朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月18日―4月25日

2019年4月28日付

18日 全国学力調査 中3で初の英語

「話す」力で機器トラブル

 小学6年と中学3年を対象に文部科学省の全国学力調査が行われた。国公私立の計約212万人が参加し、毎年実施している国語と算数・数学に加え、中3は初めて英語の問題を解いた。英語は筆記問題で測る「聞く・読む・書く」の3技能のほか、パソコンなどの機器を使って「話す」の力も問われた=写真。
 文科省によると、「話す」力を調査した中学校のうち、約5%は機器トラブルなどで実施できなかったという。このため、7月に結果を公表する際、「話す」については全国の平均正答率と正答数の公表にとどめ、自治体別の結果は示さない方針だ。

パソコンなどの機器を使う学生たちの写真
(C)朝日新聞社

18日 他人のiPS、1年後も安全確認

網膜細胞移植 理研など報告

 理化学研究所などは、他人のiPS細胞から作ったもうまく細胞を、失明のおそれがある目の病気「加齢おうはん変性」の患者5人に移植した研究について、移植1年後でも心配された細胞のしゅよう化や大きな拒絶反応はなく、安全性を確認したと発表した。実用化に向け、最大の障壁の一つを越えた形だ。他人のiPS細胞を使う移植で、1年間の安全性を検証した報告は初めて。

iPS細胞
 血液や皮膚の細胞から作ることができる万能細胞。一定条件で培養すれば無限に増やせ、体の様々な細胞にできる。けがや病気で失った細胞を、iPS細胞から作って補う「再生医療」への応用が期待されている。

18日 両陛下、最後の地方訪問

伊勢神宮参拝

 天皇、皇后両陛下は、神宮(三重県伊勢市)で退位に向けた儀式の一つ「神宮しんえつの儀」に臨み、とようけのおおみかみをまつるくうあまてらすおおみかみをまつるないくうに参拝した。
 在位中、最後の地方訪問となり、大勢の人が各所で出迎えた。

伊勢神宮
 三重県伊勢市にあり、天照大神をまつるこうたい神宮(内宮)、食事などをつかさどる豊受大神をまつる豊受大神宮(外宮)の両正宮など計125社の総称。正式名称は「神宮」。「日本書紀」はすいにん天皇の時代に天照大神が鎮座する土地を皇女が探し求め、伊勢にたどり着いたと記す。

19日 一人暮らし高齢者896万人

2040年推計 未婚や離婚増加で

 一人暮らしをする65歳以上の高齢者が2040年に896万3千人となり、15年より43.4%増える――。そんな推計を国立社会保障・人口問題研究所が公表した。全世帯に対する割合は17.7%。全国最多の東京では116万7千人と、65歳以上人口の約3割にのぼる。
 背景には未婚や離婚などの増加があるという。一人暮らしの高齢者は家族のサポートを受けづらい場合もあり、体の衰えなどに伴う介護サービス、買い物や通院といった日常生活の支援への需要は高まるとみられる。

19日 アイヌの人々は「先住民族」

明記した新法成立

 アイヌ民族を法律上初めて「先住民族」と位置づけたアイヌ新法が、参議院本会議で可決され、成立した=写真は本会議場のぼうちょう席で、新法の成立を喜ぶアイヌの人々。アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を目的に掲げ、差別の禁止、観光や産業を盛んにする新たな制度を設けることなどが盛り込まれた。
 アイヌ文化を守り育てることを国の責任と定めたことを評価する声がある一方、土地や資源など先住民族の権利に触れていないなどの課題もある。

新法の成立を喜ぶアイヌの人々の写真
(C)朝日新聞社

20日 福島・Jヴィレッジが全面再開

8年ぶり

 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故の後、応急対応や廃炉作業の拠点となったスポーツ施設「Jヴィレッジ」(福島県なら町、ひろ町)が、8年ぶりに全面再開した。JRじょうばん線には新駅「Jヴィレッジ駅」が開業し、原発事故の影響やその風評が残る地域の復興拠点として再出発した。
 この日は記念式典や女子サッカー・なでしこリーグ1部の公式戦などがあり、震災前も含め過去最高の約2万人が訪れた=写真。
 施設は来年3月26日から始まる東京五輪聖火リレーの出発地にも決まっている。

Jヴィレッジの位置を示した地図
どちらも(C)朝日新聞社

なでしこリーグ1部の公式戦の写真

20日 コロンバイン高銃乱射から20年

米・コロラド州 追悼式

 米国・コロラド州リトルトンのコロンバイン高校の銃乱射事件から20年を迎え、現地でついとう式が開かれた=写真は記念碑を訪れた人々。
 事件では同校の生徒2人が4丁の銃を乱射し、13人を殺害した後、自殺した。事件後も学校での銃乱射事件はなくならず、2012年にはコネティカット州の小学校で児童ら26人が犠牲になり、昨年はフロリダ州の高校で17人が命を奪われた。

記念碑を訪れた人々の写真
(C)朝日新聞社

21日 12歳の玉井選手が初V

飛び込み日本室内選手権

 水泳の飛び込み日本室内選手権最終日が東京たつ国際水泳場であり、男子高飛び込みで中学1年生の12歳、たまりく選手が474.25点で初優勝した=写真。12歳7カ月での優勝は国内シニア大会の最年少記録という。
 143センチ、36キロの体を生かした回転力が強み。今年12月末の時点で14歳以上という出場規定を満たせず、7月の世界選手権には出られないが、2020年の東京五輪は出場できる。「五輪が1番の目標」と言う。

競技中の玉井陸斗選手の写真
(C)朝日新聞社

21日 スリランカで爆破テロ

日本人含む250人以上が犠牲

 スリランカの最大都市コロンボなど3都市で、キリスト教会や高級ホテルなど8施設が狙われる爆発が起きた。自爆テロとみられる。現地に住む39歳の日本人女性を含め、犠牲者は253人に上った(25日現在)。この日は、キリスト教のイースター(復活祭)にあたる。
 スリランカ政府は22日、同国のイスラム過激派組織が関わったテロと発表。爆発に関与したとして、25日までに76人の容疑者を逮捕した。
 過激派組織「イスラム国」(IS)系のアマク通信は23日、「攻撃の実行者はISの戦闘員だ」とする声明を出した。また、ISの名義で公開された声明では、実行犯とみられる7人のニックネームを列挙。政府によると、スリランカから32人がISに加わってシリアやイラクに渡っていた。

コロンボ、ネゴンボ、スリジャヤワルデネプラ・コッテの3都市を示したスリランカの地図
(C)朝日新聞社

21日 衆院補選で自民2敗

大阪・維新に勢い/沖縄・辺野古ノー

 衆議院の沖縄3区と大阪12区の補欠選挙が投開票され、沖縄では野党系の無所属、ジャーナリストのともひろさん(56)、大阪では日本維新の会のふじふみたけさん(38)が当選した。自民党の新人がいずれも敗れる形になり、政権与党は大きな痛手を受けた。
 屋良さんは、米軍てん飛行場(沖縄県わん市)のへの移設に反対の立場。有権者の「辺野古ノー」という民意が示された。

22日 女性市長の当選、最多6人

統一地方選の結果出そろう

 統一地方選挙後半戦(21日)の投開票結果が出そろった。市長選挙では、新潟県市や京都府がわ市などで、過去最多の6人の女性が当選した。新顔3人を含む。市議会議員選挙の当選者に占める女性の割合は18.43%(前回2015年は16.07%)、町村議会では12.34%(同10.39%)で、ともに過去最高。
 投票率は前回に続いてさらに下がった。朝日新聞社の集計では、市長選の平均投票率は47.50%、市議選は45.57%、町村長選は65.23%、町村議選は59.70%、東京特別区の区議選は42.63%だった。いずれも戦後最低を記録した。

22日 桐生選手、アジア選手権初V

陸上男子100メートル

 カタールのドーハで開かれた陸上のアジア選手権の男子100メートル決勝で、りゅうよしひで選手(23)が10秒10(追い風1.5メートル)で優勝した。桐生選手は100メートル9秒98の日本記録保持者だ。今大会の日本勢で最初の金メダルで、この種目を日本選手が制するのは初めて。桐生選手は「落ち着いて走れたし、1番になれて自信にもなった。今年は違う」と話した。スタート直後に出遅れたが、中盤から加速した。
 決勝で桐生選手の隣のレーンで走る予定だったやまがたりょう選手(26)は右太もも裏の違和感のため、棄権した。

24日 強制不妊救済法が成立

首相、談話で「反省し、おわび」

 旧優生保護法(1948~96年)のもとで障がいのある人らに子どもをつくれないようにする不妊手術が行われた問題で、被害者に一時金320万円を支給する議員立法の救済法が、参議院本会議で全会一致で可決され、成立した。救済法は24日に施行され、早ければ6月に一時金の支給が始まる見通し。
 しんぞう首相は、救済法成立を受け、閣議決定を伴わない「首相の談話」を発表。「政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、しんに反省し、心から深くおわび申し上げます」とした。ただ、被害者側が明確にするよう求めてきた旧法の違憲性や問題を放置した政府の責任には言及しなかった。

24日 テロ対策施設のない原発は停止

原子力規制委

 原子力規制委員会は、建設が遅れている原子力発電所のテロ対策施設について、設置期限に間に合わない原発の運転を止めることを決めた。関西、四国、九州の3電力の5原発9基は、期限を迎える2020年以降、運転停止を迫られる。
 11年3月の東日本大震災で東京電力福島第一原発事故が発生。その後にできた新規制基準で、テロ対策施設の設置が義務づけられた。テロが起きて大型航空機が衝突したような非常時でも、原子炉を遠隔操作で冷却できるようにする。

25日 ロ朝 非核化めぐり協力確認

プーチン氏と金正恩氏が初会談

 北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長は、ロシアのウラジオストクでプーチン大統領と初めて会談し、非核化をめぐって滞る米朝協議について意見交換した。正恩氏はロシアの協力を歓迎し、プーチン氏は北朝鮮の立場を後押しする考えを示した。
 ロ朝の首脳会談はキムジョンイル総書記時代以来、約8年ぶり。正恩氏は昨年から米中韓の首脳と会談しており、非核化をめぐる6者協議の参加国では日本だけが実現していない。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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