朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

8月7日―8月15日

2019年8月18日付

7日 浅間山が4年ぶりに噴火

警戒レベル3に

 気象庁は、長野県と群馬県にまたがるあさ山の山頂火口で小規模の噴火が発生し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から3(入山規制)に引き上げた、と発表した=写真は8日、白い噴煙をあげる浅間山。専門家は、ごく小さな噴火だったとみている。浅間山の噴火は2015年6月以来。

噴火警戒レベル
 気象庁が火山の噴火について注意を呼びかける制度。全国48の火山で、警戒が必要な範囲と、住民らがとるべき防災対応を、レベル5の「避難」から「避難準備」「入山規制」「火口周辺規制」「活火山であることに留意」までの5段階で示す。

浅間山の山頂火口の写真
(C)朝日新聞社

8日 汚染水タンク、3年後満杯に

福島第一 東電が見通し

 東京電力は、福島第一原子力発電所で発生する、放射性物質を含んだ汚染水をためるタンク=写真=が、2022年の夏ごろに満杯となる見通しを初めて明らかにした。
 原発の原子炉では、溶け落ちた核燃料を冷やすために水を注入。その結果、発生する汚染水は1日150トン以上のペースで増え続けている。タンクを増やしてためているが、タンクをつくる敷地の確保が難しくなっている。

汚染水タンクの写真
(C)朝日新聞社

8日 大学進学率53.7% 過去最高

文科省調査 小中学生数は最少

 2019年春の大学進学率は53.7%、専門学校などを含めた高等教育機関への進学率は82.6%で、いずれも過去最高になったことが、文部科学省の学校基本調査(速報値)でわかった。大学の学部生に占める女性の割合は45.4%で、こちらも過去最高だった。
 一方、義務教育学校を除く小学生は前年度から5万9千人減り約636万9千人、中学生は3万4千人減り約321万8千人。いずれも過去最少を更新した。

8日 がん「3年生存率」 微増72.1%

国立がん研究センター 部位により差

 国立がん研究センターは、がんと診断された人が3年、5年後に生存している割合を示す「3年生存率」と「5年生存率」の最新データを公表した。すべてのがんの平均の3年生存率は72.1%で、初めて公表した昨年から0.8ポイント上昇した。
 3年生存率は、どの治療法が有効かを早く評価できる目安となる。進行がゆっくりな前立腺がんは99.2%、乳がんが95.2%と高い一方、すい臓がんは16.9%と部位により差がみられた。

9日 森友問題、検察の捜査終わる

全員再不起訴「問題認定は困難」

 財務省が学校法人森友学園(大阪市)に、国有地を大幅に値引きして売り、文書を書き換えた問題で、大阪地方検察庁特別捜査部(特捜部)は、市民らによる大阪第一検察審査会(検審)が「訴えないのは不当」と議決したがわのぶ寿ひさ・元同省理財局長ら10人を再び起訴しないことを決めた。これで特捜部の捜査は終わった。
 地中のごみをてっきょする費用として約8億2千万円を値引き、国に損害を与えたことについて、検審は「捜査を尽くすべき」と指摘していた。しかし、特捜部は「撤去費が適正でなかったと認めるのは困難」とした。

9日 長崎 原爆投下から74年

「被爆十字架」米国から返還

 長崎は、米国による原爆投下から74年を迎えた。長崎市の平和公園で平和祈念式典があり、うえとみひさ市長は核軍縮とは逆の方向に向かっている国際情勢に危機感を示し、日本政府に核兵器禁止条約への署名、じゅんを促した。
 この日を前に、原爆で崩壊したうらかみ天主堂(長崎市)のがれきの中で見つかり、米国で保管されていた「被爆十字架」が7日、浦上教会に返された=写真。
 浦上教会などによると、原爆投下後の長崎に駐留していた米海兵隊員が、十字架を譲り受けたとされる。

被爆十字架の写真
(C)朝日新聞社

9日 最低賃金の地域間格差、1円縮小

16年ぶりの改善

 2019年度の最低賃金(時給)の改定額が、全都道府県で出そろった。最高は東京の1013円で、神奈川とともに初めて1千円を超えた。最低額は790円で15県が並ぶ。東京と最低県の地域間の格差は223円で、18年度の224円から1円縮小する。金額差の改善は16年ぶり。
 厚生労働省の審議会は7月末、引き上げの「目安」を示した。引き上げ目安を上回る改定額を出したのは19県。700~800円台の地域が目立ち、東京との金額差をわずかに縮めることになった。18年度、最も低い鹿児島(761円)は目安の26円を3円上回る29円の引き上げで、単独の最下位を脱出する。29円の引き上げ額は全国で最も高い。

9日 セーリング 吉田・吉岡組が銀

470級世界選手権 東京五輪内定

 神奈川県で開かれたセーリングの470級世界選手権で、女子のよしあい選手=写真左=とよしおか選手=同右=の組が銀メダルを取り、2020年東京五輪の代表に内定した。優勝した昨年から2年連続のメダル獲得。吉田・吉岡組は2大会連続の五輪出場で、吉田選手は別の選手と出場した08年の中国・キン大会から4大会連続となる。

セーリング
 1人または2人乗りの小型ヨットで、帆に受けた風の力を利用しながら海上に設置されたコースを回り、着順を競う。風や波の状況をふまえたスピードやテクニックが求められる。

吉田愛選手と吉岡美帆選手の写真
(C)朝日新聞社

12日 バスケ・八村選手が35得点

強化試合 日本-ニュージーランド

 8月末から中国で開かれるバスケットボール男子のワールドカップ(W杯)に向けた国際強化試合が千葉市で行われ、世界ランキング48位の日本が、同38位のニュージーランドに99―89で勝った。
 6月の米プロバスケットNBAのドラフトで、日本選手として初めてウィザーズから1巡目指名されたはちむらるい選手(21)=写真中央=が先発。チームトップの35得点を挙げて勝利に貢献した。

八村塁選手の写真
(C)朝日新聞社

12日 韓国、ホワイト国から日本外す

輸出規制強化で報復か

 韓国の産業通商資源省は、武器に使われる恐れのある機械などの輸出手続きを簡単にできる輸出優遇対象国(ホワイト国)に定めている29カ国から、日本のみを外す制度改正案を発表した。韓国側はいつも通り輸出のあり方を見直しただけだと説明するが、日本が韓国をホワイト国から外したことへの報復とみられる。9月中に施行する見込みだ。
 日本と韓国は、第2次世界大戦中に日本の工場などで働かされた人々「ちょうようこう」の問題をめぐり、関係が悪化している。

12日 日航機墜落事故から34年

犠牲者を思い慰霊登山

 日本航空のジャンボ機が墜落し、520人が亡くなった事故から34年がたった。現場となったたかの尾根(群馬県うえ村)で遺族らがれいのための登山をした。
 80歳を超えた高齢の遺族や事故後に生まれた若い人たちが慰霊碑に手を合わせたり、シャボン玉を飛ばしたりして、犠牲者に思いを寄せた=写真。

日航機墜落事故
 1985年8月12日午後6時56分、はね発大阪行き日本航空123便(ボーイング747型機)が途中で操縦できなくなり、群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落。乗客・乗員524人のうち520人が死亡した。単独機の事故では今も世界最悪。

慰霊の写真
(C)朝日新聞社

12日 香港空港 デモで全便欠航に

「逃亡犯条例」改正案めぐり

 中国・ホンコンから中国本土に刑事事件の容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、撤回を求める市民らが香港国際空港のロビーなどを一時せんきょ=写真。混乱のため、この日の夕方以降に発着する予定だった日本路線を含むほぼ全便が欠航となった。
 12、13日の2日間で欠航は600便以上。14日も運航の取り消しが相次いだ。

香港国際空港のデモの写真
(C)朝日新聞社

12日 エボラ出血熱 新薬で生存率9割

WHOなどが発表

 アフリカ中部のコンゴ民主共和国で行われているエボラ出血熱の治療薬の臨床試験で、2種類の新しい薬のどちらかを早い段階で使うと、患者の生存率が9割に達することがわかった。ウイルスが人間の細胞に入るのを防ぐ働きがあるとみられる。世界保健機関(WHO)などが発表した。
 エボラ出血熱の死亡率は約5割と高く、有効な治療法も見つかっていない。コンゴ民主共和国では昨年8月から感染が広がり、これまでに約1800人が亡くなっている。

エボラ出血熱
 エボラウイルスに感染して起こる病気。高熱や頭痛などの後、おうや下痢、出血などの症状が出る。患者の血液など体液に触れた際、傷口や粘膜などからウイルスが入って感染する。ワクチンや治療法は開発途上で、まだ見つかっていない。

13日 パラチケット申し込み、22日から

組織委が発表 9月9日まで

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、日本国内に住む人向けのパラリンピックのチケット抽選申し込み受け付けを22日から公式サイトで始めると発表した。開閉会式と全22競技が対象。9月9日の午前中までで、10月2日に抽選結果を通知する。1人あたりの当選枚数は、五輪と同じ最大30枚。
 車いす利用者と同伴者のペアチケットなど、グループ向けの企画チケットもある。競技の一般チケットの最高額は水泳の決勝、車いすバスケットボール決勝・3位決定戦で7千円。最も安いのはカヌーやゴールボールなど5競技の900円。

13日 米軍ヘリ墜落事故から15年

沖縄国際大で「平和の集い」

 沖縄県わん市の沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故から15年になるこの日、墜落で焼けたアカギの木の前で、大学が「平和のつどい」を開いた。
 職員や学生ら100人余りが参加。市の面積の4分の1を占める米軍てん飛行場の「即時閉鎖・撤去」を求める声明も発表された。
 一方で、大学が7月に行ったアンケートでは、8割を超える学生が事故について詳しく知らなかった。

15日 天皇陛下、「深い反省」受け継ぐ

令和初の終戦の日

 終戦から74年となったこの日、第2次世界大戦で亡くなった人たちに思いを寄せる全国戦没者ついとう式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。
 5月に即位した天皇陛下が、皇后さまとともに初めて出席=写真。昨年までの上皇さまと同様、「深い反省」という言葉を交えながら「おことば」を述べた。
 令和になって初の追悼式には、全国の遺族ら約6200人が参列。戦争で亡くなった約310万人を思い、再び戦争をしないと誓った。
 追悼式では、正午から参列者全員で1分間、もくとうした後、天皇陛下が「深い反省の上に立って、再び戦争のさんが繰り返されぬこと」を心から願うとするおことばを述べた。

天皇陛下と皇后さまの写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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