朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

1月10日―1月17日

2019年1月20日付

10日 ブラックホール、超高速回転

光の半分以上の速さ 米の研究チーム

 約3億光年先の銀河にあるブラックホールは、光の半分以上の速さで回転していることがわかったと、米マサチューセッツ工科大学などの研究チームが発表した。ブラックホールが近くの星をのみ込むときに出る光を解析した。光は1秒間に約30万キロ進み、1光年は光が1年間に進む距離。
 研究チームは2014年11月、質量が太陽の100万倍のブラックホールに引き込まれる星が、バラバラになって壊れるときに出る強い光を検出した。光は131秒ごとに明滅し、450日以上続いた。この明滅パターンやブラックホールの質量から、回転速度は少なくとも光速の半分以上の速度になるとわかったという。

11日 日産ゴーン前会長を追起訴

特別背任と報酬の虚偽記載で

 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が個人で出した損失を日産に肩代わりさせたなどとされる事件で、東京地方検察庁特別捜査部は、ゴーン前会長を会社法違反(特別背任)の罪で追起訴した。また、2015~17年度の報酬を実際より少なく記したとする金融商品取引法違反の罪で、前会長と前代表取締役グレッグ・ケリー容疑者(62)、法人としての日産も追起訴した。
 世界的な経営者をめぐる捜査は一つの区切りを迎えた。2人は逮捕された事件すべてで訴えられたが、起訴内容をどれも否認。弁護人はこの日、東京地方裁判所にゴーン前会長の保釈を請求した。東京地裁は15日、保釈を認めない決定をした。前会長の身柄こうそくは、最初に逮捕された昨年11月19日から1月15日までで58日間に及ぶ。

11日 「毎月勤労統計」で不適切調査

厚労省 雇用保険など過少給付

 雇用保険や労災保険などの給付水準のもととなる「毎月勤労統計」を厚生労働省が不適切に調査していたことがわかり、厚労省は、本来より給付が少なかった金額や人数などの検証結果を公表した。従業員500人以上の事業所はすべて調べるルールだが、東京都分は3分の1ほどしか実施していなかった。16日には、追加の給付にかかる費用の総額が約800億円と判明。また、対象者は延べ約2015万人に上ることもわかった。
 この統計は、統計法で定められた政府の「基幹統計」の一つ。国内総生産(GDP)や景気動向指数などの算出にも使われており、重要な統計にも影響が出る恐れがある。

毎月勤労統計
 賃金や労働時間などの動きを調べるために、厚生労働省が実施している調査。都道府県を通じて調べ、毎月公表している。従業員5人以上の事業所が対象で、500人未満は抽出、500人以上はすべての事業所を調べる。

11日 「北マケドニア」に国名変更、可決

マケドニア ギリシャの承認必要

 マケドニアの国会は、国名を「北マケドニア」に改める憲法改正案を可決した。隣国ギリシャが、自国の古代の国名である「マケドニア」の使用に反対しており、マケドニアの欧州連合(EU)加盟などをはばんできた。マケドニアの現政権は昨年6月、ギリシャと国名変更などで合意した。この合意に基づき、実際の国名変更にはギリシャ国会の承認が必要だ。

マケドニアとギリシャ周辺の地図

12日 明大ラグビー、22季ぶりに優勝

全国大学選手権大会

 ラグビーの第55回全国大学選手権大会の決勝が、東京・ちちのみやラグビー場で行われ、明治大学が天理大学を22―17で破り、22季ぶり13度目の優勝を果たした=写真。
 大学日本一は早稲田大学の15度に次いで2位。明大は早大とともに大学ラグビー界を実力と人気の両面で引っ張ってきたが、2000年代は低迷。選手の私生活から見直して復活した。

明治大学のラグビー選手たちの集合写真
(C)朝日新聞社

13日 サッカー 日本は決勝Tへ

アジアカップ

 サッカーのアジア王者を決めるアジアカップは、アラブ首長国連邦のアブダビで1次リーグF組の第2戦があり、日本(世界ランキング50位)はオマーン(同82位)を破り、9日のトルクメニスタン(同127位)戦に続く勝利で、決勝トーナメント(T)進出を決めた。
 2大会ぶり5度目の優勝をめざす日本は17日の1次リーグ最終戦で、ウズベキスタン(同95位)との全勝対決を制し、F組1位で決勝Tに進んだ。

15日 英下院、EU離脱協定案を否決

混乱生む「合意なし」の可能性も

 3月29日に欧州連合(EU)から離脱する予定の英国の議会下院で、円滑な離脱に向けた協定案の採決があり、大差で否決された。
 協定案は在英国や在EUの双方の市民が引き続き社会保障を受けられる権利を認めることなどを定め、昨年11月、英国とEUが合意していた。3月末までに英・EU双方の議会がじゅん手続きを終えない場合は「合意なし離脱」となる。英国とEUの間の鉄道や国際便の運航に支障が出たり、物流がとどこおったりして、混乱が予想される。

15日 五輪招致めぐる不正を否定

JOC竹田会長

 2020年の東京五輪・パラリンピックの招致をめぐり不正にかかわった疑いがあるとして、日本オリンピック委員会(JOC)のたけつねかず会長(71)がフランスの裁判所の捜査対象になったことがわかり、竹田会長が記者会見し、不正を否定した=写真。
 問題となっているのは、竹田会長が理事長を務めた招致委員会が13年、シンガポールのコンサルタント会社に支払った計約2億3千万円。その一部が五輪招致に関するフランス国内での汚職などに使われた可能性があるとしている。
 竹田会長は支払いを「適切な対価」と主張。JOCの調査チームが16年に「国際オリンピック委員会の規定に違反しない」とした報告書を改めて説明した。

竹田恒和会長の写真
(C)朝日新聞社

15日 軽井沢バス事故から3年

「祈りの碑」に献花

 長野県かるざわ町でスキーツアーバスが道路脇に転落し、乗客乗員15人が死亡し、26人が重軽傷を負った事故の発生から3年を迎えた。
 現場近くに昨年建てられた「祈りの碑」に14日、犠牲になった大学生の遺族や友人たちが訪れて花をたむけた=写真。「犠牲者のことは忘れない」「二度と起きてほしくない」と口々に思いを語った。

「祈りの碑」に献花する、犠牲者の遺族や友人の写真
(C)朝日新聞社

15日 労働力人口、2040年に2割減

厚労省推計

 厚生労働省は2040年の労働力人口の推計を初めて公表した。仕事をする高齢者と女性の割合が今のままで、経済の低迷も続けば、17年より18.8%減って5460万人になるとした。同省の有識者による雇用政策研究会が、国立社会保障・人口問題研究所が5年に1度見直す将来推計人口の最新データ(17年4月公表)をもとにまとめた。総人口は15年から40年で12.7%減るとの見通しだ。
 労働力人口は、15歳以上で働いているか仕事を探している人の数。40年は人口減少が進む中で高齢者人口がピーク(42年)になる直前の時期で、労働力の確保がより深刻になる可能性がある。

労働力人口の見通しを表した積み上げ棒グラフ
(C)朝日新聞社

16日 横綱・稀勢の里が引退

けがに苦しみ、休場続く

 大相撲の横綱・さと(32)が現役を引退した。東京・国技館で開いた記者会見では「けがをする前の自分に戻ることはできなかった。土俵人生において、一片の悔いもございません」と話した=写真。今後はあらいそ親方としてうら部屋で指導にあたる。
 稀勢の里は大関時代の2017年の初場所で初優勝。場所後、日本出身力士では19年ぶりとなる横綱に昇進した。次の春場所で左腕と左胸に大けがをしたが、優勝。このときのけがに苦しみ、年6場所制となった1958年以降の横綱で最長の8場所連続休場を記録した。

稀勢の里の写真
(C)朝日新聞社

16日 両陛下、最後の歌会始

今年の題は「光」

 新年恒例の「うたかいはじめ」が皇居で開かれた。今年の題は「光」。天皇、皇后両陛下や皇族方、天皇陛下に招かれて歌を詠む召人めしうど、入選者10人らの歌が披露された。
 天皇陛下は皇居・御所のヒマワリが成長する様子を「贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に」と詠んだ。皇后さまは夕方に御所のバラ園の花が光に照らされ、美しく咲く様子を詠んだ。

16日 訪日客と消費額、過去最高

昨年、3119万2千人、4兆5千億円

 昨年1年間に日本を訪れた外国人は3119万2千人、日本で使ったお金(速報値)は4兆5千億円で、いずれも過去最高を更新したと、観光庁が発表した。消費額は7年連続で過去最高を更新しているが、政府が2020年の目標とする「訪日客数4千万人、消費額8兆円」はまだ遠い状況だ。
 また、昨年日本から海外へ出かけた人の数は前年比6.0%増の1895万4千人で、6年ぶりに過去最高を更新した。

2011年から2018年の、訪日客の推移を表した棒グラフと、消費額の推移を表した折れ線グラフ
(C)朝日新聞社

17日 阪神・淡路大震災から24年

1・17のつどい

 6434人が亡くなった1995年の阪神・淡路大震災の発生から、24年となった。地震が起きた午前5時46分には、各地で多くの人が犠牲者に祈りをささげた。兵庫県神戸市のひがし遊園地では午前5時から「1・17のつどい」が開かれ、「1995 つなぐ 1・17」の形に並べたたけどうろうに火がともされた=写真。

「1・17のつどい」で、竹灯籠に手を合わせる人たちの写真
(C)朝日新聞社

17日 2016年 がん患者、99万5千人

初の全数調査

 厚生労働省は、2016年に全国で新たにがんと診断された人は、延べ約99万5千人と発表した。全国の医療機関に情報提供を義務づける制度ができてから、初の全数調査。詳しい分析ができるようになり、がん対策に役立つと期待される。
 性別では、男性56万6575人、女性42万8499人、性別不詳58人。男女合計の部位別では大腸(15万8127人)、胃(13万4650人)、肺(12万5454人)の順だった。
 年齢別では75歳以上が全体の約4割を占める。ただ、女性の乳がんは30代から増え始める。

17日 口永良部島で噴火

警戒レベルは3のまま

 気象庁は午前9時19分ごろ、鹿児島県しま町のくちの島のしんだけが噴火したと発表した。さいりゅうも発生したが、集落には達しておらず、噴火警戒レベルはそれ以前の3(入山規制)を維持している。
 福岡管区気象台によると、噴石は火口から約1キロ飛び、火砕流も火口から南西と北西側に約1.5キロ流れたが、集落や海岸には達していない。

口永良部島
 屋久島の西方約12キロに位置する、ひょうたん形の島。新岳では2015年5月に爆発的な噴火があり、警戒レベルを5(避難)に引き上げ、全住民が島外に避難した。昨年10月21日には約3年ぶりに噴火。12月18日にも火砕流を伴って噴火し、約100人の住民が島内の避難所に自主避難した。

口永良部島の位置を示した鹿児島県の地図

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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