる。
 しんぞう首相は14日に記者会見し、「現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」と述べた。一方、必要な場合は、専門家の意見を聞いた上で、慎重に判断する考えも明らかにした。

参議院本会議の写真
参議院本会議で、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が可決、成立した=13日
(C)朝日新聞社

米国が国家非常事態を宣言(13日)

 米国のトランプ大統領は13日、新型コロナウイルスの感染拡大に対処するため「国家非常事態」を宣言した。約5兆4千億円に上る予算をあてて、検査や治療の体制を拡充する。

日経平均株価が急落(13日)

 13日の東京株式市場は、株式市場の全体的な動きを示す日経平均株価が急落し、一時、約3年4カ月ぶりに1万7000円を下回った=写真。
 米国のニューヨーク株式市場では12日、米国の主要企業の株価を示す「ダウ工業株平均」が急落し、史上最大の下げ幅となっていた。16日には下げ幅を更新。18日、ダウ平均のおわりが約3年ぶりに2万ドルの節目を割り込んだ。

日経平均株価を表示したボードの写真
(C)朝日新聞社

「欧州が中心地に」WHO見解(13日)

 新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)は13日の会見で、イタリアを中心に感染が拡大する欧州が、世界の流行の「中心地」になったと位置づけた。当初、市民生活の制限には慎重だった欧州各国は厳戒態勢に転じている。

世界保健機関(WHO)
 国際連合の専門機関の一つ。1948年に設立された。本部はスイスのジュネーブ。加盟国は194カ国・地域と2準加盟地域(2019年4月現在)。病気のぼくめつのための研究、適正な医療・医薬品の普及、健康の促進、病気の予防などの推進活動をしている。

一部で学校再開(16日)

 感染の拡大を防ぐため、全国で一斉休校が続くなか、一部の地域では学校を再開した。
 週明けの16日から再開したのは、千葉県なり市、静岡市や富山市、兵庫県あか市など。家庭の負担や、子どものストレスを軽減することなどが理由だ。

授業を再開した小学校の教室の写真
約2週間ぶりに再開した静岡市内の小学校=16日
(C)朝日新聞社

無観客で再開のBリーグ、一転中止に(17日)

 バスケットボール男子のBリーグは14日、新型コロナウイルスの感染拡大で延期していたB1とB2のリーグ戦を無観客で再開した。B1は日本代表の国際試合も挟んでいたため、26日ぶりのリーグ戦となった。
 しかし17日には、Bリーグはいったん再開したリーグ戦の中止を発表した。対象は20日から4月1日までのB1とB2の計95試合。4月4日の再開をめざす。

無観客となったBリーグの千葉―宇都宮戦の写真
無観客となったBリーグの千葉―宇都宮戦。スタンドには「コロナニ ショウリ!」の文字が掲げられた=14日、千葉県船橋市
(C)朝日新聞社

EU、入域を制限(17日)

 欧州連合(EU)に加盟する国々は17日、加盟国以外の人々がEU域内に入ることを30日間制限すると決めた。EUの中では国境での検査なしで人が自由に移動できるルールがあるが、ドイツなどで国境の管理を厳しく制限する動きが始まっている。

4月の全国学力調査、見送り(17日)

 文部科学省は17日、4月16日に予定していた全国学力調査を取りやめる、と発表した。全国の小学6年生と中学3年生が対象で、計200万人以上の参加を見込んでいた。2020年度中の実施を検討するとしている。

大規模イベント、引き続き自粛を(19日)

 政府の専門家会議が19日、新型コロナウイルスについて、国内の状況や今後の対策のあり方の見解を公表した。感染の広がりについては「持ちこたえているが、一部の地域で拡大が見られる」と分析。欧州のように感染が爆発的に拡大する可能性を指摘し、大規模イベントは引き続き自粛するよう求めた。一斉休校などを要請した政府は、この見解を元に今後の対応を検討する。

 WHOのまとめでは、18日時点で、新型コロナウイルスの感染者は世界で合わせて約19万人、死者は7807人に上る。
 日本国内の感染者数はクルーズ船(723人)などを含めて1673人(19日午後9時時点)。

12日 聖火、野口みずきさんの手に

採火式 ギリシャのリレーは中止

 東京五輪の聖火の採火式が、古代五輪の発祥地ギリシャ・オリンピアで開かれた。聖火リレーも始まり、ギリシャ・アテネ大会(2004年)の女子マラソン金メダリスト、ぐちみずきさんが第2走者を務めた=写真。
 聖火は19日までギリシャ国内を回る予定だったが、翌13日に中止した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、観覧を控えるよう呼びかけたにもかかわらず、セレモニーに大勢の人が集まったため。
 聖火は20日、日本に到着。日本国内のリレーは26日、福島県の「Jヴィレッジ」で始まる予定。

聖火を持って走る野口みずきさんの写真
(C)朝日新聞社

12日 児童虐待、最多1972件

警察庁が発表

 警察が2019年にてきはつした児童虐待事件は1972件、被害にあった18歳未満の子どもは1991人で、ともに前の年と比べて約4割増え、過去最多だった。54人は暴行や育児放棄(ネグレクト)などが原因で死亡した。夜間などに警察が一時的に保護した子どもも過去最多で5553人。警察庁が発表した。
 事件の約8割は体を傷つける「身体的虐待」。児童相談所(児相)に警察が情報提供した件数は3万5578件、児相が警察に援助を求めた件数は494件で、いずれも過去最多となった。

児童虐待の被害の推移を表した折れ線グラフ
(C)朝日新聞社

14日 JR常磐線、9年ぶり全線開通

福島県の富岡―浪江で運転が再開

 福島県内の一部区間が不通となっていたJRじょうばん線が、9年ぶりに全線で開通した。常磐線はにっ駅(東京都あらかわ区)からいわぬま駅(宮城県岩沼市)までの全長約344キロ。2011年3月に起きた東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故で、一部区間が不通となっていた。この日、福島第一原発から10キロ圏内を通る福島県のとみおかなみ間の約21キロが再開した。

帰還困難区域の脇を走る列車の写真
帰還困難区域の脇を走る列車。線路上はすべて避難指示が解除された=14日、福島県大熊町
(C)朝日新聞社

14日 高輪ゲートウェイ駅が開業

「未来をイメージできる駅」

 JR山手やまのて線・けいひん東北線のしながわまち間に、新駅「たかなわゲートウェイ」(東京都港区)が開業した=写真。「未来をイメージできる駅」を掲げ、無人けっさいコンビニが開店するほか、乗り換え案内などに人工知能(AI)とうさいのロボットが活躍する。
 山手線に新駅が誕生するのは1971年の西にしにっ駅以来で、30番目。JR東日本は2024年のまち開きをめざして一帯の約13ヘクタールの再開発に取り組んでおり、新駅を「東京の新たな玄関口」に育てたい考え。

高輪ゲートウェイ駅の写真
(C)朝日新聞社

14日 東京で桜開花、史上最速

記録的暖冬の影響で

 東京管区気象台は、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。やすくに神社(東京都千代田区)の標本木で、気象台の職員が開花の目安となる5輪以上の花が咲いているのを確認=写真。記録的な暖冬の影響で、1953年の統計開始以来、最も早い開花になった。
 東京での開花は平年より12日、昨年より7日早く、ソメイヨシノの標本木としては全国で最も早い開花発表となった。

花が咲いた、ソメイヨシノの標本木の写真
(C)朝日新聞社

15日 奥原選手、山口選手が五輪確実に

全英バドミントン

 英国のバーミンガムで11日から開かれていたバドミントンの全英オープンが閉幕した。女子シングルスではおくはら希望のぞみ選手(25)=写真上=がベスト4、やまぐちあかね選手(22)=同下=がベスト8まで勝ち上がり、世界ランキングをもとに決まる東京五輪の代表入りを確実にした。五輪に出場すれば、ともにブラジル・リオデジャネイロ大会に続き、2大会連続。
 ダブルスでは、男子は世界ランキング6位のえんどうひろゆき選手(33)とわたなべゆう選手(22)のペア、女子は同3位のふくしま選手(26)とひろさや選手(25)のペアが、ともに初優勝した。

奥原希望選手の試合中の写真
どちらも(C)朝日新聞社

山口茜選手の試合中の写真

16日 関西電力に業務改善命令

経産省

 関西電力の役員らが、たかはま原子力発電所のある福井県高浜町の元じょやくから多額の金品を受け取っていた問題で、経済産業省は、電気事業法に基づいて業務改善命令を出した。経産省によると、同法による改善命令を大手電力会社に出すのは、記録が残る限り初めて。処分は、関電が第三者委員会の調査結果を報告したことを受けたもの。第三者委員会は14日、計75人が総額約3億6千万円相当の金品を受領していたと公表していた。

業務改善命令
 官公庁が監督対象の事業者に対して行う行政処分の一つ。処分された企業などは、業務の改善計画を提出し、実行状況の報告を命じられることがある。

16日 川内原発1号機が運転停止

テロ対策施設の設置期限遅れで

 九州電力は、せんだい原子力発電所=写真=の1号機(鹿児島県)の運転を停止した。新しい規制基準で義務づけられたテロなどの対策施設が期限内に完成しないため。完成の遅れで原発が停止するのは全国で初めて。
 テロ対策施設は、原発が外部から攻撃を受けたとき、放射性物質が外部に広がるのを抑える施設。安全性を高めるため、2013年に設置が義務づけられた。今後、川内原発2号機も停止する見通し。

川内原発の写真
どちらも(C)朝日新聞社

テロ対策施設のイメージの図

16日 やまゆり園事件、死刑判決

横浜地裁

 神奈川県相模さがみはら市の障がい者施設「やまゆり園」で2016年7月、入所者19人を殺害し、26人に重軽傷を負わせたとして、殺人などの罪に問われた元職員の被告(30)の判決公判が横浜地方裁判所であった。裁判長は、検察側の求刑通り死刑を言い渡した。
 これまでの裁判で被告は殺害などについては事実関係を認め、被告の刑事責任能力があるかどうかが最大の争点となっていた。裁判長は、被告には事件当時、完全な刑事責任能力があったと認めた。

18日 「ゲームは1日60分」条例成立

香川 全国で初

 子どものゲームの時間は1日60分までとする全国初の条例が香川県議会で可決、成立した。4月1日に施行される。
 インターネットやゲームの依存症になるのを防ぐのが目的。18歳未満はゲームの利用を平日1日60分(休日は90分)までとし、スマートフォンとゲームは中学生以下は午後9時まで、それ以外は午後10時までにやめることなどを各家庭に義務づけた。罰則はない。
 条例は成立したが、その効果や、条例のつくり方に対し、疑問の声も上がっている。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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