朝日中高生新聞
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  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

5月23日―5月31日

2018年6月3日付

23日 米、車も関税引き上げ検討

最大25%に? 日本にも打撃

 米国のトランプ政権は、外国から輸入する自動車やその部品にかける関税の引き上げに向けた調査を始めると発表した。すでに高い関税をかけている鉄鋼やアルミニウム製品にならい、輸入車が国内の開発力を低下させ、米国の安全保障をおびやかしていないかを調べる。
 米メディアは乗用車にかける関税を、今の2.5%から最大25%に引き上げる案があると報じている。実際に引き上げられれば、車の米国向け輸出が多い日本や韓国、ドイツ、カナダ、メキシコなどは大きな打撃を受ける。

24日 日本遺産 新たに13件を認定

「桃太郎の鬼退治」など

 文化庁は、文化や伝統を伝えるストーリー(物語)を認定する「日本遺産」に、「カムイと共に生きるかみかわアイヌ」(北海道)や、「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま~古代の遺産がいざなう鬼退治の物語~」(岡山県)など13件(13道県の55市町村)を新たに認定し、発表した。
 今回は45都道府県の322市町村から76件の申請があった。認定総数は計67件となった。

日本遺産
 地域の歴史や文化を国内外にアピールし、地元の活性化もねらうため、文化庁が2015年度から始めた制度。文化や伝統を受け継いできた、その地域のストーリーを認定する。文化庁は20年度までに100件程度まで増やす方針。

25日 東京23区の大学定員増、認めない

地方大学の振興法が成立

 東京23区の大学の定員増加を10年間認めないことなどを盛り込んだ地方大学の振興法が、参議院本会議で賛成多数により可決、成立した。
 同法は、特定地域にある大学の定員増を2028年3月末まで認めないと規定。政令で東京23区を特定地域に指定する。社会人や留学生は抑制の対象外とした。東京への流出で地方の若者が減り、地域の活力が低下しているとして、地域の大学の振興と雇用機会の創出を掲げる。

26日 日ロ、米朝会談「後押し」で一致 

首脳会談 領土は平行線

 しんぞう首相が、ロシア・モスクワでプーチン大統領と会談した。米朝首脳会談の実現と成功に向けて「後押し」することで一致した。北方四島での「共同経済活動」についても議論したが、大きな成果は得られなかった。
 首脳会談の冒頭、安倍首相は共同経済活動に言及。「共同経済活動、元島民への人道的について、さらに、弾みをつけたい」と呼びかけた。プーチン氏は「政治分野の協力に関して意見交換したい」と述べた。

北方四島
 北海道の北東にあるえとろふ島、くなしり島、しこたん島、はぼまい群島。1945年8月9日、ソビエト連邦(今のロシア)が中立条約をやぶって参戦し、占領した。国交を回復した56年の日ソ共同宣言には、平和条約を結んだ後に歯舞、色丹の2島を日本に引き渡すと記された。しかしロシアは、第2次世界大戦の結果として北方四島がロシアに移ったと主張している。

北方四島を示した地図

26日 南北首脳が再び会談

米朝会談実現に向け

 韓国のムンジェイン大統領と、北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長が、軍事境界線上にあるパンムンジョムで会談した。2人の会談は4月27日以来2回目。中止が発表された米朝首脳会談の実現に向けて話し合ったとみられる。
 27日(日本時間)には、正恩氏と、米国のトランプ大統領はそれぞれ米朝首脳会談を当初の予定通り6月12日にシンガポールで行いたい意向を表明。しかし北朝鮮の非核化をめぐり、米朝間には、なお溝があり、調整が続けられる見通し。

27日 強制不妊、新たに914人特定

全国弁護団結成

 1948~96年に存在したかつての優生保護法のもと、障がい者らに不妊手術が強制された問題で、朝日新聞社が5月、2回目の全国調査を行った。その結果、個人を特定できる資料が新たに914人分見つかり、29都道府県で4773人分に増えた。国が把握する手術人数1万6475人の約3割にあたるが、7割はなお分かっていない。
 被害者救済を求めてこの日、弁護士184人からなる全国弁護団が結成された。

28日 諫早湾干拓 和解協議が決裂

開門めぐる訴訟で漁業者と国

 長崎県のいさはや湾を堤防で閉め切った国のかんたく事業をめぐり、堤防の排水門を開けるよう求める漁業者と国が争っている裁判で、和解協議が事実上、決裂した。国が門を開けない前提の福岡高等裁判所の和解案に対し、漁業者側が反発していた。判決は7月に言い渡される見通し。

諫早湾の干拓事業
 1997年、農地造成と防災を目的に、諫早湾を潮受け堤防で閉め切った。魚や貝がとれなくなったとして、湾周辺の漁業者らが堤防の排水門の開門を要求。福岡高等裁判所が2010年、国に開門を命じ、判決が確定した。
 一方、干拓地の営農者らは、開門すると農地や作物が海水の影響を受けるとして、11年に開門差し止めを求め長崎地方裁判所に提訴。長崎地裁は昨年4月、開門の差し止めを認める判決を出した。国は開門しないかわりに漁業振興のための100億円規模の基金を作る和解案を示している。

長崎県の地図

諫早湾を空から撮った写真
諫早湾
(C)朝日新聞社

28日 カワウソ 長崎・対馬に生息か

おす2匹とめす1匹のフン発見

 環境省は、昨年に国内で38年ぶりに野生のカワウソが見つかった長崎県の対馬つしまで、少なくとも3匹のユーラシアカワウソが生息している可能性が高いとの調査結果を発表した。韓国から流れ着いたとみている。
 カワウソは昨年、琉球大学が設置した自動撮影カメラに写り込んだ。環境省は島内の河川沿いなどを調査。フンに含まれるDNAなどを分析したところ、おす2匹とめす1匹のものと判明した。おすのうちの1匹とめすはDNA型が類似しており、親子やきょうだいの可能性もあるという。

29日 日大前監督と前コーチを除名処分

関東学生連盟 アメフト反則問題で

 アメリカンフットボールの試合で、日本大学の選手がかん西せい学院大学の選手に悪質なタックルをしてけがをさせた問題について、日大が所属する関東学生アメフト連盟は東京都内で臨時の理事会を開いた。反則行為は日大のうちまさ前監督といのうえつとむ前コーチの指示だったとの調査結果を公表し=写真=、2人を除名処分にした。
 除名は処分の中でもっとも重く、アメフト界からの永久追放に相当する。タックルした選手と日大のチームも、今年度の公式戦の出場資格停止処分に。ただ、選手とチームへの処分は今後、反省文を提出するなどすれば、解除される見通し。

記者会見で調査結果を公表している様子の写真
(C)朝日新聞社

29日 阪神・鳥谷選手、連続出場止まる

歴代2位の1939試合で

 プロ野球・阪神のとりたにたかし内野手(36)=写真=は、兵庫県西にしのみや市の阪神甲子園球場であったセ・パ交流戦のソフトバンクとの試合に出場せず、前の試合まで続いていた歴代2位の連続試合出場記録が「1939」でストップした。
 歴代1位は、4月に亡くなったきぬがささちさん(元広島)の2215試合。鳥谷選手はプロ15年目。連続出場記録は新人だった2004年9月9日から続いていた。

セ・パ交流戦
 プロ野球のセントラル・リーグ(セ・リーグ)とパシフィック・リーグ(パ・リーグ)との間で行われる交流試合。2005年から毎年行われている。各球団が相手リーグの6球団と3試合ずつ、計18試合を戦う。各球団の勝ち数をリーグごとに合計し、多い方が勝利リーグとなる。勝利リーグの中で、勝ち数に応じて賞金が分配されるほか、最高勝率球団にも賞金が贈られる。

鳥谷敬内野手の写真

30日 栃ノ心が大関昇進

「親方の教え守り、稽古に精進」

 日本相撲協会は東京・国技館で臨時理事会と名古屋場所のばんづけ編成会議を開き、せきわけとちしん(30)=ジョージア出身、かす部屋=の大関昇進を決めた。
 栃ノ心はこの夏場所で13勝を挙げるなど、直近3場所で37勝。昇進伝達式で、栃ノ心=写真左=は「親方の教えを守り、力士の見本になるよう、稽古にしょうじんします」と口上を述べた。

栃ノ心の写真
(C)朝日新聞社

30日 ガソリン価格、150円超え

3年5カ月ぶりに

 レギュラーガソリンの小売価格が、3年5カ月ぶりに1リットルあたり150円を超えた。ガソリンの原料となる原油の価格が値上がりしているためで、原油を使った燃料や製品を使うクリーニング、電気料金、飛行機の燃料代にも影響が出る可能性がある。
 ガソリンの価格はおととし3月には112円だったが、中東の産油国でつくる石油輸出国機構(OPECオペック)が昨年1月、原油の減産を開始したことから、原油の価格上昇が加速した。さらに、米国が今年5月、イラン核合意からの離脱を決定。対イランの経済制裁を再開する意向を示したことで、中東の情勢が不安定になったことも価格上昇の一因となった。

30日 1年半ぶりに党首討論

首相は自身の責任認めず

 安倍晋三首相と野党4党首による党首討論が1年半ぶりに国会で開かれた。
 立憲民主党のえだゆき代表は、もりとも学園への国有地売却問題や、学園の獣医学部新設をめぐる問題について追及。首相は、妻のあき氏の関与や、それに伴う自身の責任を認めなかった。

党首討論
 英国議会を参考に、2000年に初めて行われた。与党の党首である首相と、一定規模以上の野党の党首が1対1で計45分間議論する。首相は野党側に反論することもできる。00年は8回行われたが、昨年は1回も行われなかった。

31日 働き方改革法案、衆院通過

野党、高プロ削除要求続ける

 安倍政権が今国会の目玉法案と位置づける働き方改革関連法案が、衆議院本会議で採決された。自民、公明両党と、修正案をまとめた野党の日本維新の会、希望の党を含む賛成多数で可決し、衆院を通過した。6月4日にも参院で審議入りする。立憲民主党などの野党は引き続き、高度プロフェッショナル制度(高プロ)導入の削除を求めていく構え。

高度プロフェッショナル制度(高プロ)
 高度な専門知識を持ち、一定の年収がある働き手を労働時間規制から外す制度。労働時間と賃金の関係が切れた制度で、対象者は残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が払われなくなる。

31日 サッカーW杯日本代表23人決定

ロシア大会

 日本サッカー協会は、6月14日からロシアで行われるFIFAワールドカップ(W杯)に出場する日本代表メンバー23人を発表した。
 まこと選手(34)、ほんけいすけ選手(31)、かわしまえい選手(35)らが3大会連続の選出。まきともあき選手(31)、はらぐちげん選手(27)ら12人が初のW杯代表入りを決めた。ハリルホジッチ前監督の下で出場機会を減らしていたおかざきしん選手(32)、がわしん選手(29)も選ばれた。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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