朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月2日―7月11日

2019年7月14日付

2日 TOEIC、共通テストから撤退

大学入試 成績提供の対応難しく

 ビジネス向けの英語の試験として知られるTOEICトーイックが、2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間試験に参加しないことになった。成績の提供などを、大学入試センターが求める通りに行うことが難しいためという。
 大学入試センターは昨年、英検やジーTECテック、TOEICなど8種の試験の参加を認めたが、取り下げは初めて。

4日 セブンペイ、入金と登録停止

不正アクセス被害5500万円

 コンビニ最大手のセブン―イレブンが1日に始めたスマートフォン決済「セブンペイ」で、利用者の一部が不正アクセスの被害を受けていたことが判明し、セブン&アイ・ホールディングスは、この日の午前6時時点の試算で被害が約900人、約5500万円分と発表した。セブンペイの登録者数は約150万人。セブンペイへの入金は全面停止、新規登録も停止された。

スマートフォン決済
 スマートフォンで、専用の読み取り機を通じて、商品の代金や交通運賃などの支払いができる電子決済サービス。利用する本人のアカウントを前もって作り、電子マネーやクレジットカードなどの情報を登録する。

4日 韓国への輸出規制強化を発動

政府「安全保障として」

 日本政府は、韓国への輸出を規制する強化策の「第1弾」を発動した。対象は半導体などの材料3品目。日韓両政府は、第2次世界大戦中に日本の工場で働かせた朝鮮半島の人(元ちょうようこう)に賠償金を支払うよう、韓国の裁判所が日本企業に命じたことについて対立している。規制強化は日本側の対抗措置とみられるが、日本政府は安全保障上の規制だとしている。
 韓国のムンジェイン大統領は8日、「前例のない非常事態だ」と述べ、強い危機感を表明した。輸出に頼る韓国経済のなかでも、半導体は輸出総額の約2割を占める。

5日 景気「下げ止まり」に引き上げ

5月の動向指数

 内閣府は、工場での生産など景気に敏感に反応する指標をまとめた「景気動向指数」の5月分の判断について、これまでの「悪化」から「下げ止まり」に引き上げた。生産や出荷の改善が主な要因。景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」から、2カ月で抜け出した。
 ただ、米国と中国の貿易をめぐる対立や、10月に予定されている消費増税で節約の傾向が高まるなど不安材料があり、先行きは不透明な状態が続く。

6日 百舌鳥・古市古墳群が世界遺産

自然遺産と合わせて23件に

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は「舌鳥ふるいち古墳群」(大阪府堺市、びき市、ふじでら市)を世界文化遺産に登録することを決めた=写真上は「にんとく天皇陵」として知られるだいせん古墳。国内の文化遺産は19件目。自然遺産と合わせると23件となる。
 7日には米国人建築家フランク・ロイド・ライト(1867~1959)の建築群の世界文化遺産登録も決まった。親日家として知られ、帝国ホテル旧館など多くの作品を残している。登録されたのは、米国のグッゲンハイム美術館=写真下=など8件。

大山古墳を上空から撮った写真

グッゲンハイム美術館の建物の写真
どちらも(C)朝日新聞社

8日 イラン、核合意に再び違反

米国務長官は批判

 イラン原子力庁は、ウランの濃縮度について、2015年の核合意で定められた上限(3.67%)を超えたと明らかにした。核合意は、イランが核開発を制限する代わりに欧州連合(EU)などが経済制裁をゆるめる約束。濃縮度を高めていくと核兵器開発につながる恐れがある。
 イランと敵対する米国のポンペオ国務長官はツイッターで、「イランの核開発の拡大は、さらなる孤立と制裁につながる」と批判した。

9日 ハンセン病家族訴訟、控訴せず

国、地裁判決受け入れ賠償

 ハンセン病の元患者の家族への賠償を国に命じた熊本地方裁判所の6月28日の判決について、しんぞう首相は、こうしないと発表した。家族が人権侵害で苦しい思いをしてきたことを考え、判決を受け入れた。
 ハンセン病は確実に治る病気で、感染力も弱いとわかった後も、国は1996年まで患者を療養施設に隔離する政策を続けた。元患者の家族561人が国に損害賠償と謝罪を求める集団訴訟を起こしていた。

11日 「はやぶさ2」2回目の着陸成功

小惑星リュウグウ

 宇宙航空研究開発機構(JAジャXAクサ)は、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」への再着陸に成功したと発表した。地下の物質を取れた可能性が高いとしている。
 はやぶさ2は、およそ46億年前、太陽系ができたころのままの物質を取ってくるミッションに挑んでいる。今年2月、最初の着陸で、リュウグウ表面の砂や石を取ることに成功した。
 4月には人工のクレーターをつくっており、今回は周囲に飛び散った砂や石をねらった。こうした物質を地球に持ち帰ることができれば世界初の快挙だ。

はやぶさ2、2回目の着陸の流れを説明した図
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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