武漢から帰国の日本人も感染

中国の新型肺炎　WHOが緊急事態宣言

　中国・武ぶ漢かん市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が広がっていることから、武漢市は1月23日、市内全域の交通機関に加え、市外に向かう鉄道や航空便の路線を閉鎖した。中国は27日から、国外旅行を含む全ての団体ツアー旅行を一時禁止とした。
　中国政府の30日の発表で中国国内の死者は170人、感染者は7711人。感染者数は、2002～03年に流行した重症急性呼吸器症候群（ＳＡＲＳサーズ）の中国国内の感染者数5327人（世界保健機関〈ＷＨＯ〉調べ）を上回った。ＳＡＲＳもコロナウイルスを原因とする肺炎。
　収束の兆しが見えないことを受けて日本政府は28日、この感染症を「指定感染症」に指定する政令を閣議決定した。1年間の期限つきで、感染した人を強制的に入院させたり、働くことを制限したりできるようになる。感染した人が治療にかかる医療費を負担する必要もなくなる。指定は14年の中東呼吸器症候群（MERSマーズ）以来、5例目。
　武漢市にいる日本人を帰国させるため、日本政府が派遣した民間チャーター機の第1便が29日、羽田空港（東京）に到着した。帰国したのは206人。このうち3人が新型コロナウイルスに感染していることが判明した。
　症状がない人も、医療機関で診察、検査する。政府は帰国した人に1週間は外出せず、その後1週間も不要な外出をしないよう求めている。
　30日現在、国内で確認された感染者は14人。感染拡大を防ぐため、政府は30日、安あ倍べ晋しん三ぞう首相を本部長とし、全閣僚でつくる対策本部を設置した。
　WHOは30日、新型コロナウイルスによる肺炎について緊急会合を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。WHOによる緊急事態宣言は、アフリカのコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱について昨年7月に出されて以来、6例目。

武漢から到着したチャーター機の第1便（中央）＝1月29日、東京・羽田空港

23日　五輪・パラ　「ニッポンを纏う」

選手団の公式服　初の共通デザイン

　今年の東京五輪・パラリンピックで日本選手団が着る公式服が、東京都内でお披露目された。開会式で着るのは、白のジャケットと赤いパンツで、女性はキュロットも選べる。1月24日で五輪開幕まで半年となるのを前に、日本オリンピック委員会と日本パラリンピック委員会が発表。「共生社会」の象徴として、今回初めて五輪、パラリンピック共通のデザインとなった。
　テーマは「ニッポンを纏まとう」。暑さ対策で、小さな穴が開いた生地を用い、通気性が高くなるようにした。指でふれるボタンに国旗をかたどるなど、細部までこだわっている。

開会式用の服を着る選手たち＝東京都千代田区

23日　地球滅亡まで「残り100秒」

終末時計　米科学誌

　地球の滅亡まで、残り100秒――。地球が終わるまでの時間を示す「終しゅう末まつ時計」は昨年より20秒進み、公表を始めた1947年以降で最も危機的な状態だと、米国の科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ（原子力科学者会報）」が発表した。核戦争と地球温暖化の二つの恐れがあるのに、米国のトランプ大統領ら世界の指導者が国際的な取り組みを弱めていると指摘した。
　終末時計は、この雑誌が表紙に載せてきた。地球滅亡の時を深夜0時に見立て、核戦争の危機などが高まると時計の針を進め、遠のくと戻す。
　雑誌の最高経営責任者は「世界の滅亡まで秒単位だ。いささかの誤差や遅れも許されない状況」と危機感をあらわにした。

23日　ロヒンギャ迫害防止に緊急命令

国際司法裁判所、ミャンマーに

　ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャについて、国際司法裁判所はミャンマー政府に対し、ジェノサイド（集団殺害）につながる迫害行為を防ぐよう、緊急的な命令を出した。
　イスラム諸国を代表して西アフリカのガンビアが昨年11月、ミャンマー政府によるロヒンギャ迫害がジェノサイドだとして国際司法裁判所に訴えていた。ジェノサイドにあたるかどうかの判決が出るには数年かかるとみられる。

ロヒンギャ
　ミャンマー西部に暮らすイスラム教徒。ミャンマーでは仏教徒が9割近くで、ロヒンギャは少数派。バングラデシュからの移民とみなされ、国籍を持てないなど差別されてきた。2017年8月以降だけで、約70万人が難民になった。

ミャンマーからバングラデシュへ避難したロヒンギャの子どもたち＝2017年11月
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24日　3メートル超の津波　広範囲で高確率

南海トラフ地震

　静岡県の駿する河が湾から九州東方沖まで続く「南海トラフ」。それに沿って起きる地震による津波が今後30年以内に沿岸を襲う確率を、政府が初めて発表した。352市区町村ごとに、3メートル以上、5メートル以上、10メートル以上の3段階の高さについて計算。過去約700年間に周辺で起きた地震をもとに、震源域などを変えた約35万通りの津波をコンピューター上で予測した。
　沿岸を襲う確率は3段階で示した。木造家屋をおし流す3メートル以上の津波で、最も高い「26％以上」となったのは、静岡県の伊豆地方など計71市区町村だった。

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24日　ダボス会議が閉幕

グレタさんも演説

　スイスの非営利財団、世界経済フォーラム（ＷＥＦ）の年次総会（ダボス会議）が1月21日から4日間の日程を終えた。活動家として世界で変化を起こしてきた10代の10人が参加した＝写真は20日の歓迎行事。
　スウェーデンの気候変動活動家グレタ・トゥンベリさん（17）も21日に演説した。「空虚な言葉や約束は沈黙より悪い」と訴え、実効力のある温暖化防止策を求めた。

ダボス会議
　毎年1月、スイス東部のダボスで開かれる総会。世界の政治や経済界の指導者が集まり、世界経済や環境問題など、幅広いテーマで意見を交換する。

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26日　松田選手、東京五輪へ前進

大阪国際女子マラソン

　陸上の大阪国際女子マラソンが行われ、松まつ田だ瑞みず生き選手（24）が日本歴代6位の2時間21分47秒で2度目の優勝を飾った＝写真。
　松田選手は、マラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）ファイナルチャレンジの設定記録（2時間22分22秒）を突破し、東京五輪の代表入りに大きく前進した。
　3人の五輪代表のうち、すでに2人が内定している。3月の名古屋ウィメンズマラソンで松田選手の記録を上回る選手がいなければ、代表入りが決まる。

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26日　幕尻の徳勝龍が優勝の快挙

大相撲初場所

　東京・国技館で開かれた大相撲初場所で、西にし前まえ頭がしら17枚目の徳とく勝しょう龍りゅう（33）が初優勝した＝写真。千せん秋しゅう楽らく（最終日）では結びの一番で大関の貴たか景けい勝しょうに勝ち、14勝1敗の成績を残した。幕まく内うちで番ばん付づけが一番下の「幕まく尻じり」が優勝するのは、2000年春場所の貴たか闘とう力りき（当時・東前頭14枚目）以来2人目の快挙。
　33歳5カ月での優勝は、1年に6場所を行うようになった1958年以降で3番目の年長記録だった。

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27日　アウシュビッツ解放75年

虐殺の犠牲者を追悼

　第2次世界大戦中、ナチス・ドイツがポーランドにつくったアウシュビッツ強制収容所が解放されて、75年を迎えた。ユダヤ人ら約110万人が虐殺された収容所で、1945年1月27日、ソビエト連邦（ソ連、今のロシアなど）が解放した。
　この日は現地で式典が開かれ、ユダヤ人が多く暮らすイスラエルや米国の代表のほか、元収容者200人以上が出席。かつて収容者が銃で殺された「死の壁」の前に花をそなえ、犠牲者に祈りを捧げた＝写真。

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27日　iPS心筋シート　世界初移植

大阪大学

　大阪大学は、さまざまな組織になれるｉＰＳ細胞からつくった心臓の筋肉のシートを、重い心不全の人に移植したと発表した。研究チームによると、ｉＰＳ細胞からつくった組織を心臓に移植するのは世界で初めて。手術は1月に行い、経過は今のところ順調だという。
　今回の移植では、直径4～5センチのシートを3枚、患者の心臓に貼り付けた。

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28日　トランプ大統領、中東和平案発表

イスラエル寄りとパレスチナ反発

　米国のトランプ大統領は、イスラエルとパレスチナの中東和平案を発表した。
　テロ防止など一定の条件を満たせば、独立したパレスチナ国家の樹立を認める。一方で、イスラエルが占領するヨルダン川西岸地区の一部をイスラエル領とするとしている。イスラエル寄りの内容で、パレスチナ側は強く反発している。
　イスラエルとパレスチナは1948年以降、紛争が続いている。

29日　札幌、冬季五輪の国内候補地に

2030年　日本オリンピック委正式決定

　2030年冬季五輪の国内候補地は北海道・札幌になった。日本オリンピック委員会が東京都内で理事会を開き、正式に決定した。国際オリンピック委員会による審査に向けた準備を始める。
　米国のソルトレークシティーやスペインのバルセロナ周辺なども立候補を考えているようだ。札幌市は26年大会の招致を目指していたが、胆い振ぶり東部地震（18年）の影響などで、30年大会に目標を変更した。

29日　高浜原発、夏以降に一時停止へ

テロ対策に遅れ

　関西電力は、福井県高たか浜はま町にある高浜原子力発電所の3、4号機を夏以降、それぞれ5カ月、4カ月間停止させると発表した。建設中のテロ対策施設の完成が遅れているため。
　2011年の東京電力福島第一原発事故後、施設の完成が各原発の期限に間に合わない場合は運転を停止させることが義務づけられていた。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。