朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

3月20日―3月27日

2019年3月31日付

20日 東京五輪、聖火トーチは桜の形

被災地仮設住宅の廃材を利用

 2020年東京五輪の聖火リレーのトーチを大会組織委員会が発表した=写真はトーチの上部。モチーフは桜。全長71センチ、重さ1.2キロ。色はピンクゴールドで、5弁の花びらから上がった炎が一つになる設計だ。
 素材のアルミニウムの3割は、11年3月の東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県で使われた仮設住宅の廃材を再利用する。聖火は来年3月20日にギリシャから日本に届く予定。
 25日に発表された東京パラリンピックの聖火リレーのトーチも同じデザイン。色は五輪のものより赤みが強いピンク色だ。

トーチの上部の写真
(C)朝日新聞社

21日 セブン、時短営業の実験開始

まず直営10店で

 セブン―イレブン・ジャパンが、営業時間を短くする実験を始めた。全国の直営10店で数カ月かけ、売り上げや商品の配送への影響を調べる。今後、2万店超あるセブンの国内店の大半を占めるフランチャイズ(FC)店も実験に加わるとしている。
 セブンはオフィスビルや駅構内など一部の店を除いて、24時間営業を原則としてきた。しかし、大阪府東大阪市のセブン―イレブンのFC店主が人手不足を理由に2月から夜通しの営業をやめ、セブン本部と対立。本部は19日付で、加盟店主向けに「24時間営業体制の維持」などを掲げた文書を配布している。

22日 沖縄県、辺野古めぐり国を提訴

埋め立て承認撤回の停止に対し

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)のへの移設計画で、沖縄県が埋め立て承認を取りやめる効力を国が停止したのは違法だとして、県は効力停止の取り消しを求め福岡高等裁判所那覇支部に提訴した。政府との対話路線を掲げるたまデニー知事が、辺野古移設に関する裁判を起こすのは初めて。
 政府は25日、辺野古沿岸部の新たな区域で土砂投入を始めた。これまで埋め立てられた区域と合わせると、埋め立て予定区域全体の4分の1にあたる。沖縄県では、2月の県民投票で辺野古の埋め立てに「反対」が7割を超えた。しかし、政府は工事を続ける方針で、反発がさらに強まりそうだ。

米軍普天間飛行場を示す地図

22日 在留外国人 最多273万人

2018年末 ベトナムが急増

 法務省は日本に在留する外国人の数が2018年末時点で273万1093人となり、4年連続で過去最多を更新したと発表した。17年末より16万9245人増加。在留資格別では「技能実習」の人が32万8360人で、初めて30万人を突破した。
 在留外国人の数は、3カ月を超す在留資格を持つ人や特別永住者らの人数を集計している。国籍・地域別では中国が76万4720人と最多だった。3位のベトナムは前年より26%増の33万835人と急増。日系企業の進出もあり、日本での留学や技能実習への関心が高まっているという。

在留外国人数の推移のグラフ
(C)朝日新聞社

23日 岩手 三陸鉄道リアス線が開通

宮古―釜石間は8年ぶりの再開

 東日本大震災で被災した岩手県沿岸を走る三陸鉄道リアス線が開業した=写真。北の駅(久慈市)から南のさかり駅(おおふな市)まで総延長は163キロで、沿線の自治体や企業などでつくる第三セクターとしては国内最長。このうちみやかまいし間は津波の被害で不通となっていたが、8年ぶりに鉄道が復活した。
 リアス線は全40駅。今回、三陸鉄道本社がある宮古市内に「はらいがわ」と「さわ・宮古短大」の2駅が新設された。

岩手県沿岸を走る三陸鉄道リアス線の写真
(C)朝日新聞社

23日 イタリア、「一帯一路」に署名

G7で初 中国の欧州進出加速か

 イタリアのコンテ首相は同国を訪問した中国のシーチンピン国家主席と会談し、シルクロード経済圏構想「いったいいち」に参画する覚書に署名した。主要7カ国(G7)で関連文書に署名するのは初めて。
 合意した案件には、地中海と中東欧を結ぶ重要な拠点となるトリエステ港の開発に中国企業が加わることが含まれるとされる。中東欧には一帯一路への参画に署名した国も多く、イタリアを経由し、中国の欧州進出が加速する可能性がある。

一帯一路
 中国が進める巨大な経済圏構想。2013年に習近平国家主席が打ち出した。海と陸から中国と欧州とを結ぶ。中国と欧州の間にある中央アジアや中東などの国々のインフラを整備し、貿易や交通を便利にすることを目的に掲げる。
 今年3月時点で、参加国は120カ国以上。

中国と覚書を交わしたEU加盟国と地図
(C)朝日新聞社

23日 シリアのIS最終拠点を制圧

米支援の武装組織が発表

 シリア東部で過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いを続ける武装勢力「シリア民主軍」(SDF)は、IS戦闘員が立てこもった最終拠点バグズを完全に制圧したと発表した。SDFは少数民族クルド人中心の武装組織で、米軍が支援する。米政府も22日に制圧を完了したと表明。イラク政府は2017年12月に国内のISそうとう完了を宣言していた。

イスラム国(IS)
 イラクとシリアを拠点とする過激派組織。2014年にイラクとシリアの一部を支配し、イスラム法に基づく国家を樹立したと一方的に宣言した。国際社会は承認していない。

シリア周辺の地図
(C)朝日新聞社

24日 貴景勝、大関昇進を確実に

大相撲春場所 白鵬が全勝優勝

 大相撲春場所の最終日、せきわけたかけいしょう(22)が10勝目を挙げ、大関昇進を確実にした。昇進の目安は「直近3場所を三役(大関、関脇、むすび)で33勝」で、それを上回る34勝目。横綱はくほうは15度目の全勝優勝を飾った。優勝は3場所ぶり42度目。
 日本相撲協会は27日、番付編成会議と臨時理事会を開き、貴景勝の大関昇進を決めた=写真は大関昇進の伝達を受ける貴景勝(中央)。

大関昇進の伝達を受ける貴景勝の写真
(C)朝日新聞社

25日 ゴラン高原は「イスラエル領」

トランプ氏が承認 欧州などは非難

 トランプ米大統領は、イスラエルがシリアから奪って占領を続ける中東のゴラン高原について、イスラエルの主権を正式に認める文書に署名した。4月の総選挙で苦戦しそうな同国のネタニヤフ首相を支えるためとみられる。
 これに対し、国連安全保障理事会の欧州5カ国は26日、「イスラエルの主権は認めない」との声明を発表した。声明を出したのは常任理事国の英国、フランスと、非常任理事国のベルギー、ドイツ、ポーランド。中東のアラブ諸国もトランプ氏の決定を一斉に非難した。

ゴラン高原
 シリア南西部にある高原。戦略上の要地で、1967年の第3次中東戦争でイスラエルがシリアから奪い、占領した。

ゴラン高原周辺の地図
(C)朝日新聞社

26日 小学校の教科書ページ1割増

20年度から 文科省が検定結果公表

 文部科学省は、2020年度から小学校で使われる教科書の検定結果を公表した。学校で教える内容を決めている学習指導要領が約10年ぶりに見直されたことを受け、5年と6年では英語の教科書が初めて検定対象となった=写真は、20年度から使われる英語の教科書。
 各教科で対話形式の記述が増えた影響もあり、今の教科書と比べて平均ページ数は約10.0%増え、英語も含めると約14.2%増えた。

20年度から使われる英語の教科書の写真
(C)朝日新聞社

27日 19年度予算成立 初の100兆円台

増税対策に2兆円

 2019年度の国のお金の使いみちや収入の計画をまとめた予算が、参議院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。国民の生活にかかわる幅広い事業にあてる一般会計の総額は101兆4571億円と、当初予算として初めて100兆円を超えた。
 10月1日の消費税の増税に備えた対策費が2兆280億円に膨らんだ。現金を使わずに支払い・受け取りを行うキャッシュレス決済をした買い物客へのポイント還元制度に2798億円、買った価格を上回る買い物ができるプレミアム商品券の発行に1723億円を計上した。
 高齢化が進み、歳出の3分の1を占める社会保障費は34兆593億円と、前年度から1兆円以上増えた。幼児教育無償化などにも計4808億円を計上した。
 歳入面では、消費増税によって税収が62兆円超と、過去最大だったバブル期の1990年度を上回ると見込んだ。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る