朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

10月18日―10月25日

2018年10月28日付

18日 教員の勤務、平均週60時間超える

公立学校 連合調べ

 日本労働組合総連合会(連合)は、公立学校の教員1千人を対象にした調査で、平日と休日を合わせた勤務時間の平均が、働き過ぎで健康が害される「過労死」のおそれがある週60時間を超えていたと発表した。「時間内に仕事が処理しきれないか」という質問には、8割以上が「そう思う」と答えた。
 約6割の教員が管理職から「早く退勤するように」と言われた経験があったが、このうち約7割は「仕事の量を減らしてから言ってほしい」と考えた、と回答した。

18日 宮城・志津川湾がラムサール登録

東京・葛西海浜公園も 水鳥や湿地保護

 水鳥の生息地として国際的に重要な湿地を守る「ラムサール条約」に、宮城県みなみさんりく町の「がわ湾」=写真上=と、東京都江戸川区の「西さい海浜公園」=同下=が新たに登録された。
 志津川湾は、マコンブなど藻類が生い茂るの多様性や、希少な水鳥が越冬する重要な場所であることが評価された。
 葛西海浜公園は、干潟を保護しようと約30年前に開園した海上公園。二枚貝類や甲殻類などが生息する。毎年120種以上の鳥類が確認され、スズガモが2万羽以上、飛来。東京都内で初の登録だ。日本のラムサール条約湿地は52カ所になった。

ラムサール条約
 正式名は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。水鳥や湿地保護をめざす。1971年、イランのラムサールで開かれた会議で採択された。日本は80年に加盟。

宮城県南三陸町の志津川湾の写真

東京都江戸川区の葛西海浜公園の写真
どちらも(C)朝日新聞社

19日 琉球王家の陵墓「玉陵」が国宝に

沖縄の建造物では戦後初の指定

 文化審議会は、琉球王家の陵墓「たまうどぅん」=写真=(沖縄県那覇市)を国宝に指定するよう文部科学大臣に答申した。沖縄県ではしゅ城正殿などが国宝だったが、太平洋戦争末期の沖縄戦で1945年に焼失。戦後できた文化財保護法のもとでは、県内の建造物として初めての国宝指定となる。
 玉陵は首里城を居城とした琉球第二しょう王統の歴代の陵墓で、1501年につくられた。

琉球王家の陵墓「玉陵」の写真
(C)朝日新聞社

19日 水星探査機「みお」打ち上げ成功

日欧共同探査 到着予定は7年後

 水星を調べる日本の探査機「みお」が南米・フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられ、成功した。欧州の探査機「MPO」と一緒に約7年かけて約90億キロを飛行し、謎が多い水星を探査する。
 日本と欧州の共同探査で、イタリアの天文学者の名前にちなみ「ベピコロンボ計画」と名付けられた。2機は2025年12月に水星に到着予定。その後、約1年かけて、みおは高い高度を回って磁場や大気を観測する。

19日 広島が日本シリーズ進出

プロ野球 パ・リーグはソフトバンク

 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は、セ・リーグ最終ステージの第3戦で、リーグ王者の広島が3位の巨人に快勝=写真上は本塁打を放つ広島のまるよしひろ選手。2年ぶり8回目の日本シリーズ進出を決めた。
 パ・リーグは21日、CS最終ステージ第5戦でシーズン2位のソフトバンクがリーグ王者の西武をやぶり、進出を決めた=同下。
 日本シリーズは27日、広島・マツダスタジアムで開幕。

広島の丸佳浩選手の写真

日本シリーズ進出を決めたソフトバンクの写真
どちらも(C)朝日新聞社

20日 米、中距離核全廃条約を破棄へ

冷戦時代に旧ソ連と結ぶ

 米国のトランプ大統領は、第2次世界大戦後の冷戦時代に米国と旧ソ連(今のロシア)が結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄する方針を表明した。これを受け、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が22日、モスクワでロシアのパトルシェフ安全保障会議書記と会談し、破棄の意向を伝えた。
 トランプ氏は、ロシアが条約で禁止された兵器を開発していると批判。さらに、中国が条約に加わらず、自由に兵器開発を続けていることも問題視してきた。米国の条約破棄で、軍備を強化する競争が加速する恐れがある。

中距離核戦力(INF)全廃条約
 核弾頭や通常弾頭をのせる地上発射型ミサイル(射程500キロから5500キロ)を禁止する条約。INFは「Intermediate-Range(中距離) Nuclear Forces(核戦力)」の略。
 1987年、米国のレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ書記長が米ソ首脳会談で調印し、88年に発効した。米ソが初めて核兵器削減に同意した条約。91年までに2692基(米国側846基、ソ連側1846基)のミサイルが廃棄された。

21日 台湾で列車脱線事故

18人死亡

 台湾東部のイーラン県で夕方、台湾鉄道の特急列車「プユマ号」(乗客366人)が脱線した。18人が死亡、190人が重軽傷を負った。脱線の原因は調査中だが、現地報道によると、地元の検察当局は走行速度の超過が事故原因になったとする初期段階の見解を明らかにした。
 現場は線路が右にカーブしており、列車の全8両が脱線。そのうち5両が横転した。現場の制限速度は75キロ。走行記録によると、事故時の速度が140キロに達していたとみられるという。
 プユマ号は昨年10月にも東部の別の県で脱線。台湾鉄道ではその他の列車も含め、昨年少なくとも計4件の脱線事故が起きているという。

台湾で脱線した列車車両の撤去作業の様子の写真
脱線した車両の撤去作業の様子=22日朝、台湾・宜蘭県
(C)朝日新聞社

21日 福原愛選手が引退表明

卓球 15歳から五輪4大会連続出場

 卓球女子のふくはらあい選手(29)=写真=が、ブログで引退を表明した。
 3歳で卓球を始め、4歳からテレビ番組に出演。「愛ちゃん」と呼ばれ、親しまれた。15歳だった2004年アテネ大会から4大会連続で五輪に出場した。団体で、12年ロンドン大会は銀メダル、16年のリオデジャネイロ大会でも銅メダルを獲得した。リオ大会後は、休養していた。

福原愛選手の写真
(C)朝日新聞社

22日 障がい者雇用水増し、自治体3800人

政府の再調査

 役所が雇っている障がい者の数を実際より多く報告していた問題で、政府は全国の自治体を対象に昨年6月1日時点の雇用数を再調査した結果、計3809.5人を不適切に数え入れていたと発表した。全体の平均雇用率はこれまでの調査の2.40%から2.16%に下がった。
 水増しは教育委員会が全体の6割を占め、平均雇用率は法律で定められた2.2%(当時)を下回り1.85%となった。
 公表済みだった中央省庁の水増し数については3445.5人に訂正。この日に公表された報告書によると、人数が最多だった国税庁は「うつ状態」「不安障がい」と自己申告するなどした人を、臓器など内部機能に障がいがある「身体障がい者」と認定していた。

再調査でわかった各機関の障がい者雇用水増し数の表

23日 医学部不正入試、4事例示す

文科省中間報告 大学名は明かさず

 文部科学省は全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している不正調査の中間報告を公表した。性別や浪人の年数で合否判定に差をつけるなど、複数の大学で不適切な入試が行われた疑いがある例を示した。
 報告書で、不適切な可能性が高いものとして①学力検査での得点が同等でも、女性や浪人回数が多い人は面接試験でより高い評価でないと合格にならない②調査書や出願時の書類を審査する際、現役生にだけ加点するなどの4例を示した。調査中だとして大学名は明かさなかったが、東京医科大のほか、少なくとも6大学で不適切な入試が行われていた可能性があるとみられる。

24日 外国人労働者拡大に意欲

臨時国会召集 首相が所信表明

 第197回臨時国会が召集された。しんぞう首相は所信表明演説で、外国人労働者の受け入れを広げる在留資格の創設や、自民党の憲法改正案を国会に提示する意欲を示した。
 野党は、財務省をめぐる一連の不祥事がありながら続投した麻生あそうろう財務大臣ら閣僚の資質についても追及する方針。

臨時国会
 内閣が必要なときに召集できる国会。衆議院と参議院のいずれかで総議員の4分の1以上の求めがあるときも開かれる。ほかに毎年1月に始まる原則150日間の「通常国会」、衆議院の解散による総選挙後30日以内に召集される「特別国会」がある。

24日 Tリーグ開幕

卓球 トップ選手集結

 卓球の新リーグ「Tリーグ」が開幕した。男子のみずたにじゅん選手やはりもとともかず選手、女子のいしかわすみ選手やひら選手らトップ選手が集う。2020年東京五輪に向けて、選手を強化することや、競技を盛り上げ、競技人口を増やすことも期待されている。

24日 安田純平さんの解放を確認

3年前にシリアで拘束

 内戦下のシリアに2015年に入国した後、行方不明になり、過激派組織にこうそくされていたフリージャーナリストのやすじゅんぺいさん(44)が解放された。トルコで保護され、日本大使館の職員が本人だと確認した。
 安田さんは25日、トルコ・イスタンブールを出発し、空路で帰国した。

24日 ナマハゲなど無形文化遺産へ

「来訪神」8県10件の行事

 文化庁は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に推薦している「鹿のナマハゲ」(秋田県)=写真=や「あくせきじまのボゼ」(鹿児島県)など8県の10件の行事からなる「らいほうしん 仮面・仮装の神々」について、事前審査をしていた評価機関が「登録」を勧告したと発表した。いずれも、仮面・仮装姿の人が家々を訪れ、なまけ者をいましめたり人々に幸福をもたらしたりする伝統行事だ。
 11月末からアフリカ・モーリシャスである政府間委員会で正式に決まる見通し。

男鹿のナマハゲの写真
(C)朝日新聞社

25日 甲子園の主役に指名集中

プロ野球 ドラフト会議

 プロ野球の新人選手選択(ドラフト)会議が東京都内で行われ、史上初の2度目の甲子園春夏連覇を果たした大阪とういん高校では、投打の「二刀流」で注目のあきら内野手に4球団が競合し、中日が交渉権を引き当てた。ふじわらきょう外野手は3球団が指名してロッテが交渉権を得た。夏の甲子園準優勝のよしこうせい投手(秋田・かなあし農業高校)は日本ハムが交渉権を得た。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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