朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月4日―4月11日

2019年4月14日付

4日 記述式の数学、2回目も低正答率

大学入学共通テスト試行調査

 大学入試センターは、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」に向けて、昨年11月に行われた2回目の試行調査の結果を発表した。新たに導入される記述式問題は、国語の正答率は1回目より上がったが、数学は正答率、無解答率ともによくならなかった。
 試行調査には約6万8千人の高校2、3年生が参加。国語の記述式問題のうち、80~120字の文章を書かせる問題の完全正答率は15.1%で、1回目の0.7%から改善した。数学の3問の記述式問題の正答率は5.8%、10.9%、3.4%で、無解答率は17.3%、44.5%、62.0%だった。

5日 はやぶさ2、人工クレーター成功か

世界初 小惑星「リュウグウ」で

 探査機「はやぶさ2」が、地球から約3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」に人工的にクレーターを作るため、衝突装置を爆発させて金属の塊を撃ち込むことに成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が発表した。
 はやぶさ2は、リュウグウの高度約500メートルで銅の塊(重さ2キロ)を地表にぶつける衝突装置を分離。爆発によって飛び散る岩石などの破片で機体が傷つけられないよう、はやぶさ2はリュウグウの裏側へ退避した。
 銅の塊を地表に撃ち込んだ後、岩や砂が舞い上がったことを確認。クレーターができた可能性が高いという。成功していれば小惑星で世界初。2月の着陸に続き、5月下旬にも2回目の着陸と試料の採取を目指す。

はやぶさ2が人工クレーターをつくるまでのイメージ図
(C)朝日新聞社

5日 「忖度」で塚田国交副大臣辞任

道路事業めぐり発言

 本州と九州を結ぶ道路事業の調査が、国が直接行う調査に引き上げられたことをめぐり、しんぞう首相と麻生あそうろう副総理兼財務大臣の地元事業であるとして、その意向を「そんたくした」と発言した自民党のつかいちろう国土交通副大臣が辞任した。安倍首相は塚田氏をかばう発言をしていたが、批判が高まっていた。

忖度
 他人の気持ちを推しはかること。2017年に発覚したもりとも学園をめぐる問題で、安倍晋三首相に対して官僚らが特別な配慮をしていたのではないかと、盛んに使われた。

7日 小平選手と李選手に「友情賞」

平昌五輪でたたえ合う姿話題に

 韓国の2018ピョンチャン記念財団は、だいら選手と、韓国のサンファ選手に「韓日友情賞」を贈った=写真左が小平選手、右が李選手。2人は昨年2月の平昌冬季五輪スピードスケート女子500メートルで競った。レース後、金メダルに輝いた小平選手が、3連覇を逃して泣く李選手を抱きかかえ、「チャレッソ(がんばったね)」とねぎらう場面が話題になった。

賞を贈られた小平選手と李選手の写真
(C)朝日新聞社

7日 大阪ダブル選、維新勝利

「都構想」進む可能性

 11道府県知事選挙や41道府県議会議員選挙など、第19回統一地方選挙の前半戦が投開票された。大阪府知事と大阪市長のダブル選挙では、知事選で前大阪市長のよしむらひろふみさん(43)=写真右=、市長選で前大阪府知事のまついちろうさん(55)=同左=が、どちらも初当選した。この勝利で、大阪維新の会が目指す「大阪都構想」が進む可能性がある。
 41道府県議選の平均投票率は44.08%で、前回2015年の45.05%を下回り、戦後最低だった。女性の当選者は過去最多の237人で、定数(2277)に占める割合も10.4%と、初めて1割を超えた。昨年、男女の候補者数をできるだけ均等にするよう政党に求める候補者男女均等法が施行され、前回の9.1%からわずかに増えた。

握手する吉村洋文さんと松井一郎さんの写真
(C)朝日新聞社

7日 ルワンダ虐殺から25年

追悼式

 80万人以上が犠牲になったとされるアフリカ・ルワンダの虐殺の開始から25年となり、首都キガリでついとう式が開かれた。集まった約3万人がろうそくに火をつけ、犠牲者に思いをはせた=写真。カガメ大統領は「(虐殺の)歴史は繰り返さない」と誓い、近隣諸国の首脳らとともに国会から国立競技場までの約2.5キロを行進した。

ルワンダ虐殺
 1994年4月、多数派民族フツの大統領が乗った飛行機が撃墜されたことをきっかけに始まった。主にフツの政府軍や民兵組織が少数派民族のツチ住民らを殺害。犠牲者は約100日間で、80万~100万人に上ったという。

追悼式の様子の写真
(C)朝日新聞社

8日 ゴーン前会長を取締役から解任

日産の全役職外れる

 日産自動車は臨時株主総会を開き、会社法違反(特別はいにん)などの罪で起訴された前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)を取締役から解任した。フランス・ルノーのジャンドミニク・スナール会長(66)を取締役にすることも決まった。ゴーン前会長は日産のすべての役職から外れた。倒産寸前の日産にルノーから派遣され、20年に及んだ「ゴーン支配」は完全に終わった。
 西さいかわひろ社長兼CEO(最高経営責任者)は総会の初め、心配と迷惑をかけたとして株主に謝罪し、役員らと頭を下げた。

8日 競泳・瀬戸選手が3冠

日本選手権

 競泳の日本選手権の最終日が東京たつ国際水泳場であり、男子400メートル個人メドレーでブラジル・リオデジャネイロ五輪銅メダルのだい選手(24)が2年ぶり2度目の優勝を果たし、3冠を達成した=写真。
 日本水泳連盟は9日、7月に韓国で開かれる世界選手権の日本代表メンバー17人を発表した。瀬戸選手ら個人種目の派遣標準記録を突破した10人と、リレーの派遣記録を突破した男子平泳ぎのせきひろ選手(27)ら7人。5月30日~6月2日のジャパンオープンで追加選考をする。

瀬戸大也選手の写真
(C)朝日新聞社

9日 紙幣の顔、5年後めどに新しく

渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎

 政府は5年後の2024年度の前半をめどに、1万円札と5千円札、千円札のデザインを新しくすると発表した。新しい紙幣の顔は1万円札が、「日本の資本主義の父」と呼ばれるしぶさわえいいち。5千円札は6歳で渡米して日本初の女子留学生となり、津田塾大学を創設したうめ、千円札は「けっせい療法」を確立したきたさとしばさぶろう。紙幣の一新は04年以来、20年ぶり。
 また、500円硬貨も、素材などを変えた新しい硬貨が21年度前半をめどに発行される。

9日 本屋大賞に瀬尾まいこさん

『そして、バトンは渡された』

 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ第16回本屋大賞が発表され、まいこさん(45)=写真前列中央=の長編小説『そして、バトンは渡された』に決まった。
 幼いころに母を亡くし、血のつながっていない大人たちにリレーされるように育てられた女子高校生の物語。さまざまな家族の形を問いかける。瀬尾さんは中学校の元国語教諭。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、02年に作家デビューした。
 本屋大賞は17年12月~18年11月に出た日本の小説が対象。全国の書店員623人が大賞を決めた。

瀬尾まいこさんの写真
(C)朝日新聞社

10日 ブラックホール、撮影成功

日本など国際チーム 存在を直接証明

 あらゆる物質をのみ込む巨大なブラックホールの撮影に、国立天文台などの国際研究チームが世界で初めて成功したと発表した。世界6カ所の望遠鏡で同時に観測して解像度を飛躍的に高め、真っ黒な穴をとらえた。ブラックホールの存在を直接裏付けたことになり、銀河の成り立ちの解明につながる。
 撮影に成功したのは、地球から約5500万光年離れた銀河「M87」にあるブラックホール。
 ブラックホールは重力が強く、光も吸い込む。光が脱出できなくなる境界は「事象の地平線」と呼ばれる。誕生の仕組みなどはわかっていない。研究チームは、ブラックホールに吸い込まれる際、周囲のガスが発する電波「ミリ波」を観測し、画像に変換することを試みた。
 2017年4月、南米・チリのアルマ望遠鏡や米ハワイ、南極など世界6カ所、計八つの電波望遠鏡を使って計5日間、M87のブラックホールを観測。最大約1万キロ離れた望遠鏡のデータを合成することで、解像度を月面に置いたゴルフボールを地球から見分けられるほどに高めた。約2年かけて解析した結果、ガスの光に包まれた黒いブラックホールの姿が確認できた。質量は太陽の約65億倍に相当することがわかった。

10日 福島・大熊町の一部を避難解除

原発のある自治体で初

 東京電力福島第一原子力発電所があり、2011年3月の東日本大震災による原発事故で全町避難が続く福島県おおくま町の避難指示について、政府は、放射線量の高い帰還困難区域を除いた地域の避難指示を解除した。第一原発のある自治体の避難指示解除は初めて。
 解除された地域は町面積の約4割で、町民の約4%、138世帯367人(3月末現在)が住民登録している。

避難指示が解除された地域を示す地図
(C)朝日新聞社

10日 桜田五輪大臣が辞任

岩手の議員応援で「復興以上に大事」 

 さくらよしたか五輪・パラリンピック担当大臣は、東日本大震災で被災した岩手県出身の自民党衆議院議員の名前を挙げ「復興以上に大事」と発言した。被災地を軽視するような発言に批判が強まり、辞任した。安倍晋三首相が事実上、こうてつ(他の人と替えること)。後任に前の五輪大臣のすずしゅんいち氏を起用した。
 桜田氏は改正サイバーセキュリティ基本法を担当しながら「自分でパソコンを打つことはない」など失言が相次いでいた。

11日 英の離脱、10月末まで期限延長

EUと合意

 英国を除く欧州連合(EU)27カ国はベルギー・ブリュッセルで開いた臨時の首脳会議で、4月12日としていた英国のEU離脱の期限を最大で10月31日まで延ばすことで一致した。英国のメイ首相も受け入れた。経済や社会に混乱をもたらす「合意なき離脱」に陥ることは、ひとまず避けられた。
 英国側は、6月30日までの短期の延期をEU側に求めていたが、英国内で離脱の条件を定めた協定案をまとめるには不十分と判断したとみられる。延期には複数の条件がつけられた。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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