朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月19日―7月26日

2018年7月29日付

19日 縄文遺跡群、世界遺産国内候補に

北海道・北東北 「奄美・沖縄」と調整

 2020年の世界文化遺産の登録を目指して、文化審議会は、さんないまるやま遺跡(青森市)=写真=などからなる「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道と青森、岩手、秋田の3県)を国内の推薦候補にすると決定した。
 ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、20年登録の審査から文化遺産と自然遺産を合わせて1国1件に限定する。今年夏の自然遺産登録を断念し、20年の登録を目指す「あまおおしまとくしま、沖縄島北部及び西いりおもてじま」(鹿児島、沖縄両県)と調整し、政府はどちらかに絞って来年2月までにユネスコに推薦する。

三内丸山遺跡の写真
(C)朝日新聞社

19日 リュウグウ、星の破片から誕生?

JAXA発表

 探査機「はやぶさ2」が滞在している小惑星「リュウグウ」の表面に、多数の大きな岩が散らばっていることがわかった。宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が発表した。別の天体の破片が集まって生まれた可能性を示しているという。
 はやぶさ2が撮影したリュウグウの画像を調べたところ、大きさが8メートル以上の岩が、100個以上散らばっていることが確認できた。大きいものは約130メートルあり、南極の近くで見つかった。
 これらの岩のサイズは、リュウグウの直径(約900メートル)に対して大きく、地表にぶつかったいんせきなどの破片とは考えにくいという。

20日 カジノ実施法が成立

依存症対策不十分の声も

 お金をけて遊ぶカジノを含む「統合型リゾート(IR)実施法」が参議院本会議で可決、成立した=写真。IRは、カジノや会議場、劇場などが一体となった施設を意味する英語「Integratedインテグレーテッド Resortリゾート」の略。
 刑法が禁じるギャンブルを例外的に認めるもので、2020年代前半にも最大3カ所のIRが開業することになる。政府は入場などの規制を厳しくするが、「ギャンブル依存症」の対策が不十分という声もある。

参議院本会議の写真
(C)朝日新聞社

20日 平均寿命、男女とも過去最高

女性87.26歳、男性81.09歳

 2017年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳で、いずれも過去最高を更新した。厚生労働省が発表した「簡易生命表」(年齢ごとの死亡率や平均余命を計算した表)でわかった。
 前の年と比べ、女性は0.13歳、男性は0.11歳延びた。健康意識や医療の水準が高まり、がんや心臓の病気などの死亡率が改善したことが影響した。

平均寿命の上位3カ国・地域の表画像

20日 児童虐待防止策を閣議決定 

児童福祉司2千人増の計画も

 政府は関係閣僚会議を開き、児童虐待防止の対策をまとめた。東京都目黒区で5歳の女の子が虐待を受けて亡くなったとされる事件をふまえ、児童相談所(児相)の支援する家庭が転居した際、虐待で外傷があるなど緊急性の高い場合は、原則として転居前の児相職員と対面で引き継ぐルールを徹底する。子どもと面会できなければ、立ち入り調査をするとした。
 児相の体制強化に向け、2019~22年度の4年間で、不足している児童福祉司を約2千人増やす新プランも年内に策定する。

児童福祉司
 都道府県などが置く児童相談所で、虐待や非行への対応や指導を担当する専門職員。医師などの資格を持つ人や、大学で社会学や心理学を学んだ人などが配属される。2017年度末見込みで3253人いる。

20日 働く母親、初の7割超え

厚労省 2017年国民生活調査

 働く母親の割合が初めて7割を超えたことが、2017年の国民生活基礎調査でわかった。厚生労働省が公表した。
 調査は昨年6~7月に実施。約6万1千世帯に、世帯や仕事に関する状況などを尋ねた。18歳未満の子がいる世帯の母親は「仕事あり」が70.8%(前の年に比べて3.6ポイント増)で、「正規」24.7%、「非正規」37.0%、「その他」(自営業など)9.1%だった。統計がある04年以来初めて7割を超えた。

22日 東京五輪・パラ マスコット名決定

「ミライトワ」「ソメイティ」

 2020年東京五輪・パラリンピックの公式マスコットの名前が決まった。五輪は「ミライトワ」=写真中央左=、パラリンピックは「ソメイティ」=写真中央右。大会組織委員会が発表した。
 ミライトワは「未来」と「」を結合させた。ソメイティは桜の「ソメイヨシノ」と英語の「soソー mightyマイティー(非常に力強い)」を掛け合わせている。
 小学生の投票で2月にデザインが決まった後、業者が約30案を提示。英語など8言語で差別的な意味が含まれないかなどを確認し、大会組織委が投票で決めた。

マスコットのデビューイベントの写真
(C)朝日新聞社

22日 関脇・御嶽海が初優勝

大相撲 長野県出身

 大相撲の西にしせきわけたけうみ(25)が名古屋場所で初優勝した=写真。14日目の21日にひらまくとちおうざんとの対戦に勝って13勝1敗とし、2敗の力士がいなかったため、千秋楽を待たずに優勝を決めていた。
 長野県出身力士の優勝は、現在の優勝制度ができた1909年の夏場所以降で初めて。平成生まれの日本出身力士でも初めてで、学生相撲出身者では7人目となる。

初優勝した御嶽海の写真
(C)朝日新聞社

23日 41.1度 国内最高気温を更新

埼玉・熊谷

 全国で記録的な暑さが続き、埼玉県熊谷くまがや市で国内の観測史上最高を約5年ぶりに更新する41.1度を記録した=写真。全国の観測地点の約4分の1で最高気温が35度以上の猛暑日となった。気象庁は「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している」と危機感を示した。
 気象庁は20日、この暑さは8月上旬にかけて続く見込みと発表。猛暑の主な原因は、7月10日ごろから二つの高気圧が日本の上空で重なり始めたこと。暖かい空気が押しつけられて地上付近で圧縮され、気温が上がったままになった。日本列島が2枚の毛布をかぶっているような状態だという=図参照。
 総務省消防庁は24日、熱中症による全国の死者数が22日までの1週間で65人(速報値)に上ったと発表した。2008年の集計開始以来、1週間あたりで過去最多となった。

埼玉県熊谷市の本日の最高気温の画像

猛暑のメカニズムの説明画像
どちらも(C)朝日新聞社

23日 異常な猛暑、世界各地で

WMO「気候変動の結果」

 世界各地で猛暑や少雨といった異常気象が観測され、乾燥による火災や熱中症などの犠牲者が相次いでいる。ギリシャの首都アテネ近郊ではこの日、高温で乾燥した強風の影響で、複数の山林火災が発生。70人以上が亡くなった。北欧やロシアの北極圏にある地域でも、30度を超える日が出ている。
 世界気象機関(WMO)は、異常気象が増えているのは「気候変動の結果だ」としている。

24日 西日本豪雨、激甚災害に指定

廃棄物処理追いつかず

 政府は、西日本を中心とする豪雨災害などを「げきじん災害」に指定すると閣議決定した。道路や河川などの復旧工事の際、自治体への補助金が1~2割ほど引き上げられ、最大9割程度が国の補助となる見通しだ。
 西日本豪雨による災害廃棄物は処理が追いつかず、道路脇に廃棄物の山が築かれ、学校のグラウンドを覆い尽くしている=写真は24日、岡山県くらしき町の市立きびひがし中学校。
 広島県は25日、西日本豪雨の災害廃棄物が推計で約200万トンに上ると発表した。2014年の広島土砂災害の総量の約4倍だ。県は来年末までの処理完了を目指すが、長期化の恐れもある。

激甚災害
 地震や大雨などで大きな被害が出て、被災地域や被災者への援助を特に必要とする災害。激甚災害法に基づき政令で指定され、被災した自治体は国から財政的な支援が受けられる。

廃棄物に覆い尽くされた学校のグラウンドの写真
猪野元健撮影

26日 津久井やまゆり園事件から2年

障害者施設 19人の犠牲者を追悼

 神奈川県相模さがみはら市の障害者施設「やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員を含む27人が負傷した事件から2年を迎えた。解体工事中の園舎前に設けられた献花台にはユリの花や折り紙で作った花がけられ、多くの人が祈りを捧げた。
 これに先立つ23日、神奈川県などが主催するついとう式が市内で開かれた。遺族や園の関係者ら約600人が参列した。

26日 オウム元幹部6人の死刑執行

刑確定13人全員の執行終える

 法務省は、オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した6人の元教団幹部の死刑を執行した。6日には、教団元代表のまつもとあさはらしょうこう)元死刑囚ら7人の執行がされている。一連の事件で死刑が確定した13人の元幹部全員が執行された。
 オウム真理教は、松本元死刑囚が約30年前に立ち上げた新興宗教団体。1995年に東京・かすみせき駅を通る地下鉄計5本の電車の中で幹部らが猛毒のサリンをまいた無差別殺傷事件=写真は事件発生直後の日比谷線つき駅付近=など計13の事件を起こし、27人を死亡させた。

事件発生直後の日比谷線築地駅付近の写真
(C)朝日新聞社

26日 サッカー日本代表新監督に森保氏

五輪代表と兼任

 日本サッカー協会は、日本代表の次期監督に、21歳以下(U21)男子日本代表監督のもりやすはじめ氏(49)が就任すると発表した。契約期間は4年。初采配は9月7日のチリ代表との国際親善試合(札幌ドーム)となる。
 森保氏は現役時代、守備的MFミッドフィールダーとして活躍。引退後はコーチなどを経て12~17年途中までJ1広島で監督を務め、3度のJ1優勝の実績がある。
 2020年東京五輪に出場する代表チームも継続して率いる「兼任監督」になる。記者会見では「多くの方々の力をお借りしながらチームを作っていけば、不可能が可能に変わり、同時に見ていくことが大きな成果につながると思う」と語った=写真。

森保一さんの写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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