朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月11日―4月18日

2019年4月21日付

11日 WTO 日本の水産物禁輸容認

韓国が逆転勝訴

 韓国が東京電力福島第一原子力発電所の事故の被災地などから水産物の輸入をすべて禁止していることについて、世界貿易機関(WTO)の紛争を処理する上級委員会は、判決に当たる報告書を公表した。韓国の禁輸を改めるよう勧告した第一審を大幅に修正して禁輸を認め、事実上、日本の逆転敗訴となった。
 農林水産省によると、原発事故後、一時は54カ国・地域が日本産食品の輸入を規制した。いまも23カ国・地域で規制が続く。日本は第一審での勝訴を追い風に、ほかの国・地域にも規制を緩めるよう求める予定だったが、交渉は難航しそうだ。

11日 スーダン 独裁30年にピリオド

大統領失脚

 スーダンの軍当局が、30年にわたり政権の座にあったバシル大統領(75)の辞任を発表した。政権に不満を持つ軍が、事実上のクーデターを起こしたとみられる。
 2年間の期限付きで、軍が主導するざんてい政権の発足も発表されたが、政権トップに就いた国防相が12日、辞任を表明した。抗議デモを続けてきたグループは「バシル氏との関係が近い軍当局者が政権を握ろうとしている」と反発していた。

スーダンの地図
(C)朝日新聞社

12日 人口推計、8年連続減る

総務省 70歳以上、初の2割超

 総務省が昨年10月1日現在の人口推計を発表した。総人口は1億2644万3千人。前の年に比べて約26万3千人減り、8年連続の減少。比率では0.21%減った。都道府県別では、東京や沖縄など7都県を除き、40道府県で減少した。最も減り方が大きかったのは秋田の1.47%=表。
 一方で、70歳以上の人口は初めて総人口の2割を超えた。外国人は222万6千人で、前の年に比べて約17万人増えた。

推計人口の減り方が大きかった5県の人口と減少率の表

12日 スズキ 車202万台リコール

ブレーキ検査の不正で

 自動車メーカーのスズキが、出荷前の自動車の検査で新たな不正が見つかったと国土交通省に報告した。ブレーキ性能で不合格とすべき車を合格とした例もあった。
 大きな危険を招く欠陥のある商品は、製造会社が回収して無料で修理する「リコール」を実施しなければならない。スズキは18日、国交省にリコールを届け出た。対象は2015年5月~19年2月に製造した29車種計約202万台。1件あたりの対象台数では過去最多。
 スズキでは昨年9月、排ガスやねん性能の検査でもデータの改ざんが見つかっている。

12日 大和ハウス 2千棟で違法

一部で改修工事へ

 住宅メーカー最大手のだいハウス工業が、同社がつくって販売した賃貸アパートや戸建て住宅の約2千棟で建築基準法違反があったと発表した。国に届け出た方法とは違う設計や工事をしていた。大半は安全性に問題はないものの、一部では改修工事が必要だという。改修工事は4月中に行う方針。費用は約1億円を見込む。
 建物の土台をつくる基礎工事の違反や、耐火性能が不十分の恐れがあるものなどがあった。

13日 東京パラのピクトグラム発表

全22競技23種類

 2020年の東京パラリンピック開幕(8月25日)まで500日となった。大会組織委員会は各競技のピクトグラム(絵文字)を発表した=写真。全22競技23種類。
 大会中、会場の案内図などに使われる。視覚障がい者も触って認識できるよう立体的に印刷したポスターなども準備される。5月中には、ピクトグラムを使ったかるたが組織委のサイト上からダウンロードできるようになる。

発表されたピクトグラムのパネルを指さしている写真
(C)朝日新聞社

13日 フィギュア国別対抗、日本は2位

1位は米国

 福岡市で開かれたフィギュアスケートの世界国別対抗戦の最終日、日本は合計104点で2位となり、2連覇を逃した。米国が1位、ロシアが3位。
 世界国別対抗戦は、主要な国際大会の成績を基にした上位6カ国(ロシア、米国、日本、フランス、イタリア、カナダ)が、団体戦で競う。
 日本からは、最終日の女子フリーで3位になったさかもとおり選手(19)=写真=らが出場した。

演技中の坂本花織選手の写真
(C)朝日新聞社

14日 初の特定技能試験を実施

全国7カ所で

 外国人労働者をもっと受け入れるために設けられた在留資格「特定技能」。その資格を得るための、国内で初めての試験が、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7カ所で行われた。
 この日の試験は宿泊分野で、391人の受験者は宿泊の知識などの筆記試験と、接客対応などの口述試験に臨んだ。

特定技能
 外国人が日本に滞在するための新たな資格。4月に始まった。外国人労働者の受け入れ拡大が目的で、人手不足が深刻な介護や建設など14業種が対象。技能レベルによって「1号」と、より熟練した「2号」に分かれる。政府は今後5年間で最大約34万5千人の受け入れを見込む。

14日 市長選の3割が無投票

統一地方選 後半戦スタート

 統一地方選挙の後半戦のうち、86市長選と294市議選、東京の特別区の11区長選と20区議選が告示された=写真は候補者の第一声に耳を傾ける有権者ら。
 市長選は27市で候補者が一人しか出なかったため、無投票になった。無投票の割合は31.4%。市議選も11市が無投票で、計182人の当選が決まった。
 16日には121町村長選と375町村議選が告示された。町村長選では45.5%にあたる55町村が無投票に。町村議選では93町村の計988人が無投票で当選となり、議員のなり手不足が深刻化している。
 いずれも21日に投開票(東京都内の一部は翌日開票)される。

候補者の第一声に耳を傾ける有権者らの写真
(C)朝日新聞社

14日 50キロ競歩、鈴木選手が初優勝

日本新

 陸上の日本選手権50キロ競歩が、今年秋のドーハ世界選手権の代表選考会を兼ねて石川県じま市であり、20キロ競歩で世界記録を持つすずゆうすけ選手(31)が3時間39分7秒の日本新記録で初優勝した=写真。日本陸上連盟の定めた条件を満たしたため、世界選手権の代表に内定した。
 鈴木選手は過去にこの大会に2度出場したが、いずれも途中棄権。2015年に20キロで世界記録の1時間16分36秒を出したが、その後は、けがなどに悩まされた。

ゴールする鈴木雄介選手の写真
(C)朝日新聞社

15日 3号機の核燃料取り出し開始

福島第一原発

 2011年3月の東日本大震災で事故があった東京電力福島第一原子力発電所3号機で、使用済み燃料プールにある核燃料を取り出す作業が始まった。廃炉にするために重要な工程だ。
 事故時に原子炉内にあった燃料とは別に、たてのプール内に保管されている核燃料566体を離れた所から操作して、2年ほどかけて取り出す。核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」を起こした1~3号機では初の作業。現場は放射線量が高く、未経験の遠隔操作は難しい作業になりそうだ。

福島第一原発3号機の燃料取り出し方法の模式図
(C)朝日新聞社

15日 ノートルダム大聖堂で火災

塔や屋根の一部、焼け落ちる

 フランスの首都パリ中心部にあり、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産にも登録されているノートルダム大聖堂で、大規模な火災が起きた。高さ96メートルの塔が焼け落ち、屋根の3分の1が焼失するなど、大きな被害が出た。
 大聖堂では数カ月前から改修工事が行われていて、屋根に取り付けられた足場部分から燃え広がった可能性があるという。フランスのマクロン大統領は5年以内の再建を目指す考えで、国内外から寄付や支援の声が集まっている。

ノートルダム大聖堂
 フランス・パリ中心部のシテ島にあるキリスト教カトリックの大聖堂。12世紀に建造が始まり、改修や増築が繰り返された。1991年、ユネスコの世界文化遺産に登録。小説や映画の舞台にもなり、年間1200万人が訪れる世界的観光名所。

15日 米銃乱射事件報道が受賞

ピュリツァー賞

 米国の優れた報道などに贈られるピュリツァー賞が、ニューヨークのコロンビア大学で発表された。報道で最高の栄誉とされる公益部門は、昨年2月にフロリダ州の高校で元生徒(当時19)が起こした銃乱射事件の報道で、地元の新聞「南フロリダ・サン・センティネル」が受賞。事件前後に学校や警察がすべきことがあった、と責任を追及したことが評価された。

ピュリツァー賞
 米国の報道、文学、音楽の分野で優れた業績を残した人たちに贈られる。新聞経営者の遺言で、1917年に創設された。

16日 中高生の英語力 水準達成は4割

18年度 政府目標届かず

 全国の公立学校の中高生のうち、2018年度に政府が掲げる英語力の水準に達したのは、中3で42.6%(前年度に比べて1.9ポイント増)、高3で40.2%(同0.9ポイント増)だったと文部科学省が公表した。
 政府の水準は、中3で「英検3級相当以上」、高3で「英検準2級相当以上」の民間試験に合格すること。中3、高3ともに、5年前と比べて約10ポイント上がっているが、「50%」という政府の目標には届いていない。

16日 東京五輪 競技日程決まる

来月9日、チケット申し込み受付開始

 2020年東京五輪の大会組織委員会は、9都道県の42会場で史上最多の33競技・339種目を行う大会の競技日程を発表した=表。大会は開会式の2日前、7月22日の女子ソフトボールで始まる。ほぼ毎日、20ほどの種目で決勝戦があり、マラソンや競歩では、暑さ対策として開始時刻を当初より早めた。
 組織委は18日、チケット販売サイトを開設。5月9日に購入申し込みの受け付けを始める。抽選結果は6月20日に発表する。

【東京五輪の主な競技日程】

7月
22日(水) ソフトボール(午前9時)
23日(木) サッカー男子(午後4時半)
24日(金) 開会式(午後8時)
27日(月) 体操男子団体決勝(午後7時)
31日(金) 陸上男子20キロ競歩(午前6時)
8月
1日(土) テニス女子決勝など(正午)
2日(日) 陸上男子100メートル決勝など(午後7時)
6日(木) 卓球女子団体決勝(午後7時半)
9日(日) 男子マラソン(午前6時)
      閉会式(午後8時)
※( )内は開始予定時刻。複数の種目がある場合は最初の開始時間

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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