朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

9月25日―10月2日

2019年10月6日付

25日 今世紀末、海面上昇1メートル超えも

地球温暖化で 国連機関報告

 今のペースで温室効果ガスを出し続ければ、今世紀末に海面上昇が1メートルを超える可能性がある――。こうした報告書を国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した。
 100年に1度しか起きないような高潮などが、今世紀末までに毎年どこかで起きるようになると警告。温暖化対策をせず世界の平均気温が産業革命前から最大4.8度上昇する場合、2100年の平均海面は1986~2005年に比べて84センチ(61~110センチ)上昇する可能性がある。2300年には数メートルに達する可能性があるという。

26日 シラク元仏大統領が死去

イラク戦争に反対

 親日家として知られたフランスのジャック・シラク元大統領=写真=が死去した。86歳だった。3度目の挑戦だった1995年の大統領選挙に当選し、2期12年務めた。
 大統領就任直後に核実験を再開して批判される一方、米国が主導したイラク戦争に反対を貫くなど、独自外交を展開した。来日すると、しばしば大相撲を観戦した。

ジャック・シラク元大統領の写真
(C)朝日新聞社

26日 聖火ランナーに53万人超が応募

抽選で1万人 年内に通知

 2020年東京五輪の大会組織委員会は、全国の都道府県や公式スポンサー4社による約1万人の聖火ランナー募集に対し、のべ53万5717人から応募があったと発表した。今後、各都道府県や4社の選考を経て、組織委がランナーを決定し、年内にメールで通知するという。
 五輪の聖火リレーは来年3月26日~7月24日、福島県のJヴィレッジを出発して全国をめぐり、新国立競技場にゴールする=写真はユニホーム姿の公式アンバサダー。

アンバサダーの写真
(C)朝日新聞社

27日 御嶽山噴火から5年

山頂付近で追悼

 死者・行方不明者計63人を出したおんたけさん(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害から5年となった。噴火した時刻の午前11時52分、いまだ一部しか立ち入れない山頂付近=写真=で、登山者らが失われた命をいたんだ。昨年9月に除幕された慰霊碑の前には、花束や千羽鶴などが供えられた。

御嶽山の地図

御嶽山の山頂付近の写真
(C)朝日新聞社

27日 外国人の子2万人、不就学か

文部科学省 初の調査

 日本に住む外国人の子どもで、小中学生にあたる約12万4千人のうち、約2万人が学校に通っていない可能性があるとわかった。文部科学省が初の全国調査の結果を公表した。東京都が最多の7898人。神奈川県が2288人、愛知県が1846人と続く。
 日本では、外国人の保護者には子どもを小中学校に通わせる義務はなく、日本語指導などの支援が不十分な学校もある。就学状況を教育委員会が確かめていない子も1万人近くいた。

27日 関電会長ら20人に3億2千万円

福井・高浜町の元助役から

 関西電力の社長や会長を含む役員ら20人が、関電たかはま原子力発電所がある福井県高浜町の元助役(故人)から、計約3億2千万円分の金品を受け取っていた。関電がこの日、記者会見で明らかにした。町の有力者だった元助役が、原発の工事を請け負う会社から金を受け取り、関電側に渡していた。
 関電は10月2日、昨秋まとめた社内調査報告書を公表した。原子力部門を中心に2006~17年に現金や金貨などを受け取り、うち2人には1億円超が渡っていた。大半は返還したという。関電側は元助役との面会で原発関連工事の情報を渡していた。会見では、工事とは直接の関係はないと説明した=写真。

高浜原子力発電所の地図

記者会見の写真
(C)朝日新聞社

29日 鈴木雄介選手、競歩初の「金」

陸上の世界選手権 男子50キロ

 中東カタールのドーハで開かれている陸上の世界選手権の男子50キロ競歩で、すずゆうすけ選手(31)が、4時間4分20秒で優勝した=写真。競歩での日本勢の金メダルは世界選手権、五輪を通じて初めて。
 28日深夜にスタート。気温は30度を超え、湿度も70%以上だった。鈴木選手は東京五輪代表に内定した。

鈴木雄介選手の写真
(C)朝日新聞社

30日 看護職6万~27万人不足

2025年推計 特に都市部で

 厚生労働省は、看護師や准看護師などの看護職員が2025年に6万~27万人程度不足するとの推計を発表した。高齢者が今後急増する都市部での不足が目立つ。厚労省は看護師養成のあり方や復職の支援、地域の偏りへの対策を検討する。
 保健師や助産師を含む看護職員は現在約167万人。年々増え続けているが、すでに地域や医療機関によっては深刻な状況に陥っている。夜間救急を中止したり、入院患者の受け入れを制限したりしている例もある。

都道府県別の看護職員過不足を需給の比率ごとに色分けした画像
(C)朝日新聞社

30日 JCO臨界事故から20年

茨城・東海村

 国内の原子力施設で初めてばくによる死者を出した茨城県とうかい村の核燃料加工会社「JCOジェーシーオー」の臨界事故から20年となった。事故時の作業員への医療体制の不備は、2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故でも問題になり、現場に医師らを送る仕組みづくりが電力会社に求められるようになったが、全国で再稼働した5原発すべてでいまも実現していない。
 臨界事故はJCOの東海事業所で1999年に起きた。不適切な作業から、核分裂反応が連続して起きる「臨界」が発生し、人体への害が大きい中性子線などが大量に出た。間近で作業した2人が翌年4月までに死亡。周辺住民ら計666人が被曝した。

30日 国家公務員男性 育休最多に

取得率21.6%、1350人

 国家公務員の働き方などを管理する人事院は、2018年度の男性国家公務員(一般職)の育児休業(育休)の取得率が、前年度から3.5ポイント増え、21.6%になったと発表した。制度ができた1992年以降で最高。取得した人数も1350人で過去最多となった。一方、女性の取得率は99.5%(1910人)だった。

育児休業
 働く人が、子育てを目的に休みを取ること。男女とも原則、子どもが1歳になるまで取れる。男性は取りづらい場合が多く、男女の取得率に大きな差がある。

10月1日 消費税10%に

軽減税率、ポイント還元も、複雑

 消費税の税率が、8%から10%に引き上げられた。政府は増税にあわせ、飲食品と新聞の税率を8%のままにする軽減税率を初めて導入。現金を使わないキャッシュレス決済へのポイント還元なども実施し、景気への影響を最小限に抑えたい考えだ。
 消費税の増税は2014年4月以来、5年半ぶり。1989年4月に税率3%で導入されてから30年たち、3度目の引き上げで税率は2桁になった。
 飲食品の税率は8%だが、店内で飲食した場合は10%と仕組みは複雑だ。ポイント還元制度は来年6月末まで、中小店舗でキャッシュレス決済すると現金5%相当(コンビニなどのフランチャイズ店は2%)のポイントが戻る。還元対象の登録店は、経済産業省によると10月1日現在で約50万店。対象とされる中小の店約200万店の4分の1ほどにとどまる。

キャッシュレス決済
 買い物などで、現金を使わず支払うこと。クレジットカードや、Suicaスイカなどの交通系ICカード(電子マネー)、スマートフォンアプリを使ったQRコード決済などがある。

ポイント還元の登録店に貼られた表示の写真
ポイント還元の登録店に貼られた表示=東京都中央区のローソン

消費税率の変化のグラフ

1日 中国 建国70周年で祝賀ムード

香港では抗議デモ けが人も

 中国が1949年の建国から70周年を迎えた。首都・キンにあるてんあんもん広場では、最新の兵器が登場し、過去最大規模の軍事パレードが開かれた=写真左は祝賀式典であいさつするシーチンピン国家主席。各地で高層ビルがライトアップされるなど、街はお祝いムードとなった。
 ホンコンでも建国を祝う式典が開かれたが、中国と香港の両政府に対する抗議デモが10カ所以上であり、デモ隊と警察が衝突した=同右。警察官が実弾入りの銃で、18歳の男子高校生に発砲。高校生は大けがをしたが、緊急手術で命をとりとめた。6月頃から続く抗議デモで、参加者が実弾で撃たれたのは初めてとみられる。

天安門広場であいさつする習近平国家主席の写真

香港の抗議デモの写真
どちらも(C)朝日新聞社

2日 北朝鮮が弾道ミサイル発射

日本のEEZに落下

 日本政府は、北朝鮮の東岸から日本海に向けて、弾道ミサイルが発射されたと発表した。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。北朝鮮が日本の排他的経済水域内へ弾道ミサイルを発射したのは、青森県の沖合に落ちた2017年11月以来。弾道ミサイルであれば、国連の安全保障理事会の決議に違反する。
 韓国政府は、ミサイルは東部のウォンサン付近から飛び、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の可能性があると発表した。潜水艦からの発射は、攻撃の兆しをつかみにくいという。

排他的経済水域(EEZ)
 沿岸から12カイリ(約22キロ)までの「領海」よりも外側で、200カイリ(約370キロ)までの海域。どの国も自由に行き来できるが、漁業や天然資源を得るなどの権利は、その国にあるとされる。

日本の排他的経済水域と北朝鮮から発射された弾道ミサイルの落下地点を表した地図
(C)朝日新聞社

2日 佐々木朗希投手、プロ志望表明

高校生最速163キロ 岩手・大船渡高

 高校生最速の球速163キロを記録した岩手県立おおふな高校3年のろう投手(17)が、大船渡市内で記者会見し、プロ志望を表明した=写真。「高いレベルに挑戦したい」と語った。
 学生服姿で報道陣30社79人の前に登場した佐々木投手は意中の球団を問われ、「12球団、どこでも頑張りたい」と答えた。10月17日に開かれるドラフト会議では、多くの球団が1位指名すると予想される。
 2011年の東日本大震災の被災地で育った佐々木投手。「震災の時にたくさんの方々に支援していただいた。その恩返しをできたらなと思う」と、地元への思いも口にした。

佐々木朗希投手の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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