朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月26日-8月2日

2018年8月5日付

26日 文科省の幹部、また逮捕

東京地検 収賄容疑で

 東京地方検察庁特別捜査部は、文部科学省国際とうかつ官(57)=26日付で解任=をしゅうわい賄賂わいろを受け取ること)の疑いで逮捕した。宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)に出向中、医療コンサル会社の業務に関し、有利に取り計らった見返りに、約140万円相当の飲食などの接待を受けた疑い。
 文科省では前の局長がじゅたく収賄(公務員が職務に関する依頼を受けて賄賂を受け取ること)の罪で起訴されたばかり。文科省への信頼が大きくゆらいでいる。

26日 「医療等ID」 2020年度運用開始

マイナンバーの医療版

 厚生労働省は、マイナンバーの医療版とも呼ばれる「医療等ID」の導入を決めた。個人の健診結果や診療録(カルテ)など生涯にわたる医療情報が、病院が変わっても確認できるようになる。2020年度に本格運用が始まる。

マイナンバー
 日本に住所がある人全員につけられた12桁の番号。別々の役所で管理する税金、年金などの社会保障、災害対策に関する個人情報を結びつけ、手続きを効率化するのが狙い。2015年10月から番号の通知が始まり、16年1月から行政手続きで使われている。

医療ID活用のイメージ
(C)朝日新聞社

27日 辺野古埋め立て承認 撤回表明

沖縄県知事

 沖縄県わん市にある米軍てん飛行場をへ移す計画をめぐり、ながたけ知事は、前知事が認めた辺野古沿岸部の埋め立ての承認を撤回すると表明した。国は早ければ8月17日から埋め立て用の土砂を投入する予定で、撤回は事実上、移設工事を止める「最後のカード」と言える。土砂の投入が続くと海を元に戻すことが難しくなるため、県は8月中旬には撤回にふみ切るとみられる。
 撤回後、国は工事をいったん止めなければならない。国は撤回の効力を一時的に失わせる執行停止を裁判所に申し立てる考えだ。国の言い分が認められれば、数週間から数カ月で工事が再開される可能性がある。

沖縄県の地図と普天間飛行場の周辺の地図
(C)朝日新聞社

27日 北朝鮮、米兵の遺骨返還

「非核化」の道すじは立たず

 北朝鮮は朝鮮戦争の「休戦」から65年を迎え、戦争で行方不明になった米国兵の遺骨の一部を米国に返還した。2007年4月以来、11年ぶり。
 遺骨の返還は、6月の米朝首脳会談で合意した内容の一つ。トランプ米大統領は米朝交渉の順調ぶりを誇るが、北朝鮮は朝鮮戦争の「終戦宣言」に米国が応じない限り、朝鮮半島の非核化は進めない考えとみられる。
 7月30日には北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の製造を続けているとの米情報機関の分析が報じられた。衛星写真などからピョンヤン近郊の兵器工場が稼働している兆候があるという。

27日 山口俊投手、ノーヒットノーラン

巨人 史上79人目

 プロ野球・巨人のやまぐちしゅん投手(31)が中日戦で、1試合を通して相手チームからヒットも点も奪われずに勝つ無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)を達成した=写真。
 プロ野球史上79人目(90度目)で、14年5月に当時西武(今は楽天)のきしたかゆき投手(33)が達成して以来。

山口俊投手の写真
(C)朝日新聞社

28日 皆既月食 今年2回目

大接近中の火星と仲良く

 今年2回目となる皆既月食が明け方にあった。台風12号が接近する影響で多くの地域では雨や曇りとなったが、九州や沖縄などでは晴れ間が広がり、地球の影に隠れて欠けていく月が観察できた。次は2021年5月26日にある。月の近くには7月31日に地球に大接近した火星も赤く輝いていた。

皆既月食と大接近した火星を5分おきに撮影したもの25枚を合成した写真
皆既中の月(右)と、15年ぶりに大接近の火星が寄り添うように沈んでいった=5分おきに撮影した25枚を比較明合成、沖縄県石垣市
(C)朝日新聞社

29日 異例の台風 西へ横断

豪雨被災地で避難指示も

 台風12号が三重県市付近に上陸した。日本の東にある寒冷低気圧の影響で、東から西へと異例のコースをたどり、東海から近畿、中国、九州を横断した。8都府県で26人がけがをした(8月2日現在、総務省消防庁まとめ)。
 台風は西日本豪雨の被災地も通過し、広島県では大半の市町で、岡山県で18万5千人、愛媛県で10万人に避難勧告・指示が出された=写真は広島市区で台風通過後に自宅の泥をかき出す被災者。

広島市安芸区で台風通過後に自宅の泥をかきだす被災者の写真
(C)朝日新聞社

29日 国際バレエコンクール10代活躍

日本人4人入賞

 ブルガリア東部バルナで開かれたバルナ国際バレエコンクールで、ジュニア部門の男性でとうはるさん(18)が2位、おおもりいつさん(18)が3位、女性でせきエレナさん(16)が3位を受賞した。シニア部門では女性でたかもりさん(19)が3位の銅賞を受賞した。
 同コンクールは1964年創設で、世界の主要コンクールで最も長い歴史がある。2年に1度開催され、28回目の今年は各国から約120人が出場した。

30日 日大アメフト 大学統治機能に問題

第三者委最終報告
 日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、日大が設置した第三者委員会が最終報告を公表した。大学のガバナンス(組織統治)が機能していなかったことが、アメフト部の前監督の「独裁体制」を招いたと結論づけた。なかひで寿とし理事長についても危機管理対応を怠った責任を指摘。「反省と謝罪を含めた自らの説明責任を果たすべきだ」と批判した。
 関東学生アメフト連盟は7月31日、日大に科した2018年度の公式試合の出場資格停止処分を継続すると発表した。日大は8月30日開幕の関東大学リーグに参加できなくなった。

30日 iPS、パーキンソン病治験へ

京大 目、心臓に続き、脳に移植

 京都大学がヒトのiPS細胞からつくった神経細胞をパーキンソン病の患者の脳に移植する臨床試験(けん)を始めると発表した。パーキンソン病は、手足が絶えずふるえる、筋肉が硬直するといった症状が出る病気。神経の情報伝達物質ドーパミンをつくる脳内細胞が減り、脳からの指示通りに動作が行えなくなる。
 iPS細胞を実際の患者に用いる臨床応用は、国内では目、心臓に続き3例目。

iPS細胞を使ったパーキンソン病の治験のイメージ図
(C)朝日新聞社

30日 諫早湾開門命令が無力化

国が勝訴 漁業者は上告へ

 長崎県のいさはや湾を堤防で閉め切った国のかんたく事業をめぐり、国が漁業者に対して開門を強制しないよう求めた裁判で、福岡高等裁判所は国の言い分を認めた。漁業者側は上告する方針。
 漁業者らは堤防の排水門の開門を、干拓地で農業を営む人たちは閉門を求めてきた。2010年に福岡高裁が国に開門を命じた一方、長崎地方裁判所は開門を禁じ、判断が分かれていた。

諫早湾周辺の地図

30日 五輪・パラの演出メンバー決まる

狂言師・野村萬斎さん総合統括

 2020年東京五輪・パラリンピックの開会式と閉会式の演出を、狂言師のむらまんさいさん(52)=写真=が総合統括すると決まった。野村さんは31日、都内で会見し、復興五輪をアピールする意味では「鎮魂と再生」がキーワードとなる考えを示した。
 五輪の開閉会式は映画「ALWAYSオールウェイズ 三丁目の夕日」シリーズ監督のやまざきたかしさん(54)が、パラリンピックの開閉会式はクリエーティブディレクターのひろしさん(63)がそれぞれ統括する。野村さんは四つの式典のまとめ役になる。

野村萬斎さんの写真
(C)朝日新聞社

30日 甲子園出場56校出そろう

5日開幕 初出場は6校

 第100回全国高校野球選手権記念大会は、史上最多となる全国56代表が出そろった。
 今春の選抜大会優勝の大阪とういん(北大阪)は、春夏4季連続の甲子園出場。初出場校ははくさん(三重)、おりあいしん(北福岡)など昨年と同数の6校で、最多出場はりゅうこくだいへいあん(京都)の34回。せいこう学院(福島)は戦後最長の12年連続出場となった。
 大会は5日から16日間、兵庫県西にしのみや市の阪神甲子園球場で開催される。

31日 理科でも解釈・記述が苦手

小6・中3 全国学力調査

 文部科学省は、今年4月に全国の小学6年生と中学3年生が受けた全国学力調査の結果を公表した。理科は2012年度、15年度に続いて3回目。国語や算数・数学と同様に「情報を整理して論理的に説明する力」が弱いことが浮き彫りになった。自然現象に関する知識や情報を日常生活と関連づけて考えたり、実験の計画のため条件を考えて記述したりする問題の平均正答率が低かった。
 調査は11回目で、国公私立学校の小6と中3の計200万人余りが参加した。来年度から、中3向けに新たに英語の調査が導入される。

31日 日銀、金融緩和策を修正

銀行への悪影響おさえる狙い

 日本銀行は、大規模な金融緩和策の修正を決めた。長期金利を「ゼロ%程度」にという目標は変えないが、少し上がっても無理におさえないとみられる。
 日銀は2013年4月、物価上昇率が年2%になるよう目標を定め、大規模な金融緩和を開始。民間の銀行が持つ国債を買い上げて世の中に出回るお金を増やし、利息や利子の元となる金利を下げた。しかし、利子で得るもうけが少なくなった銀行の経営は厳しくなり、老後のためのお金などを託す年金や保険の資産運用も難しくなってきた。今回の政策修正は、こうした悪影響をおさえる狙いがある。

31日 東京・豊洲市場、知事が安全宣言

10月11日開場へ

 東京都のいけ知事は、つき市場(中央区)から移転を目指すとよ市場(江東区)=写真=について「安全であり、安心して利用できる」と宣言した。
 豊洲の汚染問題では、2016年に汚染対策の柱とされた建物の下の「盛り土」がないことなどがわかり、都は今年7月まで追加の工事をしていた。10月11日に開場する予定。

豊洲市場の写真
(C)朝日新聞社

8月1日 7月は「異常気象」 気象庁発表

東日本の平均気温、過去最高

 気象庁は、7月の天候のまとめを発表した。太平洋高気圧の勢力が強かった影響で、月平均気温は1946年の統計開始以来、東日本で過去最高。西日本でも第2位タイの高温だった。気象庁は7月は「異常気象だった」としている。
 7月23日には埼玉県くまがや市で国内の観測史上最高を約5年ぶりに更新する41.1度を記録した。
 7月上旬には、ばい前線や台風7号の影響で西日本豪雨が発生。広島など124地点で観測史上最多の降水量となった。

平均気温平年差を表した日本地図

降水量平年比を表した日本地図
どちらも(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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