朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

12月12日―12月18日

2019年12月22日付

12日 英、1月末にEU離脱へ

総選挙で与党・保守党が大勝

 英国で下院の総選挙(定数650)が行われ、ジョンソン首相=写真=の与党・保守党の議席が過半数の365議席を獲得した。これで保守党の公約通り、2020年1月末に欧州連合(EU)から離脱する見通しとなった。
 英国では16年に国民投票でEUを離脱するという結果が出たが議論が続き、今回の選挙の争点となっていた。離脱後のEUとの通商協議は難航しそうだ。

ジョンソン首相の写真

英下院の勢力図
どちらも(C)朝日新聞社

12日 川崎市、ヘイトスピーチに刑事罰

全国初の条例

 外国にルーツがある市民らを標的にしたヘイトスピーチ(憎悪表現)に刑事罰を科す、全国で初めての条例を川崎市がつくった。この日開かれた定例市議会本会議で可決、成立した。
 差別的な言動を繰り返すと、刑事裁判を経て最高50万円の罰金が科される。罰則は来年7月に施行される。同様の条例づくりに取り組む全国の自治体のモデルになると注目されている。

ヘイトスピーチ
 国籍や人種、宗教など特定の属性を持つ集団への暴力や差別をあおったり、侮辱したりする行為。日本に直接規制する法律はないが、ドイツは刑法でナチスのユダヤ人虐殺を否定する言動を禁じており、英国やカナダには規制法がある。

12日 来年度の税制改正大綱を決定

老後の資金づくり促す内容も

 自民、公明両党は、来年度の与党税制改正たいこうを決めた。「子どもの貧困」に対応するため未婚のひとり親の税負担を軽減したり、「2千万円不足問題」で注目を集めた老後の資金づくりを促したりする内容が盛り込まれた。
 一方、大企業への優遇も目立ち、財政再建より経済成長を重視する首相官邸の意向が色濃く反映された。

税制改正大綱
 与党が税制調査会を中心に、翌年度以降どのように税制を変えるべきかを話し合い、まとめる。政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出する。

13日 卓球シングルス代表、4人確実に

東京五輪

 東京五輪・卓球の男女シングルスの日本代表が出そろった。男子ははりもとともかず選手(16)とこう選手(25)、女子はとう選手(19)といしかわすみ選手(26)。中国での国際大会までの成績で、代表の選考基準を満たすことが確実となった。

張本智和選手の写真

丹羽孝希選手の写真

伊藤美誠選手の写真

石川佳純選手の写真
上から張本選手、丹羽選手、伊藤選手、石川選手
どれも(C)朝日新聞社

13日 米中、関税合戦を「休戦」

追加関税見送り

 米国と中国の両政府は、貿易についての話し合いで「第1段階の合意」を発表した。お互いの輸入品の一部に15日から追加関税をかけることにしていたのを見送った。米国は9月に15%の追加関税をかけた輸入品の一部について税率を7.5%に引き下げるが、それ以前の追加関税の税率は25%のままにするとしている。
 両国は昨年7月から、輸入品に高い関税をかけ合ってきた。貿易をめぐる今回の争いで、両国が関税を引き下げるのは初めて。

米中通商協議「第1段階の合意」のイメージ
(C)朝日新聞社

13日 無形文化遺産、初の取り消し

ベルギー ユダヤ人風刺で

 ユネスコ(国連教育科学文化機関、本部・パリ)は、無形文化遺産に指定されているベルギーのカーニバルについて、今年の祭りでユダヤ人を風刺したことを理由に登録を取り消すことを決めた。AFP通信によると、無形文化遺産の取り消しは初めて。
 今年3月の祭りで、かぎ鼻のユダヤ人がネズミに囲まれ、金の袋に座る山車だしが街を練り歩いたことについて、ユネスコが「反ユダヤ主義的」だと問題視した。

無形文化遺産
 芸能や祭り、工芸技術といった「形のないもの」を対象に、ユネスコが保護すべきものをリストに登録する。日本からは能楽や歌舞伎、和食などが登録されている。

ベルギー周辺国の地図

15日 温室ガス削減へ成果なし

COP25閉幕

 地球の環境問題を話し合う第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COPコップ25)がスペインで閉幕した。会期を2日間延長したが、成果を示す文書には、削減目標を引き上げるよう強く求める内容は盛り込まれなかった。
 会議には197の国・地域が参加。地球温暖化を防ぐための国際ルール「パリ協定」には「気温上昇を産業革命前より2度未満、できれば1.5度に抑える」という目標がある。会議では、温室効果ガスの排出量を減らす目標の引き上げを各国がどう打ち出すか、注目された。しかし、削減に後ろ向きな排出量の多い国と、他の国とで意見が合わなかった。

15日 国立競技場の内部を公開

観客席はモザイク状

 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる国立競技場(東京都新宿区)の内側が、完成後初めて報道陣に公開された=写真。木をたくさん使った「もりのスタジアム」がコンセプト。約6万の観客席はモザイク状に5色が配置されている。

国立競技場の写真
佐藤美咲撮影

17日 競泳・池江選手が退院

2024年パリ五輪へ意欲

 白血病で闘病している競泳女子のいけ選手(19)=写真=が、自身のツイッターなどで退院したことを発表した。池江選手は今年2月に発病し、一時退院をはさみながら治療を続けていた。
 今後の競技活動については「医師と相談しながら、水中トレーニングが可能になり次第開始します。2024年のパリ五輪出場、メダル獲得という目標で頑張っていきたい」と記しており、関係者によると、20年の東京五輪への出場は断念する。

池江璃花子選手の写真
(C)朝日新聞社

17日 聖火リレー、第1走者はなでしこ

2011年優勝メンバー

 2020年3月26日に始まる東京五輪聖火リレー第1走者が発表された。東日本大震災が起きた11年のサッカー女子ワールドカップで優勝した日本代表「なでしこジャパン」のメンバーが務める=写真。福島第一原子力発電所の事故の対応拠点だったスポーツ施設「Jヴィレッジ」(福島県なら町、ひろ町)を走る。
 リレー走者の総数は約1万人で、各地でこの日、一部が発表された。

東京五輪聖火リレー第1走者発表の写真
(C)朝日新聞社

17日 日本の男女平等、過去最低に

世界経済フォーラムが調査

 世界経済フォーラムが、各国の男女格差(ジェンダーギャップ)を調べた「男女格差報告書」を発表した。日本は前年の110位からさらに順位を下げ、過去最低の121位。アイスランドが11年連続で1位になるなど、北欧の国々が上位を占めている。
 経済、教育、健康、政治の4分野で計14項目を調査した。今回の対象は153カ国。日本は9月の内閣改造まで女性の大臣が1人しかいなかったことが、順位の低下に影響した。

18日 トランプ大統領、弾劾裁判へ

米国史上3例目

 米国のトランプ大統領について、米下院はトランプ氏を「権力の乱用」と「議会の妨害」でだんがいついすることを決めた。米大統領が弾劾訴追されるのは、21年ぶりで史上3例目。来年1月から上院で弾劾裁判が行われる見通し。
 トランプ氏は、来年11月の大統領選挙の有力候補であるバイデン前副大統領について、息子に関する疑惑を調べるようウクライナ政府に圧力をかけた疑いがある。大統領を辞めさせるには、上院で3分の2以上の賛成が必要となる。現在、上院ではトランプ氏の共和党が100議席中53議席を占めるため、辞めさせられる可能性は低い。しかし、トランプ氏が再選を狙う大統領選にも影響が出るとみられている。

弾劾
 公職にある人が悪い行いをした場合に、議会が指摘して辞めさせたり、処罰したりする手続きのこと。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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