朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

2月21日―3月1日

2019年3月3日付

21日 北海道でまた地震

厚真町で震度6弱

 北海道ぶり地方中東部を震源とする地震が午後9時22分ごろにあり、あつ町で最大震度6弱を観測した。気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュードは5.8、震源の深さは33キロと推定される。同庁は昨年9月6日に起きた同町で震度7を観測した地震と一連の活動だとの見方を示した。
 この地震で、厚真町の一部地域では断水。けが人も出た。JR線や札幌市営地下鉄が運休したため家に帰れず、しんとせ空港や電車の中などで一夜を明かす人が出た。

各地の主な震度を表す地図
(C)朝日新聞社

21日 24年パリ五輪、野球・ソフト落選

ブレークダンス、初の追加候補に

 2024年に開かれるフランス・パリ五輪組織委員会は、開催都市が提案する追加競技の候補を発表した。20年東京大会で初採用されるスポーツクライミングやサーフィン、スケートボードに加え、昨年のユース夏季五輪で実施したブレークダンスの四つを選んだ。東京大会で採用される野球・ソフトボールと空手は落選した。
 今後、国際オリンピック委員会(IOC)が協議。今年6月の総会での承認を経て、来年12月の理事会で正式決定する。
 ブレークダンスで日本は強豪国だ=写真は昨年「第1回世界ユース選手権」男子の部で優勝したなからしげゆきさん。

昨年「第1回世界ユース選手権」男子の部で優勝した半井重幸さんの写真
(C)朝日新聞社

21日 米、シリア全面撤退やめる

兵士200人駐留継続へ

 米ホワイトハウスは、シリアからの米軍てっ退たいについて、米兵約200人は一定期間、駐留を続けることを明らかにした。
 トランプ大統領は昨年12月、過激派組織「イスラム国」(IS)への「勝利」を理由に、選挙公約である米兵約2千人の全面撤退を表明していた。しかし、国内外からの反対で方針を転換した形だ。ホワイトハウスは「一定期間」の目安を示していない。

シリア
 地中海の東岸に面する国。首都はダマスカス。面積は約18万5千平方キロメートルで、日本の半分ほど。2011年に民主化を求める反政府運動が起きた。武力闘争に発展し、内戦状態となっている。シリアから国外に逃れる難民も多く出ている。

シリア周辺の地図

23日 皇太子さま 59歳に

新天皇になる心境も語る

 皇太子さまが59歳の誕生日を迎えた。事前の記者会見で、平成を「人々の生活様式や価値観が多様化した時代」と振り返り、「この多様性を寛容の精神で受け入れ、お互いを高め合い、更に発展させていくことが大切」と述べた。
 皇太子としては最後の会見。5月1日に即位を控え「これからのことを思うと、とてもげんしゅくな気持ち」と心境を明かした。「国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しみながら象徴としての務めを果たしてまいりたい」と新天皇になる決意も語った。

24日 天皇陛下在位30年の記念式典

国民への感謝述べる

 天皇陛下の在位30年を祝う政府の記念式典が、東京都千代田区の国立劇場で天皇、皇后両陛下を迎えて開かれた。天皇陛下は、天皇の務めを人々の助けを得て行えたことを「幸せなこと」と振り返り、時折、涙声で国民への感謝を述べたおことばは8分半に及んだ。
 天皇陛下は4月30日に退位される。当日、皇居・宮殿での「退位の礼」で最後のおことばが予定されているが、皇居外では今回が最後となる見通し。

24日 作品賞に「グリーンブック」

米アカデミー賞

 第91回アカデミー賞の授賞式が、米ロサンゼルスであった。作品賞は、1960年代を舞台に黒人ピアニストと白人運転手の交流を描く「グリーンブック」。「ボヘミアン・ラプソディ」は主演男優賞(ラミ・マレックさん)など4部門を獲得した。
 外国語映画賞にノミネートされていた「万引き家族」(これえだひろかず監督)や、長編アニメーション賞にノミネートされていた「未来のミライ」(ほそまもる監督)は受賞を逃した。

アカデミー賞
 米国の映画芸術科学アカデミー(1927年創設)が、毎年1回贈る映画賞。作品・男優・女優・監督・外国語映画などの各部門があり、「オスカー」と呼ばれる像が贈られる。

24日 辺野古埋め立て「反対」72%

沖縄県民投票

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)をに移す計画をめぐり、辺野古沿岸部の埋め立てについて意見を問う県民投票が、投開票された。結果は「反対」が72.15%の43万4273票を占めた。
 投票は「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で行われ、投票率は52.48%だった。結果には、法的なこうそくりょくはない。反対票が投票資格者総数の4分の1を超えたことを受けて、県民投票条例の規定により、沖縄県のたまデニー知事はしんぞう首相とトランプ米大統領に結果を通知し、工事の中止を迫る考え。
 一方、政府は25日、埋め立て工事を続けた=写真。安倍首相はこの日、「投票の結果をしんに受け止める」と述べたものの、県民投票で問われた埋め立ての是非には触れなかった。

辺野古埋め立て沖縄県民投票結果のグラフ
どちらも(C)朝日新聞社

辺野古沿岸部の写真

24日 ドナルド・キーン氏死去

日本文学研究者 大震災後に国籍取得

 世界に日本の文化と文学を広めた、日本文学研究者のドナルド・キーンさん=写真=が、心不全で亡くなった。96歳だった。
 1922年、米ニューヨーク生まれ。コロンビア大学在学中に「源氏物語」と出会った。53年に京都大学に留学。かわばたやすなりら日本を代表する作家と交流した。2011年3月の東日本大震災後、日本国籍を取得し、日本に移住した。

ドナルド・キーンさんの写真

24日 バスケ男子、13年ぶりW杯決める

東京五輪出場に前進

 バスケットボール男子のワールドカップ(W杯)アジア2次予選は、日本がカタールを96―48で破った=写真。自国開催で予選が免除された2006年大会(当時は世界選手権)以来13年ぶりの本大会出場を決めた。
 国際バスケット連盟は20年の東京オリンピック(五輪)で、予選が免除される開催国枠を設けるか決めていない。今回、実力を示したことで、1976年モントリオール五輪以来44年ぶりの五輪出場に大きく前進した。

シュートをする日本の選手の写真
(C)朝日新聞社

26日 東北沖でM7級「確率90%」

今後30年以内 政府予測

 政府の地震調査研究推進本部は、青森県東方沖からぼうそう沖にかけての日本海溝沿いで、今後30年以内に地震が発生する確率を公表した。宮城県沖などでマグニチュード(M)7級の地震が発生する確率は90%。津波などで被害が出る恐れもあるため、引き続き注意が必要としている。
 この海域の評価は、2011年11月以来。超巨大地震などを評価し直した。
 M7級の地震は「青森県東方沖及び岩手県沖北部」で90%以上、「宮城県沖」は90%など、広い範囲で高い値になっている。

マグニチュード
 地震の規模(大きさ)を表す値。震源域から放出される地震波のエネルギーと密接な関係があり、Mの値が1大きくなると、エネルギーは約32倍になる。
 これに対し「震度」はある場所での地震による揺れの強さを表し、震源から遠くなると震度は小さくなる。

今後30年以内の地震の発生確率の地図
(C)朝日新聞社

26日 英首相、EU離脱延期に言及

「6月末まで」

 英国が欧州連合(EU)から離脱予定の3月29日が迫る中、英国のメイ首相=写真=は英国議会で、3カ月ほどの延期を認める姿勢を初めて示した。議会では、離脱条件などで議論がまとまっておらず、EUとの間で合意がないまま抜けることになりかねない。社会の混乱を避けるため、英国内とEU双方から延期すべきだとの圧力が強まっていた。
 延期する場合、メイ首相は「6月末まで」としている。

英国のメイ首相の写真
(C)朝日新聞社

27日 統計不正 組織的隠ぺい再否定

特別監察委が追加報告

 賃金の傾向などをみるための「毎月勤労統計」を不正に調査していた問題について、厚生労働省の特別監察委員会は、追加の報告書を公表した。厚労省が不正を始めた動機などについて改めて調べた。組織的に不正を隠したかどうかは、局長級職員の関与が認められないとして、1月22日に公表した中間報告書に続き、再び否定した。
 中間報告書の公表後、職員などの聞き取り調査を「身内」の厚労省職員がしていたことがわかり、やり直しに追い込まれていた。

27日 パキスタン軍、インド機を撃墜

前日の爆撃の報復か

 パキスタン軍は、カシミール地方の停戦ライン(実効支配線)付近の上空で、インド軍機2機をパキスタン軍機が撃ち落としたと発表した。インド軍機が前日にパキスタン領内を爆撃した報復とみられる。インド側もこの日、パキスタン軍機1機を撃ち落としたと発表した。

カシミール地方
 インドとパキスタンにまたがる領域。1947年に両国が英国から独立した後、カシミール地方の領有権を主張して第1次印パ戦争に発展。49年に停戦ラインをはさんで分断された。65、71年の印パ戦争でも戦場になった。

カシミール地方周辺の地図
(C)朝日新聞社

28日 米朝、非核化合意ならず

首脳会談 ベトナム・ハノイで

 米国のトランプ大統領と北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長は27日から2日間、ベトナムの首都ハノイで2回目の首脳会談を行ったが、合意には至らなかった。トランプ氏は会談後の記者会見で、正恩氏が核爆弾の原料をつくれるヨンビョンの核施設の廃棄の見返りに、経済制裁の全面解除を求めてきたが受け入れられないとし、「(交渉の)席を立たざるを得なかった」と語った。
 一方、北朝鮮の外相は1日、「我々が要求したのは全面的な制裁の解除ではなく、一部の解除だった」と反論した。
 2人が会談するのは「朝鮮半島の完全な非核化」で合意した昨年6月のシンガポール以来、約8カ月ぶりだった。

ベトナムの地図

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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