朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

11月8日―11月15日

2018年11月18日付

8日 軽減税率 適用? 適用外?

国税庁 新たな対応事例公表

 来年10月の消費増税と同時に導入される軽減税率について、国税庁はどういう場合に適用されるかという具体例をまとめた「Q&A」を改定した。
 飲食料品でも外食は軽減税率の適用外で税率は10%、持ち帰りにすれば適用され、税率は8%になる。例えば休憩スペースのあるスーパーでは、客一人ひとりにどこで食べるか確認しなくても、「飲食はお控えください」などと掲示し、実際に飲食させていなければ、一律で軽減税率を適用できるとした。

軽減税率
 来年10月に消費税の税率が10%になる際に、酒類を除く飲食料品や新聞の税率を8%に抑える制度。消費者の負担を減らすねらいで、生活に必要な商品の税率は据え置く。

軽減税率の線引きの図
(C)朝日新聞社

9日 国費の無駄、1156億円

会計検査院 最多は防衛省

 会計検査院は、国費の無駄遣いや不適切な経理など、改める必要がある事業が374件、1156億円にのぼると発表した。金額は昨年の874億円より増えたが、件数はここ10年で最少だった。
 指摘を受けた省庁・団体別では、防衛省の639億円が最も多かった。航空機や艦船にのせる部品の管理で、報告書上、必要なものがそろっていなかったものが616億円分あった。

9日 エルニーニョ発生か

気象庁 今冬は暖かそう?

 気象庁は「エルニーニョ現象」が発生したとみられると発表した。今年の冬は東日本から沖縄にかけ、暖冬になる可能性が高いとしている。
 前回(2014年夏~16年春)は規模が大きく、国内ではスキー場が雪不足になるなど暖冬の影響が広がった。アフリカなどでは、大干ばつが起きた。
 現時点では、前回ほどの大きさにはならないとみられる。少なくとも来年の春まで続きそうだという。

エルニーニョ現象
 東太平洋の赤道近くの海面水温が平年より高くなる現象。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。どちらも、発生すると、世界的に異常気象が起こると考えられている。

9日 パーキンソン病に初のiPS移植

京大が治験

 ヒトのiPS細胞からつくった神経細胞を、パーキンソン病の患者の脳に世界で初めて移植したと、京都大が発表した。京大の計画は、保険適用をめざす「けん」という枠組みで実施されている。実用化に向けて、さらに一歩進んだといえる。
 パーキンソン病は、ドーパミンという物質をつくる脳内の神経細胞が減少し、手足の震えや体が動きにくくなるといった症状が出る。国内に16万人の患者がいるとされる。

iPS細胞を使ったパーキンソン病の治験のイメージ図
(C)朝日新聞社

9日 世界遺産ペトラ遺跡で土石流

ヨルダン 12人死亡

 中東のヨルダンで大雨による洪水があり、12人が死亡した。南部にある世界遺産のペトラ遺跡=写真=も土石流に襲われ、観光客3500人以上が避難した。団体旅行で訪れていた日本人47人は無事だった。
 約2千年前の都市の跡といわれるペトラ遺跡は、米映画「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」の撮影地としても知られる。
 ヨルダンでは11月から3月にかけ降水量が増える。ペトラ遺跡も乾燥した気候で、深いけいこくが連なる地形のため、雨が降れば鉄砲水や土石流が起きやすいという。

世界遺産のペトラ遺跡の写真
(C)朝日新聞社

10日 16歳の紀平選手が初GPでV

フィギュアNHK杯

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦の日本大会(NHK杯)が広島県で開かれ、女子シングルでは16歳のひら選手が優勝した=写真。女子で跳べる選手が少ないトリプルアクセル(3回転半)ジャンプを、フリーで2本決めた。GP初出場での優勝は日本勢で初めて。
 みやはらさと選手(20)が2位に入り、男子シングルではしょう選手(20)が優勝した。2人は12月のGPファイナルへの進出を決めた。

紀平梨花選手の写真
(C)朝日新聞社

10日 サッカーJ1 川崎が連覇

鹿島はアジア初制覇

 今年のサッカーJ1リーグは、川崎フロンターレが2試合を残して2年連続2度目の優勝を決めた=写真は喜ぶ選手たち。J1連覇は川崎が5クラブ目で、通算6度目。5月には広島に勝ち点差を13まで広げられたが、逆転した。
 アジア一のクラブチームを決めるサッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)では、鹿島アントラーズが初優勝した。12月12日からアラブ首長国連邦で開かれるクラブワールドカップに、アジア代表として出場する。

2年連続2度目の優勝を決めた川崎フロンターレの写真
(C)朝日新聞社

11日 第1次世界大戦終結から100年

パリで記念式典

 第1次世界大戦が終結してから100年となったこの日、フランスのパリで記念式典が開かれた。各国首脳や国際機関代表ら80人以上が出席した。フランスのマクロン大統領は「大戦は100年前のことであると同時に、昨日のことでもある」と語り、ポピュリズムや自国第一主義に直面する現状への危機感を示した。

第1次世界大戦
 オーストリア皇太子夫妻が暗殺されたサラエボ事件(1914年)をきっかけに、英国、フランス、ロシアなどの連合国側と、ドイツ、オーストリアなどの同盟国側が戦った。軍事力だけでなく物資生産など、国力すべてを動員する史上初の総力戦となった。
 連合国が勝利し、18年11月11日に休戦協定が署名された。戦後のベルサイユ体制への不満は、ドイツでヒトラー率いるナチスが台頭する一因になった。

11日 大学入学共通テストの試行調査

2回目終了 2年後の本番想定

 大学入試センター試験に代わり、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」に向けた2回目の試行調査が2日間の日程を終えた。2年後の「本番」を想定した形で、大学を中心とした全国528会場で8万人以上の高校2、3年生が問題を解いた。
 記述式問題を工夫するなどして、全体の平均正答率の目標は5割。結果は来年3月までに公表される。

11日 小型カプセル、地球に到着

「こうのとり」から初回収

 国際宇宙ステーション(ISS)から離れた無人補給機「こうのとり」7号機が、小型の回収カプセルを放出した。カプセルは大気圏に再突入してパラシュートで降下し、がさわら諸島・みなみとりしま沖に着水。午前10時30分ごろ、宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が回収した。
 カプセルにはISSで結晶化させたたんぱく質などの実験試料(約1キロ)が入っていた。日本が独自にISSから実験試料を回収したのは初めて。容器は「タイガー魔法瓶」(大阪府かど市)が開発。瞬間的に40G(Gは重力加速度)になる着水時の衝撃にも耐える強度がある。

12日 大谷選手が大リーグ新人王

二刀流 日本選手4人目

 米大リーグの新人王に、アメリカン・リーグではエンゼルスのおおたにしょうへい選手(24)=写真=が選ばれた。日本選手としては1995年のひで投手、2000年のかづひろ投手、01年のイチロー選手以来、4人目となった。
 新人王は、全米野球記者協会に所属する記者の投票で決まる。大谷選手は、ピッチャーとバッターの「二刀流」で活躍した。

大谷翔平選手の写真
(C)朝日新聞社

12日 ガザ地区で攻撃の応酬

イスラエルとパレスチナ

 イスラエル軍と、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスなどが、激しい攻撃の応酬をしている。イスラエル軍によると13日にかけ、ガザ地区からイスラエル側にロケット弾など約460発が発射された。イスラエル軍も武装組織の拠点約160カ所を空爆した。
 2014年夏の大規模な戦闘の後では最大規模となった。国連のグテーレス事務総長は、関係者全員に自制を求めた。
 ハマスなどの武装組織は13日、イスラエルと停戦に合意したと発表した。イスラエルのメディアなどによると、同国当局者も合意を認めた。

パレスチナ自治区ガザ地区の地図

14日 英国のEU離脱協定案、閣議承認

議会承認は不透明

 来年3月末に予定される英国のヨーロッパ連合(EU)からの離脱をめぐり、英国とEUが、確定するまでの間、一時的に合意した協定案について、メイ政権がこの日、閣議で承認した。メイ政権とEUは、25日のEU臨時首脳会議で協定案の正式な合意にこぎ着けたい考えだ。
 ただ、国内では協定案への反発も強く、協定の発効に必要な議会の承認が得られるかは見通せない状況だ。15日にはEUとの交渉役ら4大臣が協定案に抗議して辞任した。
 英国は2016年6月に行われた国民投票でEU離脱派が多数となり、17年3月から具体的な離脱の方法をEUと話し合ってきた。

14日 北方領土、2島先行返還めざす

日ロ会談 首相、「一括」から転換

 しんぞう首相は訪問先のシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談し=写真=、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意した。
 この宣言は平和条約締結後にはぼまい群島、しこたん島の2島を引き渡すと明記している。日本政府はこれまで、くなしりえとろふの2島も含めた北方四島の一括返還を求めていたが、首相は今後の交渉で2島の先行返還を軸に進める方針に転換した。

日ソ共同宣言
 第2次世界大戦に敗北した日本と、ソビエト連邦(主に今のロシア)の戦争状態を終わらせ、外交関係を回復させた宣言。1956年に調印された。45年にソ連に占領された北方四島については、平和条約を結んだ後、歯舞群島、色丹島の2島を日本に引き渡すとしている。

安倍晋三首相とプーチン大統領のシンガポールでの会談の写真
(C)朝日新聞社

北方四島の地図

15日 横田めぐみさん、拉致から41年

母・早紀江さん「普通に帰ってきて」

 新潟市の中学1年生だったよこめぐみさん(当時13)が北朝鮮にされてから41年となった。母のさん(82)=写真=が14日、神奈川県川崎市で会見し、拉致問題について「日本が本気で解決しないといけない。積み残されるのは絶対許せないこと」と訴えた。
 めぐみさんは先月、54歳になった。早紀江さんはめぐみさんに「普通に帰ってきてくれればいい。願いはそれだけ」。

横田めぐみさんの母早紀江さんの写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る