朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

9月20日-9月27日

2018年9月30日付

20日 陸上イージス、町長が反対表明

山口県阿武町

 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画をめぐり、山口県町のはなのりひこ町長が、配備に反対する考えを表明した。「配備は町民の安全・安心や平穏を著しく損なうことにつながる。進めてきたまちづくりに逆行する」としている。
 阿武町は、防衛省が配備の候補地とする陸上自衛隊むつみ演習場(同県はぎ市)への進入路が一部かかる。地元首長の反対表明は初めて。

イージス・アショア
 弾道ミサイルを大気圏外で迎撃できる、陸上配備型のシステム。配備の候補地として、政府は秋田市と萩市の2カ所に絞り込んでいて、2023年度に運用を始める方針。2基置くだけで日本全土をカバーできるとされるが、購入や維持に膨大なお金がかかる課題もある。

20日 ドーピング、ロシアの処分解除

2020年東京五輪・パラに参加へ

 世界反ドーピング機関(WADA)は、組織的なドーピング(運動能力を高めるための薬物使用)問題で2015年11月から資格停止中だったロシア反ドーピング機関(RUSADAルサダ)について、処分解除を決めたと発表した。20年東京五輪・パラリンピックでロシア選手団が全面的に参加する道が広がった。
 ロシアは陸上競技連盟とパラリンピック委員会が資格停止中で、処分解除にはRUSADAの資格回復が条件の一つだった。

21日 iPS細胞で血小板つくり輸血

京都大の臨床研究、国が了承

 厚生労働省は、出血を止める働きをするけっしょうばんをiPS細胞からつくり、血液の難病「再生不良性貧血」の患者に輸血する京都大学の臨床研究を了承した。1年以内には輸血を始めたいという。iPS細胞を実際の患者に使う臨床応用が、目、心臓、脳神経に続き、血液でも世界で初めて行われることになった。
 血小板製剤を含む血液製剤は、献血によってつくられているが、献血者は減少傾向だ。iPS細胞から血液製剤ができれば、将来、血液製剤の安定供給にも役立つと期待される。

iPS細胞
 人工多能性かん細胞。無限に増やせ、体のさまざまな細胞に変化できる。やまなかしん・京都大学教授が2006年、マウスの皮膚の細胞に四つの遺伝子を働かせて作製に成功。07年にはヒトでも成功し、12年にノーベル医学生理学賞に選ばれた。

iPS細胞からつくった血小板による臨床研究のイメージ
(C)朝日新聞社

21日 世界柔道・阿部兄妹そろってV

東京五輪へはずみ

 アゼルバイジャンのバクーで開かれた柔道の世界選手権で、男子66キロ級の選手(21)=写真右=と女子52キロ級のうた選手(18)=写真左=の兄と妹がそろって優勝を果たした。日本勢が同じ大会できょうだい優勝するのは25年ぶりで、同じ日の優勝は初めて。
 2人は2020年の東京五輪で日本柔道界初となるきょうだいでの金メダル獲得を目指す。

阿部一二三・詩選手の写真
(C)朝日新聞社

21日 文科省事務次官がまた辞任

汚職事件で引責

 政府は、文部科学省をめぐる一連の汚職事件の責任を取り辞職願を出しただにかず事務次官(61)の辞任を了承した。文科省では前の事務次官も組織的な天下り問題の責任を取り辞任。大臣に次ぐ地位の人が2人続けて不祥事で辞めることになった。

22日 リュウグウに探査ロボ着陸

地表を撮影

 宇宙航空研究開発機構(JAジャXAクサ)は、探査機「はやぶさ2」から分離した小型探査ロボット2台が、小惑星「リュウグウ」に着陸したと発表した。小惑星の上を移動できる探査機が着陸に成功したのは、世界初。
 JAXAによると、探査ロボはリュウグウに着陸後、地表をはねて移動しながら撮影。画像データは、はやぶさ2の本体を経由し地球に送られた。
 2台は今後、10月に予定されるはやぶさ2本体の着陸に備え、地表の画像や温度などのデータを集める。

リュウグウ
 地球と火星の軌道付近を回る直径約900メートルの小惑星。コマのような形で、表面に複雑な凹凸や最大約200メートルのクレーターがある。太陽系が誕生した46億年前ごろにできたと考えられ、内部には当時の状態を保った砂や有機物が含まれている可能性がある。

23日 「こうのとり」載せ打ち上げ成功

国産ロケットH2B

 国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」を載せた国産ロケットH2Bの7号機は、鹿児島県のがしま宇宙センターからの打ち上げに成功した。H2Bの打ち上げ成功は、2009年の1号機から7回連続。
 飛行士の衣服や食料などを積んだこうのとりは27日、ISSのロボットアームでキャッチされた。

23日 白鵬が41度目V、幕内1千勝超え

大相撲秋場所

 大相撲秋場所のせんしゅうらくは、東京・りょうごくの国技館で行われ、横綱のはくほう(33)=写真=が全勝優勝した。13年連続で、今年は初めて。歴代最多を更新する通算41度目で、自身が持つ全勝での優勝記録も14に伸ばした。
 幕内での通算勝利は前人未到の1千勝を超え1001勝になった。

 白鵬の写真
(C)朝日新聞社

25日 苫東厚真発電所4号機が再稼働

1カ月以上の前倒し

 北海道電力は、6日の地震で止まっていた火力発電所のとまとうあつ発電所4号機(北海道厚真町)が再稼働したと発表した。設備の傷みが想定よりも少なく、「11月以降」としていた復旧時期が1カ月以上早まった。
 同発電所は地震で全3基が停止し、道内ほぼ全域の停電を引き起こした。1号機が19日に復旧し、家庭や企業への節電の要請は解除されていた。2号機は試運転中に不具合が見つかり、10月中旬に復旧する見通し。

25日 「なし崩し」本来の意味回答、2割

文化庁 国語に関する世論調査

 文化庁は、2017年度の「国語に関する世論調査」を発表した。言葉の使われ方の変化や新しい言葉の広がり具合が明らかになった。調査は今年3月に実施。16歳以上の男女2022人が回答した。初めて尋ねた「なし崩し」で、「借金をなし崩しにする」を例文に挙げたところ、本来の意味とされる「少しずつ返していくこと」と答えたのは19.5%。「なかったことにすること」と答えた人が65.6%にのぼった。
 三省堂の16年新語大賞でもある「ほぼほぼ」を「使うことがある」は27.3%で、10~20代では5~6割に達した。「聞いたことはあるが使うことはない」が41.2%、「聞いたことがない」が31.0%だった。

25日 伊方原発3号機の運転認める

広島高裁

 四国電力のかた原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めた仮処分決定について、広島高等裁判所は、決定を取り消した。これを受け、四国電力は10月27日に運転を再開すると発表した。
 広島市と愛媛県松山市の住民が、さん(熊本県)の噴火の危険から、運転差し止めを求めていた。高裁は、大規模な噴火発生の根拠が示されていないなどと説明し、原発の立地は不適切ではないと結論づけた。

伊方原発周辺の地図
(C)朝日新聞社

25日 「新潮45」が休刊

LGBTめぐる記事掲載で

 新潮社は、性的少数者(LGBT)をめぐる記事が批判された月刊誌「新潮45」の休刊を決めた。「原稿チェックがおろそかになっていた」「深い反省の思いを込めた」などとしている。
 新潮45は8月号に自民党のすぎ衆議院議員の文章を掲載。同性カップルは「生産性がない」などの主張が差別的だと批判を浴びた。10月号に特集「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」を載せ、反発はさらに強まっていた。

25日 貴乃花親方、協会に「退職届」

傷害事件告発めぐり「圧力受けた」

 大相撲の元横綱、たかはな親方(46)が、日本相撲協会に退職を届け出た。弟子に対して元横綱はるが起こした傷害事件をめぐり、協会の対応がおかしいと内閣府に告発状を出したところ、内容が事実ではないと認めるよう協会から強要されたと主張した。協会は否定し、届け出た文書が「引退届」であり、形式に不備があるとして受理しなかった。
 貴乃花親方側は27日、提出した文書を「退職届」として扱うよう求める上申書と追加の書類を協会に提出した。

26日 御嶽山頂への登山、解禁

シェルターなど安全対策

 2014年9月の噴火災害で、戦後最悪となる死者58人、行方不明者5人を出したおんたけさん(長野・岐阜県境、3067メートル)の山頂への登山が解禁された。
 御嶽山の噴火活動はいま沈静化していて、気象庁は昨年8月、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに気をつける)へ変更。長野県木曽きそ町もコンクリート製シェルターを造るなど安全対策をしてきた=写真中央右がシェルター3基。
 今年の解禁は期間限定で、10月8日正午まで。

御嶽山のコンクリート製シェルターの写真
(C)朝日新聞社

26日 広島カープ3連覇

セ・リーグ 巨人以外で初

 プロ野球セ・リーグは、広島東洋カープが広島市のマツダスタジアムで2位ヤクルトに10―0で勝ち、球団史上初の3連覇を達成した=写真。リーグ制覇は9度目。広島はこれまで1979年、80年と昨季までの2連覇が最高。セ・リーグ3連覇は巨人に次いで2球団目となった。
 広島は4月24日に首位に立つと、一度もその座をゆずらず独走した。日本シリーズ進出をかけ、10月17日からクライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)を戦う。2016年は日本シリーズで日本ハムに敗れ、昨季はCS最終SでDeNAに敗れた。

セ・リーグで広島カープ初3連覇を達成した時の写真
(C)朝日新聞社

26日 「物品貿易協定」の交渉始める

日米首脳会談で合意

 国連総会に出席のため米国を訪れたしんぞう首相は、トランプ米大統領と会談し、農産品や工業製品などの関税の二国間のルール「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉開始で合意した。
 トランプ氏は日本への貿易赤字を減らすために、米国産牛肉に課す関税の引き下げなどを求めている。日本は、経済に大きな影響がある米国への自動車の輸出の関税の引き上げを避けて交渉を進めたい考え。交渉中は、米政権が検討する輸入自動車への高関税措置を発動しないとされる。

26日 スズキ、車の検査で改ざん

排ガスや燃費測定データ

 自動車大手のスズキは、出荷前の自動車の排ガスや燃費を測定する検査で、測定データの改ざんがあったと発表した。少なくとも2737台のデータに何らかの書き換えがあったとされる。
 スズキは8月の会見で、検査条件を守らなかった不適切さは認めていたが、わざと書き換えたことはないと説明していた。その後、立ち入り検査した国土交通省から指摘を受け、改ざんがわかった。業務量に比べて検査員が少なく、「再測定する余裕がなかった」と言う検査員もいたという。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です

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