朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

11月27日―12月4日

2019年12月8日付

11月27日 米国で香港人権法が成立

「高度な自治」守られているか調査

 米国のトランプ大統領が「ホンコン人権・民主主義法案」に署名し、同法が成立した。
 香港が1997年に英国から中国に返還されてから、中国は「一国二制度」に基づき香港の「高度な自治」を約束してきた。同法は、約束が守られているか米国務省が毎年調べ、米議会へ報告させる内容。約束が守られていないと大統領が判断すれば、香港の経済面での優遇が見直される可能性がある。米国として香港のデモ隊などを支援する立場を示した。
 中国側は強く反発しているが、香港では民主派を支持する市民から歓迎の声が上がった。

28日 パナソニック半導体撤退

台湾メーカーに270億円で売却

 電機メーカーのパナソニックは、60年を超す歴史がある半導体事業をやめると発表した。台湾の半導体メーカーに約270億円で売却する。半導体事業は日本の経済成長を支えてきたが、韓国や台湾勢との競争が激しく、赤字が続いていた。

半導体
 電気を通さない「絶縁体」と、電気を通しやすい「導体」の中間の性質を持つ物質。温度が高まるほど電気が伝わりやすくなる。テレビなど家電製品や自動車部品などに幅広く使われる。

28日 即位パレードの車を一般公開

東京・迎賓館 来年1月5日まで

 天皇陛下の即位に伴うパレード「しゅくおんれつ」に使われたオープンカー=写真=の一般公開が、東京都港区のげいひんかん赤坂離宮で始まった。来年1月5日まで。京都迎賓館での展示は同9日から3月17日までの予定。
 パレード後に取り付けられたナンバープレートは、パレードの日にちなんで「11―10」となっている。

「祝賀御列の儀」に使われたオープンカーの写真
(C)朝日新聞社

29日 五輪・パラ記念硬貨37種出そろう

1万円金貨4万枚発行

 政府は、2020年の東京五輪・パラリンピックの記念硬貨12種類の図柄を公表した。発行が予定される37種類の記念硬貨がすべて出そろった。
 今回公表されたのは1万円、1千円、500円、100円硬貨。このうち1万円金貨は、国立競技場を背景に走る聖火ランナーが描かれ、「しんたい」の文字が刻まれている。4万枚を発行し、価格は税込みで12万2223円。1千円銀貨はボクシングの選手などがデザインされた。
 1万円、1千円硬貨は来年2月19日から購入の申し込みが始まる。

29日 中曽根元首相が死去

101歳 国鉄など民営化

 なかやすひろ元首相=写真=が亡くなった。101歳だった。
 群馬県生まれ。28歳で衆議院議員に初当選。2003年に引退するまで20回の当選を重ねた。原子力発電を進めたほか、1982年に首相になると、国鉄(現JR)や電電公社(現NTT)、専売公社(現JT)の民営化を進めた。また、当時のレーガン米大統領と親しい関係を築き、日米関係の強化に努めた。憲法改正を終生唱え続けた。

中曽根元首相の写真
(C)朝日新聞社

29日 英語民間試験 8割活用せず

国立大

 大学入学共通テストへの英語民間試験の導入が見送られたことを受け、2020年度に行う一般選抜で、国立大学のおよそ8割が活用しないことがわかった。
 全国82校のうち78校がほぼ全学部で活用する予定だったが、東京大学や京都大学など61校が取りやめた。大量の成績を評価するのが難しいと判断する大学が多かった。
 未定としていた東京学芸大学も12月3日までに「活用しない」と発表した。

英語民間試験の一つで使われるタブレット端末の写真
英語民間試験の一つで使われるタブレット端末
(C)朝日新聞社

30日 新国立競技場が完成

面積3.7倍拡大、6万人収容

 2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都)が完成した=写真。開会式や閉会式などが行われる。
 地上5階・地下2階建てで、のべ面積は前の国立競技場の3.7倍あり、約6万人を収容する。デザインは建築家のくまけんさんらが手がけ、47都道府県の木材を使った。

新国立競技場の写真
(C)朝日新聞社

12月1日 運転免許証、旧姓併記も可能に

住民票やマイナンバーにならい

 運転免許証の氏名の欄に、旧姓をあわせて記せるようになった。
 法令の改正で11月5日から住民票やマイナンバーカードで旧姓も載せられるようになり、運転免許証もならうことにした。旧姓での身分の確認などに使えるため、便利になりそうだ。

1日 森選手が日本勢個人で初の金

トランポリン世界選手権

 トランポリン世界選手権の最終日、男女の個人決勝があった。女子はもりひかる選手(20)=写真=が個人として日本勢で初めて優勝し、東京五輪の代表に内定した。男子はさかいりょうすけ選手(22)が5位に入り、五輪代表に内定した。
 今大会で、日本は四つの金メダルを獲得した。

森ひかる選手の写真
(C)朝日新聞社

1日 ながら運転防止へスマホ厳罰化

反則金など これまでの3倍に

 スマートフォンや携帯電話などを使いながら、車を運転する「ながら運転」の罰則が厳しくなった。運転中、手に持って通話したり画面に見入ったりすることは道路交通法で禁止されているが、違反した時に払う反則金や、免許の停止や取り消しにつながる違反点数が、これまでの3倍ほどになった。事故を防ぐねらいだ。
 警察庁によると、スマホの使用などが原因の事故は昨年2790件あり、うち死亡が42件だった。

2日 温暖化対策へCOP25開幕

パリ協定運用に向け合意できるか

 環境問題などを話し合う第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COPコップ25)が、スペインの首都マドリードで始まった。
 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が来年から本格的に実施される。温室効果ガスの排出量を21世紀後半に「実質ゼロ」にすることなどを目標としているが、達成するには、世界中で今以上に温室効果ガスを減らすことが欠かせない。
 COP25では、各国が削減目標を引き上げるか、パリ協定の運用の具体的な仕組みづくりで合意できるかなどが焦点だ。

2日 流行語大賞は「ONE TEAM」

ラグビー日本代表のスローガン

 今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2019ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。年間大賞には、ラグビー・ワールドカップで初の8強入りを果たした日本代表=写真=のスローガン「ONE TEAM」が選ばれた。
 トップ10には、タピオカドリンクのブームを表す「タピる」、新元号の「令和」などが選ばれた。

ラグビー・ワールドカップで初の8強入りを果たした日本代表選手達の写真
(C)朝日新聞社

3日 日本の読解力また落ちる

79の国・地域 学習到達度調査で

 79の国・地域で約60万人が参加した2018年の国際的な学習到達度調査(PISAピザ)で、日本の「読解力」の平均点と順位が2回続けて落ちた。経済協力開発機構(OECD)が公表した。
 読解力は前回より12点低い504点で、8位から15位に。インターネット上の多様な文章から情報を探す問題や、考えが人に伝わるよう理由を示して説明する自由記述形式の問題で、正答率が低かった。
 「科学的リテラシー」は前回の2位から5位、「数学的リテラシー」は同5位から6位となった。いずれも順位は下がったが、トップレベルを保った。

PISA
 OECDが15歳(日本は高1生)を対象に、2000年から3年ごとに3分野の力を調べるテスト。15年以降はコンピューターを使う。日本は03年の調査で、読解力の順位が急落。文部科学省が全国学力調査など「脱ゆとり」政策を進めるきっかけとなった。

日本の成績の変化のグラフ
(C)朝日新聞社

4日 日米貿易協定を承認、来月発効

農産品の関税下がる

 日米貿易協定が国会で承認され、成立した。来年1月1日に発効する予定。貿易協定では、牛肉や豚肉など米国の主要農産品の関税が、環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟国並みに、発効と同時に引き下げられる。日本からの輸出では、工業品を中心に関税が下がるものの、自動車に関連する関税の撤廃は協議を続けることとなった。
 これを受けて、政府は国内の農林水産業の新たな支援策をまとめた。今年度の補正予算に約3250億円の対策費を計上する方向で調整中だ。

4日 医師の中村哲さん、銃撃され死亡

NGO代表 アフガンで支援中

 アフガニスタンで活動する日本のNGO「ペシャワール会」の現地代表で、医師のなかむらてつさん(73)=写真=の乗った車が、アフガニスタン東部で何者かに銃で襲われ、中村さんら計6人が死亡した。現場は反政府勢力「タリバーン」や過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織、政府軍が戦う激戦地。タリバーンは犯行を否定する声明を出した。
 アフガニスタンでの2000年の大干ばつをきっかけに、中村さんは医療だけでなく、農業用水路の建設にも着手。約1600本以上の井戸を掘った。30年以上にわたる活動を認められ、同国のガニ大統領から昨年2月に勲章、今年10月に名誉市民権を授与された。
 ペシャワール会の一員としてアフガニスタンでのべ4年間、ともに活動したはすおかおさむさんは「人を死なせないのが医療」という中村さんの言葉が印象深いと話す。「薬や治療の前に、きれいな水。まずは人を生かすこと。現地に密着しないと出ない発想です」。住民のアイデアも加えた支援を続けた中村さんに、現地の人から敬意が芽生えた。「人を支援するのに大切なのは信頼関係だという姿勢を、中高生のみなさんにも伝えたい」

中村哲さんの写真
(C)朝日新聞社

アフガニスタンの地図

4日 五輪・パラ 国の支出1兆円超

会計検査院が集計

 会計検査院は、2020年の東京五輪・パラリンピックの関連事業に対する国の支出が約1兆600億円に達しているとの集計結果を公表した。
 政府と大会組織委員会が国の予算額などとして公表しているのは、合わせて約2880億円。検査院がすでに支出したと認定した額は、その4倍程度となり、大きな開きがある。
 会計検査院は、国費が正しくむだなく使われているかをチェックする国の機関。国会の要請を受けて、340の事業にかかった国の費用を調査した。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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